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【SHIMOKITA COLLEGE】ボーディングプログラムの高校生と伴走する「バディ」を体験して学んだこと

SHIMOKITA COLLEGEでは、偶発的な学びが生まれる仕組み・多様性豊かなコミュニティ・学びや成長へのサポートの3つの特色に基づいた、様々なプログラムを提供しています。今回は、取り組みの一つ「バディ制度」について詳しくご説明するため、昨年卒業したボーディングプログラム1期生の成長を見届けたバディたちに話を伺いました。

バディ制度についての記事は2部に分けてお送りしています。
第一部はこちらからご覧ください。

バディとは

ボーディング・プログラムには、4人前後の高校生と1人のホームバディ、1人のコーディネーターによって構成される「ホーム」があります。ホームでは、リフレクションやホームトリップなど様々な活動を行いながら、カレッジ生活を過ごします。バディは担当のホームの高校生と頻繁に対話を行い、高校生のカレッジ生活をサポートし、保護者に高校生の日頃の様子などのレポーティングを行う。

実際にバディを経験した方々にインタビューさせていただきました。
お話を聞いた和田さん・紫安さん・久保川さんについて:

和田拓也(わだ たくや):シドニー大学3年生。大学では人文・社会科学系の学問Bachelor of Artsで哲学とカルチュラル・スタディーズを専攻している。人を喜ばせることが好き。カレッジには0期生として入居した。

紫安洋平(むらやす ようへい):日本大学理工学部建築学科4年生。カレッジではプログラム分科会とイベント分科会に所属している。カレッジには1期編入生として昨年の7月末より入居している。

久保川愛梨(くぼかわ あいり):東京医科歯科大学医学部3年生。カレッジではプログラム分科会に所属し、ハウスリーダーも担当している。趣味は写真を撮ること。カレッジには1期生として2021年より入居している。

バディとして「仲良くなる」とは別の接し方

バディをするにあたって意識していたことはありましたか?

和田さん:僕は3ヶ月という短い時間でも一緒に住むような近い距離感でずっと高校生と接するといつか僕の言葉が刺さらなくなると思っていたので、程よく距離を保つことを心がけていました。僕個人のスタイルでもありますが、人に干渉しすぎず、僕からアクションを起こすより高校生の中にあるものを引き出してあげたり、やりたいことに寄り添うようにしていました。

日常では軽いコミュニケーションのみでガツガツ仲良くなりに行こうとはせず、積極的に一緒に遊んだり夜更かししたりはしませんでした。その分一対一で話すときは真剣に話を聞くようにしていました。自分の役割として、高校生のカレッジでの学びの体験にどれだけ貢献できるかと考えた時に、「ただ仲良くなる」とは別の接し方があるのではないかという意識はありました

久保川さん:私も拓也と似ています。高校生にとっての気が合う友達、仲間は必ずしも私じゃなくていいと思っていました。普段から一緒にいなきゃとは思いませんでしたが、バディとして1対1でじっくり関わる時間は大切にしていました。

モニター生のバディをした時は「成長」を意識するより、その人の過去や経験を深く知ることでその人の「今」を噛み砕いていました。でも今回のボーディングプログラムでは高校生の少し先を見据えて伴走しながら引っ張ってあげるという意識がありました。今までと違う視点から高校生をサポートできたことは、私にとっての成長にも繋がりました。

インタビュー中の久保川さん

紫安さん:僕は拓也と愛梨とは真逆で積極的なコミュニケーションを意識していました。僕は「どうやってカレッジに溶け込ませるか」や「どうしたら3ヶ月しかないカレッジ生活の1日1日を大事にしてもらえるか」について考えたところ、積極的に寄り添う形が良いと思っていました。僕自身共用部によく出向いたり、話すことが好きだったので積極的に関わりに行っていました。特に1on1のチェックインを意識していました。目安としては1ヶ月に一度ですが、そのペースでは3ヶ月の間に3回しか行うことができず、それでは物足りないと感じ、1対1のペースを増やして目標を決めてうまくサポートできていたと思います。

高校生の些細なことから成長まで。保護者へのレポーティング

バディは高校生の親御さんにカレッジ生の様子や変化を頻繁に報告していますよね。親御さんとのコミュニケーションで意識していたことがあれば教えてください。

和田さん:レポートと参観日の最終発表の時に接点がありましたが、レポートを通じてのコミュニケーションが中心でした。親御さんとのコミュニケーションの場面では、高校生の性格、思考の癖や起こった事実をできるだけポジティブに伝えるようにしていました。

