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情景168.「寒いけど漕ぐ。連なって漕ぐ。」【掌編小説 at カクヨム】
今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「寒いけど漕ぐ。連なって漕ぐ」です。
冬はあっという間に日が暮れるから、学校の部活もすぐに終わっちゃう。
いつものように同じ部のメンバーで自転車を漕ぐ帰り道。
そんなとき誰ともなく飛び出た、ひらめくような一言。
私のところでは、「チャリ通」って呼ばれてましたね。
自転車通学(自転車で学校に通うこと)のことです。
通っていた高校は最寄り駅から歩いて20分くらいの小高いところにあって、チャリ通派と電車通学派の2つに分かれていました。
私はそれこそ「チャリ通」だったのですが、まァ坂がキツい!
上り坂と下り坂が交互にやってくる道を毎日10キロ弱往復していましたから、今考えるとハードな通学でしたねぇ……。
しかも、当時の福岡は「朝課外」という一限目の前に1コマ授業(いま考えるとなんだこれ……)のカルチャーがあり、始業は朝7時40分!
冬は家を出るときまだ真っ暗ですよ。
未明から明け方にかけて星を眺めつつの登校です。
おかげで体力はついた……気はします。
で、部活の話ですが、冬はすぐに暗くなって部活もできなくなりますから、冬期の部活は夕方5時まで。
終わったあとは寒い寒い言いながらマフラーを巻いて手袋をはめ、自転車を漕ぐわけですね。
自然と部の誰かと帰る流れになるのですが、車道のそばを走るときは危ないので縦一列です。
そんなとき、たまりかねた誰かが言うんですよ。
寄り道の大義名分を得た彼らはウキウキでコンビニへと寄っていくのでした。
そんな情景。
お楽しみください。
『あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。
どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。ぜひ感想を聞かせてください。