介護施設に犬がいる日常をつくる #3
こんにちは!
きっと皆さん楽しみにしていてくれていたはず(誰が?)の🐕記事、更新!!
担当は、サービス企画課 じょーのです。
前回のインタビューは、ケアホーム千鳥のドッグトレーナー米川さんでした。入職してから1年以上が経つ3施設のドッグトレーナーに、これまでの振り返りと今のお仕事などについてお聞きしていく企画です。
今回ご紹介するのは・・・ケアホーム葛飾の安西二葉さんです。
今でも覚えているのは、彼女が採用面接に来てくれた時のこと。とても寒い日だったのですが、彼女の服装はリクルートスーツのジャケット(中はブラウス)にスカート姿。「コートないの??絶対寒いじゃん!!」って突っ込んだら、本人は「大丈夫です」と。
後から聞けば、「とても寒かったけど緊張しすぎて寒いと言い出せなかった」そう。笑 そんな緊張しいでシャイな安西さんですが、仕事面ではすごく成長したのです。
そんな姿をぜひ、ご覧いただきたいと思います~~~!
🐕🐕🐕🐕
―まず、自己紹介をお願いします。
・・・自己紹介って、何言うんでしたっけ。
はい。。。ケアホーム葛飾のドッグトレーナー安西二葉です。
出身は、栃木県宇都宮市です。好きな食べ物は生魚です。特に、サーモンと貝類が好きです(でも牡蠣は食べられません・・・謎)。特技は、楽器を弾くことです。金管は構造が一緒なので大体吹けます!トランペットとかホルンとか、チューバとかユーフォニアムとか。小学校1年生から中学2年生まで、地元のマーチングバンドに入っていました。兄弟がみんな入っていたので、その流れで。
―そもそも安西さんがドッグトレーナーの専門学校に入ったのはなぜ?
もともと仕事にしようとは思っていなくて。昔、実家で飼っていた犬がわりと凶暴で・・・その子がもう少しトレーニングができていたら、周りから悪く言われずに、好きに生活できたんじゃないかと思ったんです。しつけしたら変わるのかなって。それがきっかけです。
その子は私が3歳の頃に亡くなったんですけど、まだ私は小さかったので危ないから近寄らせてもらえず。犬は好きだったけど、ちょっと遠くで見てる、みたいな存在でした。お姉ちゃんが当時7歳ぐらいで散歩に連れて行ってたんですけど、引きずられてたんですよ(笑)おばあちゃんは噛まれてたり・・・やんちゃな犬でしたね。
―そこから、介護施設、あるいはドッグセラピーの分野を目指したのはどうして?
昔テレビで、ハワイでドッグセラピーを初めてやり始めた病院を特集しているのを観たんですよ。その時はそんなにピンときてなかったけど、専門学校に入ってトレーナーとしての進路を色々見ていった時に、やっぱりセラピーがいいなぁと思って選んだんですけど。
だけど、就職口が狭すぎて、全然求人がなかったんですよ!やりたくてもやれないっていう・・・あったのは、例えば、子ども病院で看護師の資格を持ってるトレーナーの募集とか。介護施設でも、送迎や料理など介護業務がメインのトレーナー募集だったり。それは自分のやりたい方向とは違うなと思ったんです。
それで全然関係のない、しつけ教室や保健所の研修に行ってみたんですけど、そもそも採用枠も少なくて・・・どうしようかと思っていた時に、たまたまここの求人を見つけました。「ここダメだったら、もう栃木に帰ろう」という気持ちで応募して、本当は半ば諦めてたんですけど(笑)無事に採用していただきました!
ーゴールデンレトリーバーをパートナーに選んだ理由は?
専門学校の先生と話したんです。担任の先生と、月に何度か介在活動をしに老人ホームに行っている先生のお二人と。2つ犬種の候補が出て、ゴールデンレトリーバーか、スタンダードプードルとゴールデンのミックスのどちらか。プードルは毛が抜けないのが良いのですが、性格がやんちゃなので少し心配な面もあり。また、犬を探す段でもそもそもブリーダーさんが少ないなどのことがありました。ゴールデンなら、専門学校の友人が飼っていたのを2年見ていて、どんな風にしつけしていけば良いか、なんとなく分かっていたので、最終的にゴールデンに決めました。
ゴールデンレトリーバーは、犬にもよりますが、人に友好的だったりトレーニングがしやすいのが特徴です。雄と雌でも違うのですが、いなりの場合は雌のわりに自立してないし甘えん坊ですね・・・雄みたい(笑)あまり自立しすぎている犬だと人に注目してくれなくてトレーニングがしにくいので、そういう犬より、いなりはトレーニングしやすいと言えますね。
ーいなりの名前の由来は?