また、安心してもらえるように些細なことも丁寧に言葉を紡ごうと思っていました。決して嘘はつかず、正直に自分なりにポジティブに伝えていました。

久保川さん:親御さんとのコミュニケーションを通して、担当した高校生をもっと深く知ることができました。親御さんの話では、また違った角度から高校生の姿を見られます。また、密に親御さんと連携しながら高校生の成長を支えたケースもあったので、本当に伴走した感じがありました。何より、家族ってあたたかいなと改めて思いました。

紫安さん:最初のレポーティングは本当に緊張しました。親御さんにお会いしたことがない中でレポーティングしていたので、なるべく担当した高校生がどう成長したかを意識して書いていました。チェックインで決めた目標を参考にして書いたり、なるべく普段の生活の様子や高校生たちが日々どのように考えているかを伝えていました。また、参観日で親御さんと会った時も、カレッジでの姿と家での生活にどんな違いがあるのかが気になり、普段、高校生がどんな生活を家で送っているのかを聞く姿勢を意識していました。

インタビュー中の紫安さん

高校生から学んだこと、バディの経験から学んだこと

誰よりも高校生の成長を見届ける立場であるバディですが、バディの経験を踏まえて学んだことを教えてください。

久保川さん:私は質問力がついたと周りから言われるようになりました。相手が、自身についてより深く考え、知れる問いを投げかけられるようになった気がします。モニター生の時は私の興味基準で面白いと思った話を深掘りしていましたが、今回のバディでは話した人が自分のことをもっと知れる質問や未来につながるような質問をする力がついたのかなと思います。

紫安さん:あたりまえのことですが、「みんな違う」ということを改めて感じました。10人以上いる高校生とこれだけ密に関わることはなかなか経験できないし普通では得られないような経験だったと思います。

特に学んだことは、高校生それぞれのポテンシャルがあるけど、発揮する場所は違うということです。各々の個性だけでなく立ち回りやホームでの役割を持ってどういう人なのかというのは見ていて興味深かったです。

また、高校生の4ヶ月の中で僕自身が気づかずにやっていたことが高校生にとっては大きな影響を与えているということを学びました。意識せずにやっていること、特にコニュニケーションの仕方などは気付かされることも多く、高校生とのコミュニケーションの取り方などから学んだこともありました。

和田さん:僕にとってバディの経験は、自分自身についての気づきであり、再確認や新しい学びに繋がりました。自分に対する気づきとしては、自分が自分の言葉に敏感になっているということでした。何かを伝える時に、言葉選びに敏感になりすぎて、自分が伝える言葉を選べず、相手を受け止めるだけで終わることがありました。高校生にどのような影響があるかを意識しすぎていて、シチュエーションによってはそのまま感じたことを届ける方が良い場面もあると感じました。

再認識できたことは、僕が1つのルールとしていた「その場にいない人の話をしないこと」の効果です。その場にいない人の話をすることで、話題が段々と噂話や悪口などネガティブな方向に流れていくことがよくあると感じていましたし、高校生は他人からの言葉や見られ方に敏感だったりするので、1対1で話す時もホームでも常に意識していました。チェックアウトをした時に、高校生が「人の悪口で盛り上がらない暖かい雰囲気が良かった」と伝えてくれて、コミュニティでのポジティブな雰囲気作りに貢献できてよかったと思いました。また、このような環境づくりから心理的安全性を生む効果が見れたことも学びになりました。

あとは高校生がホームを主体的になって動かしていた姿を見て学ぶこともありました。ホームで話す時に、シリアスな話題に入る前に5分くらい休憩することや全体で話せなかったら個人個人で話すということなどコミュニティを作っていく上でのコミュニケーションの取り方のヒントを高校生から得ました。

インタビュー中の和田さん

ご協力ありがとうございました!

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現在、2022年4月より入居されるボーディング・プログラム3期生の募集を行っております。参加者は高校に通いながらSHIMOKITA COLLEGEで暮らす大学生・社会人のカレッジ生とともに過ごすことで進路についての気づきやリーダーシップを養います。募集に伴い、説明会や内覧会も実施しておりますので、説明会や詳しい選考情報については以下のリンクにてご覧ください。

また、SHIMOKITA COLLEGEでの普段の様子をInstagramにてご紹介しております。ぜひ、ご覧ください。


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