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田端信太郎公開相談会in宮崎 (後編)

11月24日、宮崎県宮崎市にて相談者の悩みに田端さんが答える
少人数限定「田端信太郎公開相談会in宮崎」が開催されました。

その内容を、引き続き後編からご紹介します!

まだ前編を読んでいない方はこちらから↓↓↓


「夢を語りたい」場所とは

(相談者4人目)
――今、大分県別府市の夢を語れるラーメン屋で修行しています。ラーメン屋をしたかったわけじゃなくて、その店の店長に惚れて別府で修行しています。やっていることはラーメンを食べたあとに、お客さんに夢を語ってもらってるんです。

田端さん:それ、義務なんですか?


――義務ではないです(笑)

田端さん:そういうラーメン屋と凄いなぁって思って。ラーメンの値段が変わったりする「あんたの夢、凄いからタダでいいよ」とか?

――今、ラーメン屋で夢を語りたい人は「語っていいよ」という空間を作っていて。小中学生は夢を語ったら無料で、大人の人はタダで夢を語れますよっていうのでやってるんですけど。

夢を語ることの重要性は店長から聞いてて。多くの人が大人になればなるほど夢をなくしていくんですよ。それ、僕も感じてて。

質問なんですが、夢を語れるラーメン屋を2020年全ての県に作ろうとしていて、それをどうやって増やしていくか試行錯誤しながら悩んでいます。
2030年までに全世界で夢を語れる店を作るというのが最終目標なんですけど。

田端さん:それはそれでいいんだけど、お客さんの立場で言っていいですか?夢語ってどうなるの?

たとえば、厳しい言い方するけど、ラーメン屋の店員が「その夢、凄いですね」って言われるより、キャバクラの美人が「田端さんの夢って凄いですね。応援したいです」とか言ってくれる方がプラスアルファ払おうと思うわけですよ。男なんてそんなもんですから。

いや、それでも夢って実現しないかもしれないけど。だいたい分かって来るわけですよ。そんなん大人になってきたら。

たとえば43歳の、近視眼のね、この腹の出た俺がさ「今から大リーガーになりたい」って言いだしたら、店員さんはどうするんですか?

――それを全力で応援します。

田端さん:叶うわけないじゃん!

――その概念をぶち壊したいんです。

田端さん:その気持ちは分かるけど、そうはいったって、世の中できることとできないことがあるわけですよ。

俺が今から「横綱になりたい」って言って、それを「それは素晴らしいですね」って言うのは簡単ですよ。それに、カーネルサンダースはね、ケンタッキー始めたのは60過ぎですよ。伊能忠敬は50過ぎてから日本の地図を作ったわけですよ。

だから別にいいんだけど、年齢によってできることとできないことがあるじゃん。100%無理かもしんないけど、99、9%無理なことに関して本質的な提供価値をどこにおくかってことが大事で。

で、本人すら叶わないとは分かってるんだけど、その瞬間「俺はただのおっさんじゃないんだ」って憂さ晴らしすることなのかってところも含めて、単に「夢を語ることがいいことだ」というレベルの話であれば、頭の中お花畑だね。

本質的な提供価値って何だというところをちょっと考えた方がいい。

――たとえば、50歳の人が横綱になりたいって言ったとして、本気でなりたいんだったらそれまで努力をしているはずなんですよ。

田端さん:今、その瞬間に気づいたかもしれないじゃない。

――それは凄く素晴らしいことですね。

田端さん:でも、今から努力したって無理だよ。50のおっさんが相撲で横綱になるのは。

――その、横綱の定義ってのは?

田端さん:そりゃ横綱でしょう(笑)相撲協会に認められた。

――別府の横綱になりたいとか。

田端さん:それは小っちゃくなってるだけじゃん。

――でも「横綱」って言わなければ気づかなかった夢に気づけることができます。

田端さん:そんなこと言ったら、大人で本気で夢持ってる奴が良くも悪くも少ないじゃないですか。

――そうなんですよ。それを変えようとしているんですよ。

田端さん:じゃあ言うけど、お客さんが間違ってると思って始める商売はだいたい失敗します。それは良い悪いじゃなくて言っとく。

理想は分かるけど、お客さんを啓蒙しよう教育しようとすると、だいたい失敗する。

なぜかというと、お客さんは特に商売に対して、啓蒙も教育もされたいって思ってないもん。学校や宗教だったらまた違うと思うけど、商売に関しては自分の現状を肯定して気持ちよくしてほしいだけです。

だから、どうせ叶わないけど、どう叶わないと分かったうえで、お水の姉ちゃんが話しを合わせるうえで「夢を語ってくれ」というんだったら、俺は上手くいくと思うんだけど、それを本気で叶えようと思って「本気じゃないのはダメだ」と言いだしたら、斜め45度、明後日の方向に行くと思う。

叶わなくてもいいんだけど「とにかく語ってね」の方が俺はむしろ商売としては正しいと思うよ。その瞬間。

「キッザニア」って知ってます?

