見出し画像

自分の疲労が自覚できない同志へ

こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。

自分のことは自分が一番分かっていない

こと「疲れ」に関しては、私は自分をまったく信用していません。疲れていることが自分でリアルタイムで認識できないのです。

むしろ、疲れるぐらいのことをすればするほど、逆に気分がハイになって、謎の万能感が出てきてしまいがちです。その結果、「自分はまだまだ大丈夫!」という状態になってしまい、ほとぼりが冷めたころに、溜まっていた疲労感が一気に押し寄せてきてぶっ倒れる、みたいなことがよくありました。

例えば、残業などの過重労働などはその典型だと思います。体力お化けならそれでも続くのでしょうが、私は体力の無さには自信がありますので、残業が続いて体にガタが来てしまうと、その効果はてきめんでした。

会社員として生活し始めたのが30歳ぐらいで、そのくらいの頃は(それでもなんとかあった)体力に物を言わせて、毎日11時頃まで残業していました。残業してこそナンボ!ぐらいに思っていました。

しかし、年齢を重ねるにつれて無理がきかなくなり、頭では「やらなきゃ」と思っていても、後から体に変調をきたすことが多くなってきて、「その働き方はよくないぞ」と思うようになりました。

べきねば思考

一般的に「認知のゆがみ」と言われるものの中に「べきねば思考」があります。「~するべき」「~せねばならない」といった、思い込みが強い思考パターンのこと、と私は理解しています。

私含め、べきねば思考のある人は、疲労を自覚するのが苦手なことが多いと思っています。「べき」「ねば」と考えがちだと、自分の体調などをおいてけぼりにして行動してしまうからです。

このような考え方をしていると、どうしても自分だけでは修正しづらくなってきます。なにせ、残業をしまくっている自分を「偉い」「正しい」と思って、そんな自分に酔ってしまっていたので、修正しようがないのです。

他人に指摘してもらう

幸いにも、日常的に会う方々の中で、就労移行支援事業所のスタッフさんがいました。福祉のスペシャリストということもあり、特にある方は「パッと見ただけでその人の健康状態が分かる」と言っていました。

そんな方に、「小鳥遊さん、今日は疲れてますね」などと言ってもらっていました。朝一番のことなので、本来であれば疲れているはずはないのですが、実際のところ疲労が溜まっていたんだと思います。

これが良いバロメーターになりました。「いや、違う!」と意固地にならずに、「なるほど、自分は疲れているんだな」と素直にその言葉にしたがって、その日の行動を調整するようになりました。

自分で気がつきにくければ、他人に指摘してもらう。当たり前の話ですが、それがなかなか受け入れづらかったりもします。そんな自分を乗り越えて、素直に人の話に耳を傾けるのは大事だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?