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【徒然20241011】ヒューマンエラーはシステムエラー

こんなポストをしました。

仕事上のミスを指摘されると、自分自身が非難されていると感じてダメージを受け、さらにそれから延々と自己否定を続けて無駄にダメージを増やしてしまう。そんな傾向が強く私には強くありました。

そんな自分に言い聞かせているのが「ヒューマンエラーはシステムエラー」という言葉です。

ダメ出しの対象は「自分を動かすシステム」であって「自分自身」ではない、という考え方です。

「システム」とは何か。どんな仕事をするときでも、「最初にこれをやって」「次にこれをやって」「最後にこれをして終わり」という手順があります。これがシステムです。

アプリのコードを書いてスマホでテストして動作にバグがあったら、コードをチェックします。スマホの性能に問題があるわけではなりません。

それと同じで、自分がやった仕事でエラーが出たら、自分ではなくシステム(あらかじめ立てた手順)に着目し改善する。ヒューマンエラーは結果に過ぎず、原因はシステムエラーなのです。

ミスの内容にもよりますが、そう考えられれば、必要以上に自己否定せずに済みます。

そして、もっと自己否定をしすぎないためのさらにもう一歩を。

この「あらかじめ立てた手順」(=システム)は、頭の中の「記憶」ではなく、マニュアルのような形にして紙やPC、スマホなどに書き出して「記録」にしておくことをおすすめします。

システムを記録として外部に置くことで、物理的にも心理的にも距離をとることができます。うまくいかなければ、自分ではなく記録を変更すれば良い、と考えられるようになり、自分に向きがちなダメ出しの矛先を変えられます。

ミスをすると、自分自身がダメージを負いがちです。それを最小限に食い止めるために、「ヒューマンエラーはシステムエラー」という考え方は、とても役立ちます。

そんな話を、拙著『発達障害の僕らが生き抜くための「紙1枚」仕事術』では、このように書いています。

たとえば、自分が作った会議資料に対し、参加者から「この数字、間違っていますよ」という指摘が入ったケースについて考えてみましょう。

「自分が悪い」という考え方をしていると、「しまった。どこで間違えたんだろう。次はもっと気をつけよう」といった具体性のない解決案しか思い浮かばないかもしれません。そうなると、同じようなミスが繰り返されることになります。

一方、「紙1枚」を使って「仕組みが悪い」と考えられるようになるとどうでしょう。「なるほど、『会議前に上司に確認する』というサブタスクが抜けてたな。でも会議直前だと上司が忙しくてちゃんとチェックしてくれないかもしれない。もう少し早く資料を作成して、会議の1日前に上司に見せるようにしよう」「特にチェックしてほしい数字を赤文字に変えておけば上司もチェックしやすいかな」など、同じミスが繰り返されないための現実的な対策を練ることができます。

発達障害の僕らが生き抜くための「紙1枚」仕事術(SBクリエイティブ)

こういったことで悩む方は、ほとんどが「自責しすぎる」人たちだと思います。だからこそ、「自分に向けられた非難」として強く感じ、自己否定を延々と繰り返してしまうのです。

その具体的な対策の1つとして、タスク管理はとても有用です。自分で自分に向けてしまった「これじゃだめだ」という自己否定の矛先を、タスク管理ツールとしての紙やPC、スマホにずらしてくれるのです。

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