キッザニアとは…こども達が実際にある職業の体験にチャレンジし、社会のしくみを学ぶことができるテーマパークのこと。

――知ってます。

田端さん:大人のキッザニアとか、刹那的でもいいからその瞬間「俺はもともと野球選手になりたかった」とか言って「あーそうだったんですね」とか言われる方が普遍性がある気がする。

商売としてのマーケティング的なリアリティを言ってるんですけど、お客さんに啓蒙しても駄目ですよ。全ての商売がダメってわけじゃないけど、短期的資本で始める場合はつらいと思う。

――売上目標はいっさいなくて、集めてるのは夢の個数なんですよ。

田端さん:それってお客さんは気持ちいいのかな?

――その空間が(店内の)好きっていうお客さんもいます。で、合わないっていうお客さんもいます。それはそれぞれの判断なのでいいですけど、逆に、最初は「この空間ポジティブすぎて嫌だな」と思って来てたお客さんも、

徐々に人の夢を聞いてることによって「自分もちょっと語ってみたいなー」と思うようになりました。

田端さん:でも、それだったらラーメン食わなくても全然オッケーじゃないですか。

――全然オッケーです。そういう人もいます。ラーメン食べずに夢を語りに来て帰る方もいますね。

田端さん:それでいいんだったらそれでいいのかもしれないけど、何か違うんだよなぁ。俺だったらその店に入った瞬間に、学歴とか、収入とか社会的な地位とか脇に置いて夢を語れるとか考えるけど。

仮面舞踏会とかあるじゃないですか。そういうちょっと変態チックなことをやった方がいい。来る人ってある程度、現実のしがらみとか持ってるわけじゃないですか。

子供が何人いてとか、宮崎の県庁に勤めているとかいろいろあるわけじゃないですか。そういうの全部脇に置いて、いろいろ語れると。

あるいは、噓八百でもいいわけですよ。その瞬間。自分のなりすましでもなんでもいい。それをなりすまししてるんだって前提で。

で、そういうところを全部突っ込まずに、みんなが「凄いですね」ってお互い褒め合う場っていうんだったら、楽しい気がするんだよね。

――みんなが高め合うっていうことですか?

田端さん:高め合うっていうと大げさなんだけど、受け入れ合うっていうくらいですね。その場では値踏みしないってこと。

――今、僕たちが夢語って聞いてもらう環境じゃないから、どういう反応していいか分かんないです。

田端さん:あのね、一個だけ言うと、どうしてもラーメン屋の店員と客ってなると、お金払って自分の夢を聞いてもらうって、めちゃくちゃ夢も希望もない情けない状況のような気がするんだよね。

「お前聞きたくないけど、店員だから聞いてるだろ」って思うわけじゃないですか。で、そうだとしたら、成り立つのはお水とかホストクラブで、よっぽど美人かイケメンか、そうじゃなかったら、場だけセットして「夢を語りたい当事者同士で語り合って下さい」って方がまだ自然な気がする。

――たとえば、前澤さんがラーメン屋の店員だとして、その前澤さんに夢を語りたいというのはどうですか?

田端さん:それだとどっちかっていったら「マネーの虎」みたいになるじゃん。夢語ってイケてたら「じゃあお前やれよ」っていう話で。

――違います!お金を出してもらうっていう話じゃなくて。

田端さん:大人同士の語って夢叶うって金出してあげるってこと以外ないよ。もしくは人を紹介するか。

――人を紹介するっていうのもありだと思うんですよ。僕らのライバルは神社なんです。神社ってこっちに何の恩恵もないじゃないですか。お金を出して願いが叶うっていうのを目指してて。

田端さん:そしたら宗教だね。悪い意味じゃなくて。

――宗教でもいいかもしれないです。

田端さん:ラーメン屋じゃないな。夢を実現するうえでボトルネックになることって何なんですか?

――諦めるってことですかね。

田端さん:諦めなきゃ夢は必ず叶うんですか?

