ブラック企業時代に病んだ精神、マイナス思考を反転させる
ブラック企業の元社員です。
今年は酷暑、南海トラフ注意報、台風と落ち着かないお盆休みになりましたが、精神的には穏やかに過ごせました。
ブラック企業時代の連休とホワイト企業の連休では見える世界が180度、いや540度は違いますね。
唐突ですが、皆さんは死にたいと思った事はありますか。
私は本気で考えた事があります。
過重労働とパワハラに悩まされたブラック企業時代に、精神面に変化がありました。
辛い出来事があった時に思い至った事は、その後も呪いのように纏わりつきます。
対処した事例を書きます。
完治と寛解
ブラック企業で私は適応障害になりました。
睡眠障害等の身体症状も出た上に、明日を迎えるくらいなら死んだ方がマシだとさえ思っていたので、心療内科であっさりと診断されました。
その後、ブラック企業内での立ち回りの工夫、そして転職による労働環境を改善で順調に回復していきます。
「私はいつ完治と診断されるのですか」
調子が戻った頃、担当医に聞くと適応障害に「完治」というものはなく「寛解」と言うそうです。
当時は担当医が言っている意味が分かりませんでした。
体調が良いから完治も寛解も一緒だろう。
深く考えず軽視していました。
寛解から1年以上経過し、漸くこの意味が理解できました。
希死念慮が完全には消えていない事に気が付いたからです。
現在、精神を病むことが難しいくらいのホワイト環境で働いています。
仕事は余裕過ぎてバイタリティを持て余しているくらいで、私生活も定時退社後の時間をエンジョイしています。
ただ、適応障害時代の感情はそう簡単に忘れられるものではなく、ふとした時に思い出します。
気持ちに蓋をして奥に仕舞い込んでいるというのが正確な表現です。
精神のウイルス
ブラック企業時代、適応障害に至るのに特別な瞬間があった訳ではありません。
過重労働も最初の内は「意外とこなせるな」と余裕をかましていました。
しかし、その余裕も最初だけで次第にキツくなってきます。
一休みしたいと思っても、一向に仕事が減りません。
バテた状態で走り続けるしかない状況が続きました。
その状態の中で、ある時気が付きました。
これ本気で死のうと思ったら死ねるなと。
毎日毎日無茶な業務量、無茶な指示を受ける内に、明日を迎える事に嫌気が差していました。
そんなに思い詰めていたのなら相談すれば良かったのにとか、逃げ出せばいいとか言う人がいます。
全然違います。
いつの間にか思考がバグっている感じです。
過重労働を続けていると、正常な判断力を奪われます。
私は仕事に信念を持っている方ですが、無茶な指示は信念と食い違う事がよくありました。
その中で、パワハラのキツさのあまり何も反論せず受け入れる事が大半です。
今思えば、これが精神に相当な負荷が掛かっていました。
反論する気力も奪われ、日々情けない気持ちで仕事に取り組む事になります。
そこに過重労働も加わる事で判断力も鈍っていき、就業時間のほぼ100%をマイナスの精神状態で過ごしました。
その生活が暫く続いたところで、気がつけば精神がバグっていました。
現在の充実した生活環境が治療薬となっていますが、深層にウイルスとして残っています。
明日への投資に集中
精神のウイルスを自覚後、対処方法を考えます。
まず、適応障害前の自分に戻るという考えは捨てました。
どうしても適応障害前を演じてる感が拭えなかったからです。
代わりに投資行動に軸を置くようにしました。
投資は将来に期待して行うものです。
明日を捨てる人は投資はしないので、投資の行動原理に活路がありそうだと考えました。
要は蓋をした気持ちに辿り着かない為に、プラス思考を維持出来れば良いわけです。
そこで、期待感を増幅させる事を重視しています。
資産が増えるかもしれない、資格を取って活躍出来るかもしれない、筋トレで良い体つきになれるかもしれない等、何でも対象です。
一度ドン底を味わった精神は、気を抜くとマイナス思考に陥ります。
以前なら気に留めなかった事でも、ちょっとした嫌な出来事をトリガーにマイナス思考に向かいやすくなりました。
この呪いを反転させるのが投資行動です。
現在私は以下の行動をしています。
・株式投資(個別株、投資信託の積立投資、情報収集)
・自己投資(担当業務の勉強、資格取得、筋力トレーニング等)
個人的には、自己投資の習慣化が一番有効でした。
ランナーズハイの状態や勉強の集中状態に持っていけるとマイナス思考は振り切れます。
マラソン大会出場、いつまでにこの重量を上げる、資格の試験日といった短期的目標を設定しておくと、更に集中状態に入りやすいです。
資産運用は、資産が少しずつ増えていくのを眺めるのは悪い気分はしませんが、自身の積立ルールを決めたらあとは放置なので、基本リバランスくらいしかやる事はありません。
日々何か集中状態に入る事はないです。(賞与で個別株に挑戦した時は没頭しました)
ですが、数十年先の資産額がどのくらい上がるかという期待感は長期的なモチベーションになります。
旅行等のリフレッシュ手段もありますが、結局は現実逃避です。
マイナスな気分は和らいでも一時的、その場しのぎでしかありません。
現実と向き合う投資行動が最も効果的と考えます。
精神性の変化は他人から見えない
元適応障害というのは、黙って過ごしていれば周りの人には分かりません。
わざわざカミングアウトする必要もないと考えます。
私は信頼出来る一部の人を除いて、基本周囲の人間には話していません。
大人になってから精神性が大幅に変わる事はかなり負荷が掛かるので、内面的には大変な思いをします。
この大変さを分かって貰いたいところですが、周囲には表面しか写っていません。
人よりもハンデを背負った事を自覚して、黙って自分の生活に集中するのが最適解だと考えます。
疾患から成長へ
一度精神をやってしまった人間は、限界と隣り合わせになります。
同じような苦境に直面すれば、容易に精神不調に陥る脆弱性を抱えているからです。
一方で、限界に近い位置に身を置くことで高いパフォーマンスが出せる事があります。
以前より限界が近くなった事で、常に危機意識を持って過ごす事になりました。
その結果、仕事でコンスタントに改善成果を上げたり、STC Associateから準Legal Expertの短期合格等と健常だった頃よりもパフォーマンスが上がっています。
まとめると、以下を軸に行動しています。
仮に私の精神を数値化するなら、ブラック企業退職後は今年の米国株のような上がり方で、かなり調子が良いです。
道半ばですが、適応障害経験もある種の成長と捉えられるようになってきました。
期待感がマイナスをプラスに反転させる鍵ではないかと考えています。
出口戦略
老い先短くなった時にどうなるのか。
人間の精神面も株価のようにマイナスプラスと変動するものだと思います。
その頃精神がプラスならのんびり余生を過ごし、マイナスに陥っているならプラスになるまで積立続けるしかありません。
最高のタイミングで利確、生涯を終える事を目標にします。
最後に
この記事は公開するか迷いました。
身内にも明かしていない思考で、周りからは元気に頑張っているとしか写っていないと思います。
一時期色々な方の体験談を読み漁った時期があり、回復の参考になった事を思い出しました。
一人の克服事例としてここに書き残します。
参考書籍
最後まで読んで頂きありがとうございます。