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考えるヒントをくれた人

考えるって、なんだろう?
信じることと知ること?
美を求める心?
見ることの意味は?
忘れたくない、心の持ちよう。

路傍にもほこる春のひとひら。

陽光に映え、
薫風に香る。

その「姿」が美しい。

「あぁ、スミレか。綺麗だなぁ。」

この花を見ると、いつも思い出すことがあります。
スミレに限ったことではなくて、
我々が、日々目にするファクターについて。

春に出会うスミレ、綺麗ですね。
可憐です。

それはそれで、いいと思います。

もう帰幽されましたが、批評家の小林秀雄さんという方がいました・・・

「考えるヒント」をくれた方です。

小林先生は、その著書「考えるヒント」の中で、
この様に仰っていました。

野辺に美しい花を見る。
なんとも、愛らしい草花。
そしてそれが、スミレだと分かる。

「あぁ、スミレか」

そう思った瞬間、
それは、スミレでしかなくなる。

なんとも言えない美しい姿を見せてくれていたそれは、
「スミレ」と言われた瞬間に、「スミレ」になる。
「スミレ」以外のもので在り得なくなる。

美しいと感じる思いを言葉に置き換えたからだ。
そのものの放つ美しさは、
その瞬間、それを「スミレ」として完結する。

言葉にした途端に、それ以上の美しい姿は見えなくなる。

言葉に置き換えたからだ。と。

ひとつのモノを、ジッと1分間眺めたことがありますか?

眼を見開き、
口を閉じ、

ジッと、そのモノに向かう時、

そのモノは、

今までに無い美しい姿を現してくれます。

真の姿を現します。

そこに、「豊かさ」を感じるのです。

そして、それこそが、

情を育む。

その先に、真理が見える。

小林先生の「考えるヒント」
それは、「生きるヒント」だと思います。

素晴らしい芸術が、人々の心情を育む様に、
小林秀雄先生の言葉は、まさに、
心の芯を見据え育む。

そう、思い居ります。

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