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走って投げて恋をして

初めてそのスポーツに出会ったのは画面の中、大好きな戦う系女子が出てくるプリキュアというアニメだった。網のついた棒を持ったボーイッシュな女の子がやっていたスポーツは自分からかけ離れていた。テニスとサッカーを混ぜたようなスポーツを楽しんでいる彼女を、特に何の感情もなく見ていた。


次にそのスポーツと出会ったのは大学1回生の春、部活動紹介であった。
スカートと開襟シャツ風のユニフォームが目新しい、ほとんどの人が大学生から始めるそのスポーツに魅了され、わたしは入部した。
そのスポーツの名は、ラクロス

夏の1回生大会に大学単独チームで出場するにはどうしても人数が必要だったので、当時マネージャー希望でもあったわたしも選手として駆り出された。
ルールも曖昧で、パスやボールキャッチはもちろんできなかったのに、グラウンドでプレイヤーの同期と一緒に汗をかいた。

ラクロスの魅力はなんといってもそのスピード感である。ルールが複雑ゆえ、なかなか理解してもらえないのだが、そのスポーツのスピード感はかなりのものであり、それが導き出す導線は美しい。
そして、男子に関しては地上最速の球技と呼ばれるだけあり、アメフトばりの防具を使用している。
その防具姿が美しいというのはいうまでもない。

コートは限らられており人数制限がある。ゴール前になると適用されるファールが増える…。
いろいろと選手ですら理解できないルールが混在する中で、マネージャーとして毎日このスポーツに携わった。
チームメイトを圧倒的客観視できるこの立場が好きだった。

いつか。ラクロスというスポーツが注目される日が来るとすれば。わたしはこのスポーツの楽しさよりも美しさを感じてもらいたいと思う。

#スポーツ観戦記

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