フロンターレの前半、FC東京の後半:速報レビュー 川崎フロンターレ対FC東京(2022年1月18日)
今日はJリーグ開幕の日。開幕カードは多摩川クラシコ。2月のナイターという観戦には厳しい設定だが、去年に続いて見に行くことに。
席はここから。114ブロックの最前列。写真を撮るのにはいいがフォーメーションの観察は難しかった。
最終スコアは1-0でフロンターレの勝利。前半は優位2試合を進めたが、キーパーのスウォルビクの好守に阻まれ得点なく0-0で折り返し。後半はFC東京が押し気味に試合を進める中、チョン・ソンリョンの好守で凌ぎきり、セットプレーからのレアンドロ・ダミアンのヘッドで何とかもぎ取った決勝点を守り切っての辛勝だった。
前半優位だったフロンターレ
フロンターレのフォーメーションは基本形の4-1-2-3。アンカーに入ったのは大島僚太。
FC東京のフォーメーションも、4-1-4-1(だったと思う)で、フロンターレとほぼ同じ、去年までの4-2-3-1とは違うかたち。
前半はフロンターレが押し気味。
サイドで一度溜めてFC東京を引きつけてから、ハーフスペースなりセンターを経由して逆サイドに展開する攻め方が有効だった。
また、即時奪回も機能していて、何度かカウンターの機会はあったものの、多くの場合、FC東京はビルドアップに行き詰まりロングボールを蹴らざるを得ない状況がしばしば起こった。
攻め込んでもミドルシュートで終わることが多く、FC東京は前半は決定機を作ることができなかった。
後半優勢だったFC東京
しかしこの時間にフロンターレが決めきれなかったことが後半の苦戦につながる。
後半、FC東京は中央レーンをしっかりと固める。こうすることでフロンターレのサイドチェンジが機能しなくなり、片サイドに追い込まれて行き詰まる状況が増えた。
その中でも何度かニアゾーンを攻略する機会はあったが、得点には結びつかなかった。
一方、FC東京は、後半になって右サイドバックとして投入された長友佑都が効いた。
長友がしっかりと幅を取ったポジショニングをすることで、フロンターレのディフェンスが横に引き延ばされる。その状況で一度長友にボールを預けるとフロンターレとしては抑えに行かなければならないので、その瞬間にハーフスペースが空く。そこでハーフスペースから前進して行く形が何度か見られ、フロンターレとしては押し込まれる展開となった。
長友がポジショニングで相手を動かしていくというのは代表戦を含めてほとんど見ることがない。このあたりがアルベル監督の力なのだろう。
また、長友自身のコンディショニングも良さそうだった。不振を脱したと言うことであれば代表にはつながるのだが。
セットプレーの重要性
こういう展開になると、フロンターレにはサイドで家長昭博が時間を作って押し込み返す、と言う攻め方がある。しかし今日はなかなか家長にもいい形でボールが入らない。入ってもサイドにそのまま誘導されてしまい、折り返しをカットされる。
非常に苦しい展開だったが、チョン・ソンリョンが最後は譲らない。一度フリーキックからゴールネットを揺らされたがオフサイドの判定。
こう言う展開で重要なのはセットプレー。残り時間も10分となった後半36分のコーナーキックでダミアンがヘッドから先制点。
こう言う試合での先制点は大きい。フロンターレはこれから重心を下げ、必然的に押し込まれたがなんとか守り切り、開幕戦を勝利で飾った。
次節は厳しくなるだろう
今日の試合、前半はフロンターレペース、後半はFC東京ペースと、前後半で全く様相が変わった。その中で両キーパーの好守もあり、お互いにゴールを奪うことに苦しんだ試合でもあった。
こう言う試合に必要なのは何より結果で、とにかくも勝ち点3を取れたことは大きい。ごく当たり前のことを言うなら、フロンターレとしては前半の良さを、FC東京は後半の良さをこれから出せるようにしていく必要があると言うことではある。
ただフロンターレの視線から言うと、後半になってボールが中盤から前線で収まらなくなっていたのが気になった。一度家長を中盤で使うことも考えた方がいいかもしれない。次は23日のFマリノス戦。今年の真価が、速くもそこで問われることになる。