――その夢に向かってる状況って最高じゃないですか。

田端さん:そしたらさ、campfireとかある意味、教本じゃないですか。クラウドファンディングでも夢叶う人いるわけじゃないですか。

ラーメン屋さんでぼんやり夢語るよりは、クラウドファンディングで具体的にお金募集した方が夢叶うような気がするけど。

CAMPFIREとは…日本最大のクラウドファンディング会社。
クラウドファンディングとは…インターネットを通してクリエイターや起業家が不特定多数の人から資金を募ることを言います。群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、製品開発やクリエイティブ分野などで利用される。

――プラスアルファ、クラウドファンディングでお金を落してもらうではなく、自分自身が夢を語れる人を増やしていきたいです。もっと身近な人に夢を語れる人を輩出したい。

田端さん:語らないよりは語ることが大事だと思う。ただ、ラーメン屋の店員に向かってそういう状況でしか語れないって、語らないよりは百万倍いいけど、やっぱり安全地帯しか語ってないような気がするんですよ。

本当に夢語りたいんだったら、誰にでももっと、街頭でわーわー言ってもいいし、それこそネットで色々な人に発信してもいいわけじゃないですか。

――それができない人のための場作りをしようと思ってます。

田端さん:最初の第一歩としてはいいところだけど、延々そこのラーメン屋で語って、一ヶ月経っても、何年経ってもラーメン食いに来て同じこと言ってたら「その間何しとんねん」と思いますよ。そんなんで叶うはずないだろみたいなところがちょっとあるわけよ。

――期間限定ですね、うちの店は。2050年になったら全ての店を閉めます。2030年で全世界につくって、2050年に全部閉めます。20年間で、世界中が夢で溢れる国々をつくったら「もうそんな店はいらないよね」ってことで全部閉めます。

田端さん:申し訳ないけど、あなたの夢としてはいいと思うんだけど、それってみんなの夢なのかな?「本当にそれって求められてんの?」ってところがけっこう疑問なんだよ。

――オーナーの夢に共感してくれたのは3人ですかね。それをどうやって増やしていくかを考えてます。

田端さん:やる方は3人でもいいかもしれないけど、そこに来るお客さんが無数にいるわけでしょ。続けるという意味では必要じゃないですか。経済活動として。

――ラーメン屋だけじゃなく、多分バーもやります。

田端さん:そうだね。お酒が入った方がまだいいと思うよ。


これからのサービス業

(相談者5人目※一部割愛)
田端さん:凄い面白いって思ったのが、LINEもそうだし、TwitterとかFacebookでもいいんだけど、

エステシャンとか美容師とか、あるいはシェフもそうなんだけど、サービス業だから、その人がイケてるかどうかとか、信頼できるかが本質で、お店がお洒落で立派だとか、一等地にあるとか関係じゃないですか。

で、実はイケてる美容師さんって何かっていうと、お客さんにとって身近な人。

たとえば、美容師さんって特に女性だと子供できたりすると一回、辞めちゃうじゃないですか。で、子供が2、3歳になって手が少し離れてくると、まだ店に勤めるのも立ち仕事で激務で大変だけど「隙間時間、ママ友の髪切りまーす」みたいな商売もある。もっと凄いのはそういうマッチングサイトとか出てきて。ある種の出会い系サイトと変わらないんだけど。

忙しい人で社長とかだったらさ、会社に来てもらって15分だけ空き時間があって、チャチャっと切ってもらった方が絶対いいわけじゃん。あるいはお金持ちだったら家に来てもらって切ってもらうとか。

そしたらさ、その人がインスタとかフォロワーが何十何百万人いたり、お客さんについてもらえるってことも本質で、実は店なんかいらないんですよね。

それで面白いのは、日本人のほとんどって「家もそんなに広いわけでもないし、美容師さんに家に来てもらうんだったら家を片付けなきゃ」とか、色々面倒くさい。流しの美容師に箱だけ貸す美容師というのが増えてるんですよ。

――エステも多いですね。

田端さん:エステも多いでしょ。だからそれが今までって店と店員さんがセット販売されていたのが、バラ売りになってるんですよ今。

今凄い超一流のシェフは、店がないシェフが増えてるんですよ。
何でかっていうと店出すと、不動産コスト凄くかかるでしょ?

それを回収するために今だったらさ、まさしくクリスマスシーズンとかさ、1日2回転しなきゃとか、ダサいじゃん。結婚式じゃないんだからさ。

そうじゃなくて、店出さずにお金持ちのキッチンとダイニングルームに行って、「一晩だけやります」とか。

たとえば、ワールドツアーみたいに世界的に有名なシェフが一週間ずつシンガポール、上海、東京とか来て「一週間のうち、5日だけ働くから5人だけ予約とる」みたいな。一晩100万だけ埋まるみたいな。

その方が何か、1流のどんな店行ったっていうより、自慢になるじゃん。超有名なシェフがこの間家に来てくれたってさ。その方が働く方もライフスタイルとして自由なんですよ。半年働いて半年休むみたいな。自由だから。

店だったらそういうわけにはいかないじゃないですか。今までって1流のシェフ、エステシャン、なんでもいいけど、1流の店を持ってて、「ここで働いてるって1流」だったけど、それが今もうばら売り。アンバウンドされてるんですよね。


田端信太郎公開相談会in宮崎の内容は以上です!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!





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