たぶん、絶対、大好きだ。

世の中に絶対いる、憎めない奴。
それが、多分彼だ。名前は、横道世之介。
信じられないくらいの彼のその真っ直ぐさが、初めて映画を見たわたしに刺さった。
だから、わたしは決めたのだ。本を読もう、と。

まだ、高校生だったその頃、わたしはその映画に出会った。
昭和？平成？すこし前の大学生が楽しそうに学生ライフを楽しんでいるのを見て、わたしは涙が出そうだった。
あぁ、幸せそうだな。なんでみんなそんなに幸せそうなんだろ。大学生になったら、そんな生活が待ってるのかな…。
そんな期待をして、わたしは大学生になった。

世之介みたいな人はいないし、わたし自身彼みたいな感じにはなれなかったが、それでも皆が幸せそうだった。楽しそうだった。わたしだって、そうなりたかった。
なのに、なぜか世之介みたいな人は世の中にいる。出会えないのが残念だった。

自粛期間に、本を読もうと思って手に取った。映画よりものめり込んだ。
あぁ、やっぱり彼は素敵な人だなと素人みたいな感想が出てきて、笑ってしまった。

いつか。わたしが彼に出会えるのであれば。
わたしは彼に聞きたいことがある。
あなたの人生が、わたしの目標です。と。

#読書の秋2020
#横道世之介