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刺激ジャンキーと作法

『納得がいかないけど仕方がないことにありふれているので、精神的に参っても落ち着くしかない。納得がいかないことに無理して足掻いても仕方がない』

恐らくですが、何かを成し遂げるためには目に見えるほど強大で刺激的な課題を乗り越えなければならないと知らずのうちに思っているのかもしれないんですよね。漫画やアニメ、ゲーム等をよくやっていた人は特にそう感じるのかもしれせん。ゲームそっちのけで勉強してきた人が強いのは、現実はとても静かで地味だけど落ち着いて何かに取り組み続けることで勝手に相対評価で勝てると知っているからだと思います。目立つことばかりが話題になりますが、一般的な人生における戦いは将棋の様に佳境があって勝ち負けが決まる静かなものです。SNSの情報や創作物で刺激中毒になっているとこれに気づかない。先日、大阪からやってきた大道芸人のジーニーという方がバランスを取って板の上に乗る芸をやっていたときの発言が印象的でした。それは「みんな立ち上がれと目が言っている」というもの。恐らく劇の最後にやる様な物をネットで頻繁に見て当たり前になってしまっていること、大道芸の劇の作法を知らないという2点から観客側の感受性が壊れていたんだろうとは思う。本来であればそう簡単に見ることができない世界を垣間見ていることを我々は自覚しなければならないし、現実で見る世界が豊かになることを目指さなければならないと思う。

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