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強度を「ブースト」する交代選手の力:最速マッチレビュー 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ(9月22日)

今日はカシマスタジアムで鹿島アントラーズ対川崎フロンターレを観戦。最近はWEリーグが2試合続いたのでJリーグはなんとなく久しぶり(笑)。今週は土曜にベレーザ、日曜にフロンターレと連戦だが(笑)。なので1週間でサッカー4試合観戦。我ながらアホだ。

カシマスタジアムには去年も来たが、スタジアムがとても良かったので今年も来たかった。平日なので娘は一緒じゃない。

仕事を早く切り上げて車で。駐車場に直行。現地で寄るのはスタジアムだけ。飲食物は出発前に買っておいて、コンビニにも寄らないしスタグルも諦める。いまはコンビニの駐車場で速報レビューを書いた。アップしたら帰路に着く。

FCには入ってないが一般販売でチケット確保に成功。メイン一階で、とてもいい席が取れた。


フロンターレは谷口彰悟が復帰。前節負傷交代したマルシーニョも無事に出場。戦力の消耗に苦しんできたフロンターレとしては一息つける状況になった。

結果は2-1。前半は膠着状態。後半はアントラーズが先制するものの、フロンターレが終盤に二点とって逆転するエキサイティングな試合だった。フロンターレは二位のF・マリノスと勝ち点4の差。ここで残り試合数が並ぶから、フロンターレとしては勝って差を広げておきたい試合だったから、最高の結果だったといえる。

膠着状態だった前半

フォーメーションはフロンターレは基本の4-1-2-3。アントラーズは守備時4-4-2、攻撃時4-2-3-1、というか4-2-1-3に近い形。両チームとも最終ラインを高く保った、中盤の密度の高い試合。特に前半は中盤で強度の高い潰しあいが続き、どちらも決定的なチャンスをつかむには至らない。

そんな中でも両軍とも、前を向いてボールを奪取できた時のすばやいカウンターで攻めこむ。

アントラーズは角度を変えたサイドへのパスで攻めこみ、特に左で安西が再三サイドをえぐった。しかしクロスの精度が今一つ。


フロンターレはダミアンのポストプレーからの前進を試み、チャンスもいくつかつかんだが、そのうちに町田の対応が良くなり、ポストからのチャンスメークは今一つ機能しなくなった。ダミアンを抑えられる日本人はそうはいない。その点、町田は素晴らしかった。出場はなかったもののオリンピック代表に選ばれた経験が効いてるのだろう。

「見えないライン」をめぐる攻防

後半も立ち上がりは似たような中盤の潰しあい。双方ともに得点の匂いも感じられなくなった頃に、左サイドからのクロスでアントラーズが先制。きちんと崩した形ではなかったが、得点は得点。

ここからは攻めこむフロンターレとカウンターを狙うアントラーズ。だいたいフロンターレが攻めこむアタッキングサードのあたりに見えないラインが存在しているような攻防だった。その辺りでアントラーズが前を向いてボールを取れば、上田綺世を中心とする鋭いカウンターでゴール前までは攻めこむ。決定機もいくつかあった。


一方で、アントラーズが前向きでボールを取れない場合は、そこからハーフラインまでの間でフロンターレがボールを回収して再攻撃。こちらも何度も決定機を作った。しかしアントラーズの最後のディフェンスの粘りはさすがと言うしかない。攻めこむものの点は取れず、1-0で終わる気配も生まれてきた。


戦術に組み込まれた選手交代の威力

最後に勝負を分けたのは選手層の厚さ、あるいは交代出場の選手たちのチーム全体の戦い方へのフィットの度合いだった。

アントラーズも層が薄いわけじゃない。控えにいるならエヴェラウドを欲しいチームはいくらでもあるはずだ。

しかし、この試合の戦い方について言えば上田綺世の方がフィットしていたと思う。エヴェラウドに代わってから明らかにカウンターの脅威度が下がった。

一方でフロンターレの交代選手たちは、全く違和感なく、プレー強度だけ高める形で試合に入ってきた。結果、交代早々の山村が同点ゴール、そしてアディショナルタイムにやはり交代で入った宮城が勝ち越しのコントロールショット。

宮城は何度も止められていて、三笘との差は感じたところだが、臆することなく仕掛けて最後に大仕事をやってのけた。


他の交代選手、脇坂、小林悠、知念と共に、「サブ」というよりは、ラグビーで言う「ブースター」「フィニッシャー」と呼ぶにふさわしい戦いだった。交代選手をどのように使うかまで高いレベルで組み込んであるがゆえの、強度を文字通り「ブースト」する交代だった。

サッカーも「サブ」という言い方やめればいいのにと思うが。


これで勝ち点差は7。負傷者たちも戻ってきた。
忍従の9月もこれで終わり。これから反攻だ!