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HLAB Alumni Interview #8-4 吉田茉祐(HLABで気づいた自分のやりたいこと)

HLABは2011年以来、高校生、そして大学生の多くの参加者が、各々のフィールドで活躍しています。

今回は、HLAB Alumniにインタビューをしていく企画第8弾として、2012年参加者、2014年House Leader、2015年実行委員、2016年副委員長だった吉田茉祐さんのインタビューを掲載します。

インタビューは4回に分けてお送りしてまいります。(第1回/第2回/第3回

第4回目では、HLABの経験をもとに、どのようなビジョンを持っているのかや、HLABにどう関わっていくかについてお話しいただきました。一本の軸が通ったお話はとても興味深いものでした。

──事前アンケートでは、HLABを通して自分が何をしたいのか考えるようになったと書いてくれましたが、そのきっかけになったことはなんでしたか?

吉田:高校生の時にHLABに参加した時ですね。周囲がやりたいことを熱く語っている中で、自分には何もなく、焦りました。それがきっかけで、じゃあ自分は何がやりたいのだろうと考えるようになりました。

高校生の時は考えた末、ジャーナリストを目指そうと決めました。幼い頃から「やりたいことを堂々と言って、挑戦すること」がしづらい日本の雰囲気が嫌だったので、ジャーナリストとして自分の力でやりたいことに挑戦している人たちの事例を伝えることで、少しでも一歩踏み出す勇気を届けたいと思っていました。

ただ、編集社でインターンしたことで、とても間接的なやり方だということに気がつきました。そして、HLABで人事を担当したことで、より組織やその構成員に直接的にアプローチできる人事の仕事に挑戦したいと思うようになりました。HLABに参加したことがきっかけで自分が人生をやり遂げたいことを考え、またHLABを通して自分の道を選ぶことができたので、もうHLABには頭が上がりません(笑)

──今の仕事の話と、これからのビジョンの話を聞きたいです。今の仕事、もしくは自分のキャリアを通して、やり遂げたい夢はありますか?

吉田:自分が”熱くなれる何か”を見つけ、誰の目も気にせず思いっきり挑戦できる社会を作ること。それが私のビジョンです。”熱くなれる何か”は何でも良いと思っています。会社での仕事も、子育ても、事業を作ることでも「自分が人生をかけてやり遂げたいことはこれだ」と堂々と言えることであれば。

このビジョンを追求するためには色んなやり方があると思いますが、私は人事の仕事がとても好きで、自分のやりがいと使命感が重なる「天職」だと感じているので、これからも人事として人の可能性を全力で応援していきたいです。事業会社の人事にこだわらず、コンサルや研究所などで幅広い経験をしながら、自分の信念を貫いてキャリアを築いていきたいと思っています。

──今の仕事を例にすると、会社でいろんな人がいる中で、それぞれに合ったリーダーシップのスタイルを見つけるスキルをつけるということにも繋がりますか?

吉田:確かに今の仕事では、各参加者が自分のリーダーシップスタイルを見つけて発揮できるよう、一人一人を丁寧に育てることが求められます。しかし、このプログラムは将来会社を牽引するトップリーダーを育成することが目的なので、実はかなり限られた層しか見ていません。なので、自分のビジョンから考えると、将来的にはより幅広い層に向けた育成に携わりたいと思っています。

とはいえ、今の仕事で得ているリーダーシップ育成の知識/経験は必ず全従業員向けの育成に活かせると思っています。トップ層がどういう資質やマインドセットを持っているかを知ることで、その会社で活躍するためにはどういった育成施策が必要か考えるヒントが得られます。なので、今の仕事は最終的なゴールとは少し離れていますが、いつかは必ず生きる経験だと思っています。

自分の目指す人事を考えると、そのために必要な知識や経験は山のようにあります。今やっているタレントマネジメントだけではなく、全従業員向けの育成、カルチャーの醸成、従業員のモチベーションに直接的に影響する評価・報酬といった全社人事業務に加え、目の前にいる人の人生に直接寄り添うキャリアコンサルタントのような経験も必要です。今の仕事は、あくまでも自分のキャリアの第一歩だと思っています。

──まゆにとっての人事とはなんですか?今、職業として人事をしているまゆにとっての人事とは何かを教えて欲しいです。

吉田:個人的には、組織のビジョンと従業員を繋ぐ仕事だと思っています。組織のビジョンは巨大企業になればなるほど、従業員にとっては遠い存在になります。仕事が細分化されたり、経営者の想いを聞く機会が減ると、自分の仕事がどうビジョン達成に繋がっているのか見えづらくなります。そこで、組織のアウトプットに最も影響を及ぼす人財の責任を持つ人事は、経営者にも従業員にも近い存在であり、様々な研修や面談を通じて従業員にビジョンを伝えられる仕事だと思います。

