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f i l m

美味しかったごはん、綺麗だった空、面白い動画、可愛い洋服、友達と遊んだ記録。

日々を分かち合うしあわせを、教えてくれた人だった。

苦しい、不安、傷ついた、怒っている。

負の感情も伝えていいのだと、教えてくれた人だった。


2年という、長いようで短い時間、たくさんのことを教えてくれて、ずっとそばにいてくれた。

ただそばにいてくれた人だった。

わたしが望んだ結果ではなかったけれど、振り返れば、そうなるべくしてそうなったのだと思う。

好きになれてよかったと、心から思える人。
もう彼には伝えられないけれど、今のわたしの気持ちはちゃんと残しておきたいから。

少しだけお付き合いください。



彼といる時のわたしが好きだった。

それが、彼が好きという1番の理由だった気がする。

些細なことが引っかかって、真面目に考えすぎてしまうところも、感情に敏感なところも、否定せずに向き合ってくれる。

彼といる時のわたしは、どんな時よりもありのままだった。

我慢することが当たり前で、笑顔で本音を隠して、本当の自分なんて分からないまま生きてきたわたしを、すっと拾い上げてくれたのは彼だった。


わたしと似ているようで、似ていない性格。
休みの日は時間を気にせず寝られるし、時間には必ずと言っていいほど遅れるし、目先のことしか考えられないし、将来を不安に思うこともない。
それでいて、人の目は気にする繊細なところも持っていた。

自分に都合の悪いことは忘れてしまう。
ただ、今だけを生きているような人だった。

そんな彼を見ていると、過去や未来に振り回されて常に不安を纏っているわたしが馬鹿馬鹿しくて、すっきりした。

彼とは相性が良かったと思う。

好きな音楽も、好きな動画も、面白いと思う瞬間も、可愛いと思う洋服も。

わたしの靴を、かわいいと言って同じものを買っていた。

あの靴、わたしはしばらく履けていない。

洗顔料だって、リップクリームだって、ヘアバームだって、香水だって。なんでもわたしの真似をする人だった。

わたしが褒めた服をたくさん着てくれる人だった。

たくさん時間を共有してくれる人だった。

何時間も電話をしたし、画面を共有しながら勉強をした。
それぞれアプリを開いて、せーので再生ボタンを押して映画を見た。

こんな映画の見方、誰ともしたことなかったし、これから先、誰ともしたくない。

毎日話しているのに、話が尽きなくて、本当に楽しかった。


でも、そんな時間の過ごし方が、わたしたちの心に距離を生んでしまったのも、今になれば分かる。

愛おしいが増えていくわたしと、
ときめきを失っていく彼。

その溝を埋めるのは簡単じゃなかったらしい。

毎日ラインをすることが当たり前になって、お互い何があっても離れていかない安心感が生まれて、彼にとってのわたしは恋愛をする相手じゃなくなって。

そんな時に再び現れたあの子は、きっと彼にたくさんのときめきを与えてくれたんだろう。

そんなことを考えると、今でもわたしは、たくさん泣いてしまう。


彼のことは忘れないと思う。
忘れたくないとも思う。
心の片隅で、ずっと想いつづける。

だけど、きっと心のほんの空いたスペースに、他の人が入り込んでくる未来がくる。

いい大人だから、そのゆとりくらいは作れる。作れるのだけど。


仕事終わりに、今日の出来事を話すのは彼がよかった。
転職をして、新しい生活が始まる彼のそばにいるのはわたしがよかった。
彼が悩んでいる時に、一番に支えてあげるのはわたしがよかった。
一緒に洋服を選ぶのも、未来の話をするのも、眠そうな顔を見るのも、甘えられるのも。
全部わたしがよかった。

どうしてわたしじゃないんだろう。
どうしてあの子なんだろう。

こんなに惨めな気持ちになる恋は初めてで、感情がぐちゃぐちゃで、涙が止まらないのに。

それでも、やっぱり彼を好きになれてよかった。

周りからは、「どこがいいの?」と言われるような人だけれど、言葉では表し難い良さが、わたしにとっての良さがあったんだよ。

一番好きなわたしに出会わせてくれた人なんだよ。


今付き合っている彼女は、彼の良さを本当にわかってくれているのだろうか。

その子には、素を出せていないと言っていた。
彼女は、彼の魅力を本当に知っていると言えるのだろうか。

もうわたしが何を言っても、負け惜しみでしかない。
わたしが何を言っても、彼の気持ちは動かない。


だったらせめて、帰り道に涙を流すくらいは許してよね。


今を楽しんで、努力して、成長して、自分のことを心から好きになって。

いつか巡り巡って彼とまた仲良くなれたら嬉しいな。

なれなくてもいいかも。

彼にもらったたくさんの楽しい思い出を、そっとしまって、誰かに愛されて生きていく覚悟も、少しずつできてきた。



不器用で、無神経なところもあったけれど、不器用なりに見せてくれる優しさが愛おしかった。

優柔不断で八方美人で、どうしようもないところも好きだった。

周りからやめておけ、と言われてしまうような、美しくない恋だったかもしれないけれど、幸せだった。

わたしの駄目なところも、たくさん教えてくれた。

もう、同じことはしない!
大好きで、大切な人を手放すことになるような行動はしない。

心のどこかで、これはきっと通過点なのだと思っているわたしがいる。
彼と過ごした時間は、絶対に独りよがりなんかじゃなかった。
ちゃんと2人で過ごしていた。
そう信じたいわたしがいる。

でも、今じゃないから。

彼と一緒にいることに甘えて、自分の弱さから逃げているわたしのままじゃだめ。

彼と離れてみて気づいた。
彼のことで頭がいっぱいになっている時間は、楽だった。

彼と離れて、自分の弱さや自分の未来のことを考えている時間は、想像以上に苦しくて、逃げたくなる。

でも、この時間を乗り越えたわたしは、きっともっと輝けるはず。

過去から大切なことを学べるわたしは強いな、とつくづく思う。(自惚れ)

そして、きっかけをくれた彼には心から感謝したい。
わたし、強くて美しい女性になっちゃうんだからね。


なんで上手くいかなかったのだろう、と後悔しかけたけれど、それはもう辞めた。

上手くいかなかったけれど、わたしは精一杯やりきった。

その時のわたしにできる最善を尽くしたと思う。

だから、今思うことは、
本当に好きになれて良かった!!

大好きだった!!


最後にわたしの大切な友達へ。
いつも、わたしのそばにいてくれてありがとう。
時には喜び、時には怒ってくれてありがとう。
心から大好きだと思える人に、わたしは出会えたよ〜!

たくさん支えてくれた分、これからはわたしが彼女たちを支えて、一緒に幸せを分かち合いたい。


そして、ここまで読んでくれたあたたかい皆様ありがとうございます☺︎
みんながハッピーになれたらいいね。





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