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掌編小説マガジン 『at』

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掌編小説マガジン at(あっと)。 これまで、ななくさつゆりがwebに投稿した掌編小説を紹介していきます。 とりあえず、100本!
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#朝のルーティーン

情景245.「二度寝の朝」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「二度寝の朝」です。 みなさん、二度寝は好きですか。 わたしは大好きです。 というより、二度寝は私のルーチンワークです。 六月に入り、網戸越しの風を楽しめる季節になりました。 特に、朝がいいですね。晴れていればなお良い。もしくは、夕方か夜。昼下がりもイイ感じです。 つまり、網戸越しの風とは気持ちがいいものという個人的な感想でした。 窓を開けて、網戸はそのまま。 おひさまと風と音だけを室内へ通すようにして、そ

情景287.「朝、黙想」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「朝、黙想」です。 和室にて、朝の情景。 現代から少し時代観を遡った風。 “堅めの文章”に感じるかも。 ところで、黙想ってしたことあります? 剣道をしていたとき、始めと終わりに先生が「黙想(実際には“もぉくそぉーう”って感じの響き)」と声をかけて門下生が1分間の黙想をする……というルーティンがありました。 いまはメンタルケアやマインドフルネスの考え方が浸透してきて、そのアクティビティも活発ですから、以前よ

情景239.「風車村の朝支度」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「風車村の朝支度」です。 朝、ひざしと風を浴びる。 恵風が羽をなびかせ、風車が回る。 風車の“まわるアレ”って、羽(羽根)って言うんですね。 続きものとして「情景239【風車村の朝支度】」と「情景240【風車村で音を聴いて】」を覧ください。 このお話は、情景にある「音」を気にしながら書いていました。 ほら、文章って音が鳴らないでしょう? でも、“よい情景”というのは、音がするし光はあるし風はそよぐし、匂い

情景190.「氷の張る上に」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「氷の張る上に」です。 アスファルトにうっすらと張った朝の氷溜まり。 踏めば“パリッ”と、音がする。 晴れているのにとんでもなく冷めてる朝ってありますよね。 もう3月だというのに2月中旬くらいの話題で恐縮ですが、 「あぁ、これ朝積もってるな……」 「ああ、これ積もらない系の雪だな」 なんとなく、そういう直感が働く夜ってありますよね。 最近は天気予報の精度もどんどん高くなっていて、翌日の天気くらいならたいてい

情景06.「待ち合い」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「待合い」です。 駅のホームとかバス停とか。 もはや根付いてしまった光景。 正直、どう思います? 私はもう、また新しい端末が登場するまで、このままなんじゃないかなと。 電車で新聞を読むひと。 バスで小説を読むひと。 イヤホンで音楽を聞くひと。 飛行機でタバコを吸っていたひと。 時代の流れ。 技術の革新。 時の流行り廃りに沿って、通勤通学時のスタイルは変わっていきます。 そのスタイルの中で、たまたま台頭して

情景05.「朝、鏡の前に立つ男」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「朝、鏡の前に立つ男」です。 この小話は、掌編小説集『あなたが見た情景』において、もっとも文字が少ない掌編小説です。 もはや詩。 101文字の掌編小説。 作中の彼に名前はありません。 それだけでなく、年齢不詳で、職業も定めておらず、髪型も色も示しておらず、寝起きなのか起きていくらか経っているのかも判別つかず、寝間着なのかスーツなのかもわかりません。 決まっている情景の要素は、「鏡の前に立ってヘンな顔をした

情景194.「朝、土鍋で炊飯」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「朝、土鍋で炊飯」です。 アク(灰汁)と戦うなんとやら。 灰汁、取ります? 私は場合によりけりかな。 土鍋でお米を炊く。 蓋を開けるとぶわっと湯気が立って、その奥で「米が立つ」というのを目の当たりにする。 ……本当に、湯気が「ぶわっと」あがるんですよ。ふわっとではなく。 最初はステンレス鍋だったかな。 高校生ぐらいの頃、母がしばしば炊飯器以外でご飯を炊くようになり、炊いた余りは冷凍して使う、といったスタイル

情景201.「雪上に響く音」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「雪上に響く音」です。 雪国の朝。 「まるで共感できない」は、実際に言われたことがある。 馬は間近で見て触ったこともあるけど、乗ったことはない。乗ってみたい。 以前、旅行で長野に行ったとき、ゲレンデの近くに馬小屋があって、何頭かの馬をじーっと見物させてもらったことがあります。 そのときに目て見て触った経験が、現時点の私の馬に関する実感の大半を占めています。 馬がじゃれている光景を目にして、ふと思う。 「音

情景291.「朝、起きようと」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「朝、起きようと」です。 起きなきゃねいけないって、早起きしたほうがゼッタイいいって、 わかっているんですけどね。 とつぜんですが、私は二度寝積極派です。 毎日あえて朝5:00にアラームを仕掛け、パチっと目が覚めてからもう一度寝ます。 今回は朝の目覚めに関する情景。 目を覚ましてから、こうなっちゃうなって人もいるのかも。 とりわけ私はちょっと低血圧の気があるので、朝起きてからしばらくはずーんと重たい頭と眠

情景259.「朝の感度」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「朝の感度」です。 朝がきて、 起きる? 起きない? そんな情景。 スマホが手からするりと。 重力にしたがって、 のしかかり。 アレ、意外と痛いですよね。 鼻梁(びりょう:はなすじ)とかに当たったらもうたまりません。 ご用心を。 ※※『あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。※※ どこから読んでも大丈夫。 ぜひ、目次から好きな情景をえらんで読ん

情景139.「目覚まし風時計」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「目覚まし風時計」です。 週末までがんばって、疲れた体を投げ出して寝て、次の日の朝。 風が額をやさしく撫でてくれました。 疲れて帰宅して、だらりと寝てしまって。 そのまま翌朝を迎えてしまった女性のワンシーンです。 でも、朝の風がきもちいから。 だから、今日は何をして過ごそうかと思ってしまう。 おたのしみください。 ※※『あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話の