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情景#03.「神社と寒の雨」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景・追録』から「神社と寒の雨」です。

雨がしとしとと降る朝。
ビニール傘を差して、傘布越しに空の薄鈍びた雲を見上げる。
ぱつぱつと耳に残る寒の雨。

曇り空。
ひんやりとした空気。
一晩中、雨を受けた街の空気は冷え込みつつも水気をたたえてしめっぽい。

そういう雨の日、私は結構好きです。

だれかと会話するとき、つい枕詞のように「せっかくの休日なのに雨で……」とか「雨、やーですね」とか「晴れるといいですね」とか言ってしまいがちですが、この情景にあるような雨のひとときも決して悪くはありません。

そんな雨を感じながら傘をさして近所を歩く。
つい、鳥居が目について近寄り、そのまま神社の境内に入る。

そこでの他愛のないやりとり。

寒の雨の情景。
お楽しみください。


あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。

どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。



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