名前の由来は、生まれたての様子がおいなりさんみたいだったのと(笑)、あとは施設の近くの稲荷神社からとりました。
葛飾でも職員さんによる投票をしたのですが、他の候補は「きなこ」と「もも」でした。今考えると、全然きなこでも、ももでもない・・・やっぱりいなりで良かったなと思いました。利用者さんにも「名前なんていうの?」と聞かれて答えただけでひと笑い起きるんですよね。それもよかったです。インパクトもあって覚えてもらいやすいとは思います。
ー安西さんは、今はどんな仕事をしていますか?
いなりの施設でのふれあいと、リハビリ助手としてレクリエーションや体操等をしています。ふれあいの方法は、犬にとってもストレスがないようにリラックスしてもらいたくて、まだまだ試行錯誤中です。
レクリエーションは、雑誌に載っている情報などを参考にしながら、季節や月によって例えば4月なら桜、5月なら藤の花・・・とか制作をしています。できることが利用者さんによっても違うので、簡単なことからちょっと難しいことまで混ぜてやっています。
ーこれまで、自分の中での成長や学びはありましたか?
利用者さんとのコミュニケーションは、最初と比べてだいぶ成長しましたね。今はいなりと一緒に会いに行くことが多いので、子犬の頃から見てくれている人とは、いなりの成長について話したり。一人で行くよりも犬といることで会話が弾んだりします。
最初は、利用者さんと全然喋れなくて、無言で立っていたりして・・・仕事放棄みたいに見えていたかもしれません。話のスピードも声の大きさも、最初は全然分からなかったんです。同僚のリハビリ職の方に「利用者さんに何て話しかけたらいいですか?」ってよく聞いていました。そしたら「オープンマインドだよ。その場で思いついたことでいいんだよ」って言われて。
でも、私にはそれができなかったので、先輩が利用者さんに声をかけている様子をそのまま真似しました。「体調どう?」「今日は天気がいいね」「朝ごはん食べた?」「美味しかった?」など会話のワンセットを作って話す練習からでしたね。
ショートステイの利用者さんは比較的会話しやすい方も多かったので、レクリエーションもショートステイから入って、こうすればいいんだ!というのがだんだん分かってきました。
ー記憶に残っている出来事や利用者さんはいる?
元々犬嫌いだった人が、いなりを好きになってくれたのは嬉しかったですね。いなりを迎える前にも、犬の話をしただけで嫌がっていて(笑)昔、膝を噛まれたことがあるらしく、「犬なんか大っ嫌い」って言っていました。いなりが小さい頃はダメだろうな、と思ってふれあいを避けていたのですが、だんだんと視界に入っても大丈夫な感じになって・・・いつの日か、気づいたらいなりをツンツンって触ってたんです!「怖くない。この子だけ大丈夫なんだよー」って言ってくれました。
他には、いなりが施設の色々なイベントに参加したのも思い出です。運動会をやった時に託児所の子どもたちとパン食い競争に混ざってみたり、かき氷をみんなで食べる時に氷を分けてもらったり。クリスマスもトナカイに扮装して、サンタの格好をした施設長と一緒にプレゼントを配って回りました。
ー施設にとって、そして自分にとって、いなりはどんな存在?
利用者さんだけでなく、職員さんもいなりに癒されているんじゃないかと思います。忙しい中でも会いにきて、少しは仕事の大変さも忘れられているのかな・・・と。犬が得意じゃない方もいますが、「いなりは大丈夫」と言われることもあります。
自分にとっては、最初は先住犬(安西さんは、学生時代からコーギーの“こはる“と暮らしています)と性格が全然違うので、どうしていいかわからなかったんですけど。少しずつ関係ができてきて、ビジネスパートナーのはずなんですけど、それ以上の存在になっていますね。家族に近い感じ?でしょうか。
ー今後、安西さんがやってみたいこと、チャレンジしたいことはありますか?
グループ内には、犬がいない介護施設や病院もあるので、訪問活動もしていきたいです。あとは、いなりとドッグスポーツもしてみたいです。例えば、フリスビーとか、アジリティ(ハードルを飛んだり、輪っかをくぐるなど)とか。教えるには時間がかかりますが。他の施設の犬たちともドッグダンスなんかができたらいいですね。
🐕🐕🐕🐕
入職してきた時は、利用者さんと普通に話すことすらままならなかった安西さん。
先輩や同僚の職員と、誰にも優しく、元気で、フレンドリーな🐕いなりに支えられて、目を見張るほど成長しました!
「いなりなら大丈夫」という利用者さんや職員の声が、葛飾におけるいなりの存在の大きさを物語っているように感じました😊
安西さん、いなり、これからも頑張るんだよー!!
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