加えて、人事は会社の中で唯一「人の可能性」を最優先できる仕事でもあると思います。人財育成は成果が測りにくいものなので、会社の利益にどう貢献できたかを明確にしづらいという難点があります。そのため、ビジネスの最前線にいる従業員は、人財育成に時間と労力がかけられないことがあります。そのため、会社の長期的な成長を目指し、「人の可能性」を信じて育てることに命をかけられるのが人事だと思います。

──仕事でおっしゃったことをビジョンにしつつ、格好いい母になる、と書いてくれましたが、それはどういうイメージでいますか?働きながらも母親をしたいと思っていますか?

吉田:私は絶対に仕事を辞めたくないと思っています。自分の子供がやりたいことを見つけた時に、それに思いっきり飛び込んでいけるような勇気とパッションを持って欲しいんです。そのためには、まず自分がそう生きていかなければならないと肝に命じています。もちろん家庭の事情で仕事ができない時もあると思いますが、常に「これをやりたい!」という目標を持って、きちんと行動している姿を見せられる母親になりたいです。

また日本だと違和感を持つ人が多いかもしれませんが、個人的には「家族のため」に生きることは避けたいと思っています。勿論、家族は大切で欠かせない存在ですが、いつも家族を最優先していると、自分自身を大事にできなくなるような気がします。家族と自分のやりたいことを同じくらい大事にし、どっちも頑張れる人がいることを証明したいです。でないと、いつまでも子供を保育園に預けて、頑張っているパパやママに対して社会が寛容にならないと思います。

実際に、小さい頃から保育園に入っていた友人と、専業主婦の母と共にずっと生活してきた私は、親への愛情も仲よさも何も変わらないと実感しています。子供をどう育てるか、家族と仕事のバランスをどう取るかは個人の自由であって、それが広く社会に認められる時代になるよう、自分を大事にしてカッコよく生きたいと思っています。

──HLABのボードとしての任期後も関わってくれているマネジメント研修などはどういう思想で始めたものですか?

吉田:2016年の学生代表とは今でも仲良くしているのですが、ボードの任期が終わった後もよくHLABの課題について話していました。その一つが、ボードメンバーのマネジメントスキルでした。チームを率いた経験がない大学生がいきなり20~100人のチームをマネジメントするのは、非常に難しいことですよね。自分たちも苦労したこの難しさを2017年のボードメンバーも感じていることを知り、何かしらの形でサポートできないかを考え、始めたのがマネジメント研修でした。

──マネジメント研修は、具体的に何をやるのでしょうか?

吉田:チームマネジメント、プロジェクトマネジメント、様々なステークホルダーとの関係構築に関するノウハウを共有する場を作りました。自分たちの経験を通して考えるマネジメントとは何か、過去にどんな課題に直面しどう解決したかの事例などを中心に紹介しました。全部で200枚くらいのスライドになってしまったので、もう少し簡潔にポイントを伝えられた方が良かったなと反省しています。

──それは今のボードの代が終わったら、どういう風に引き継がれて行くものですか?

吉田:2017年のボードメンバーが、次のボードに伝える形で引き継いでいきたいです。HLABの最新の情報や課題を知っているボードが、自分たちで採用した次期ボードに教えていくことが、最も良い形だと思っています。
今年も2017年のボードメンバーから、「あの研修を下の代にやりたい」と言われたのがとても嬉しかったです。こうして大学生を育てることに想いを持つ人が増えていることは、数年前のHLABからの圧倒的成長を証明してい流と思っています。

──今もボードが変わってもこういう研修をやってくれているわけですが、今後の人生の中で、HLABとどういう風に関わっていこうと思いますか?

吉田:これからもHLABの大好きな仲間たちと定期的に会えたらなと思っています。参加して時間が経つと、頻繁に会う人は絞られてきますが、その人たちは自分の人生を刺激し続けてくれています。彼ら/彼女らに会うと、自分を見つめ直す機会になり、「ああ、全力で生きなければ!」と再確認させられます。一生の友人ですね。

加えて、いつか自分が高校生に何か届けられる「カッコいい先輩」になれたら、サマースクールに戻りたいですね。HLABのフリーインタラクションに呼ばれるのが夢です。

大学生向けの研修なども、自分が多くのアラムナイに助けてもらったからこそ、どんな形でもサポートできたらと思っています。一生懸命頑張ってキラキラしている大学生を見て、あの数年間で感じた感動と成長を思い出し、自らを鼓舞したいですね。

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