見出し画像

京都で過ごした4年間

私は大学の4年間を京都で過ごした。都会でもなければ田舎でもない、観光地でもあり「学生の街」でもある京都は、学生時代を過ごす街としては最適である。

高校時代、綺麗に勉強をしなかった私は「どこの大学へ行きたいか」ではなく「どの地へ行きたいか」で進学先を決定した。初めはなんとなく東京に行きたくて、「東京の大学を受けたい」と当時の担任の先生に申し出をしたところ、「あなたは都会に出ると遊んでしまうので都会に行ってはいけない」と言われて、まんまと私の両親もその言葉を鵜呑みにした為、東京進出は叶わなかった。(今考えると、多感な時期の女子高生に対してもっとまともな理由を述べられなかったのか?と思う。例えば、東京の大学へ行きたいならこのくらい勉強をしないといけない、とかさ。まぁ、当時の私に言っても無駄だったか・・。)

結局、歴史(主に幕末)が好きだった私は、「新選組が一躍を遂げた地『京都』へ行きます。京都へ行けるなら、私は頑張って勉強します!」と意気込んで、先生と親を説得。晴れて京都の大学に進学することが出来た。

京阪電車「祇園四条駅」の四条大橋側の出口を出ると、まさに「京都」を彩る景色が広がる。どこまでも続いていそうと思わせる鴨川、その鴨川沿いを散歩する人々、鴨川を見つめならが語り合う若者達。四条大橋を渡って少し西に進むと、そこには京都一の繁華街「河原町」があり、商業施設や飲食店で賑わっているものの、都会の繁華街と違ってどこか京都らしい落ち着きを感じられるのが河原町だ。京都の大学生は皆、この河原町で青春を過ごしたことだろう。

京都の良さを一言でまとめるのは難しい。そりゃ、日本一の観光地であると言っても過言ではないので、ちょっと足を伸ばせばその辺に世界遺産をはじめとする寺院、とくに紅葉の時期は至る所が絶景スポットとなるし、学生らしく夜遊びをしたければ河原町で完結するし、学生には少し背伸びが必要だけど美味しい料理屋名店はそこら中にある。そんな宝物が詰まったような地で、よく学んでよく遊び、大切な友人、大学の教授、バイト仲間にも出会うことができた。

今でも京都に足を運ぶと、懐かしさと同時に胸がきゅっと絞まるような切なさを感じたりもする。それは私の青春がぎっしりと詰まっているからだろう。正直、学生時代に100%京都を網羅できていたのかと問われると疑問が生まれる。別に京都じゃなくてもこの青春は味わえていたかもしれないし?それはわからないが、一つ言えることは、この素敵な「京都」という土地でかけがえのない大学生活を送ることができた、ということ。

もっと「京都」を追求していればよかった。

そう大人になって思えるのは、学生時代を京都で過ごしたから。

「更なる京都への追求」は一生かけてやっていけばいい。追求すればするほど深みが出てくる京都だということがわかっているから。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?