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セイロンティー7大産地④奥ゆかしき「ウダプッセラワ」

この名前、多分相当の紅茶好きでないとなかなか口から出てこないと思う。
私も、初めて聞いた時は、何回か呪文のように繰り返した。
さてお味はというと、その異国情緒あふれる聞き慣れない名前の響きに、相反するような繊細な味わいだ。
この産地の紅茶は、良質なものを飲み続けて初めて分かる奥深さがあると思う。

「ウダプッセラワ」は、ヌワラエリヤ、ウバ、ディンブラに接する産地で、標高1200m以上の高地産の紅茶。
主に、オーソドックス製法という作り方をしていて、OPやBOPが主流だ。
つまり、高地産に表れる特長を活かしたストレート向きの紅茶が多い。
お隣に接しているためかヌワラエリヤっぽさが出る季節もあり、逆にウバっぽさが出る季節もある。地域にもよる。
それはまるで、ダージリンと接するネパールのお茶事情と似ているかもしれない。
私が初めて出会って某お店で購入した「ウダプッセラワ」は渋みが強くて正直美味しいとは思えなかったのだが、セイロンティー専門店「MITSUTEA」で数年前に出会った「ウダプッセラワ」は全然違う味わいで驚いた。
まるで中国茶のように繊細な香りが幾重にも重なっていて且つ、軽やかだった。
茶葉によって、ひとくちに「ウダプッセラワ」と言ってもこんなにも違いがあるなんて。
そして、自宅で淹れてみると、今度は水の違いでも大きく変化することがわかった。いつもと同じ浄水の水でも、なんだか土臭いような。
これは、、一筋縄ではいかないなと思った。
ここまで書いていると、なんだか「ウダプッセラワ」のハードルが上がってしまいそうだけど、美味しい紅茶に出会えば、ストレートで楽しむにはとても品のある紅茶なのは確か。
だからこそ、「ウダプッセラワ」は信頼できる専門店で、出来れば試飲してから購入したい産地だと思う。
でないと、もったいない!

そして、私は「ウダプッセラワ」に出会うと、この繊細な味わいをどうやって攻略するか、逆に俄然とやる気になるのだ(笑)
私の中での「ウダプッセラワ」に対する「汚名返上」のような感覚。
決して扱いやすくはないけれど、その紅茶液の中から、香りや旨みのお宝探しをするような。季節やロットによる変化も楽しめる。
私にとって、ちょっぴり緊張感をもって淹れるセイロンティーのひとつ。
そして、茶葉を人におすすめするときに、どうやって淹れるとよいかお伝えするも大事だと教えてくれたセイロンティーのひとつ。



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