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おすすめ幽霊小説

日本の三大怪談って知ってますか?

「四谷怪談」「皿屋敷」「牡丹燈籠」

いちおう解説すると、「四谷怪談」はお岩さん、「皿屋敷」はお菊さん、「牡丹燈籠」お露さんの幽霊が主役ですね。

このとおり、日本で「怖い話」というと、圧倒的に「幽霊」が主役なんですよ。妖怪や物の怪よりも幽霊の方が怖いんですかね、日本では。

『ありふれた幽霊』には幽霊以外の奇譚も収録してありますが、幽霊ものがほとんどなのは、逆に欧米の怪奇ホラーものでは珍しいかもしれません。とくに最近のホラー小説では超自然的なものよりも殺人鬼のほうが怖いですね(私見です)

ということで、今回は日本人向けに(笑)幽霊が主役の海外ホラー小説をご紹介しましょう。

まずはこちら。(画像等の、リンク先はすべてamazon.co.jp)

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『黒衣の女/ある亡霊の物語』ハヤカワ文庫/Kindle版/スーザン・ヒル著/河野一郎・訳

弁護士のキップスは、亡くなった老婦人の遺産整理のため、館にひとり泊まりこむことになる。だが立ちこめる霧があたりを覆うと、想像もできなかった怪奇が襲いかかった……孤立した館にしのび寄る恐怖をじっくりと描きあげ、伝統ある英国ゴースト・ストーリーの歴史に新たなページをひらいた傑作。

2012年にダニエル・ラドクリフ主演で「ウーマン・イン・ブラック/亡霊の館」として映画化されたので、ご覧になったかたも多いでしょう。映画もけっこう怖かったですね。でも小説はもっと怖いし、マジで後味の悪い結末は忘れられません。

映画化された幽霊小説といえば、こちらは忘れられません。

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『シャイニング』(上下) 文春文庫/ Kindle版/スティーヴン・キング著/深町眞理子・訳/1977年

予知能力を持つ5歳の少年と両親に降りかかる怪異。ホテルの浴槽に、廊下に、鏡に、忌まわしいものが潜む。怪音が轟き、青い炎が燃え、エレベーターが動き出し、パーティーの始まりを死人が告げ、惨劇の幕が開く……世界でもっとも恐ろしいホラー小説の称号にふさわしい傑作。

いまや幽霊ホラー小説の定番になった感もある名作。1980年の映画版は、スタンリー・キューブリック監督の演出とジャック・ニコルスンの怪演が前面に出て賛否両論ですが(著者キングも否の側なんですって)小説版は文句なしに怖い作品です。いや映画版も好きですが。

ちなみに2013年に発表された続編の『ドクター・スリープ』は幽霊小説ではありませんね。

もうちょっと挙げるとすれば、やはり映画になった『地獄の家』や実録モノという触れ込みで怖い『悪魔の棲む家』とかがありますね……実はもっとあるんですが「これが幽霊小説」というとネタバレになるものも多いので、今回はこのへんまでで。

ありふれた幽霊

『ありふれた幽霊』
A・M・バレイジ/仁賀克雄・編訳 


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