![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35951096/rectangle_large_type_2_22b3aae99d0c2d82a6f527578b234ae4.jpg?width=1200)
自分的サッカー撮影メソッド(4):レタッチをする理由
自分のサッカー撮影メソッドの紹介、やっと試合後まで来ました。
試合が終わったら、写真の整理とトリミング、レタッチです。実はこっちの方が大変です。
まず試合が終わると、帰路の電車の中で、試合中気になっていたことを中心に簡単なレビューを書きます(お一人様観戦の場合)。ここで言葉にしておかないと記憶が薄れていくので・・・。
帰宅後のルーチン
帰宅したら写真の整理とレタッチです。2000枚の整理となると間違いなくその日には終わりません(笑)。ただ、なんとかその日中にハードディスクには移して、Lightroomに読み込むようにはしてます。
それから、まず印象に残っていたり、マッチレビューで使いたい写真を抜き出します。ここまではだいたい2日間。
その上で、全部の写真を見直して、注目選手やいいプレーのショットのうち、ピントがちゃんとあっているものを抜き出す作業をします。だいたいこの作業にプラス2-3日かかります。
なぜトリミングが必要か
Noteに載せる前にはまずトリミングします。理由はいくつかあります。
まず、スポーツ撮影だと、撮影時に背景の整理ができないからです。
ポートレートでも何でも、普通、撮影時には被写体が引き立つように背景を整理します。ぼかしたり、目立つものが入らないように構図を整理したり。
ところが試合中、選手たちは動き回りますから、撮りたいプレイヤーだけ画角に入れ込むわけにはいきません。
さらに広告という問題もあります。通常、街撮りするときには、できるだけ日本語で書かれた看板は入れないというのがセオリーです。けれど、スタジアムだと、角度によっては広告看板を避けることができません。というか広告はそのために入っているので・・・・。できるだけそういう広告を外せるようにトリミングするわけです。
ちなみに広告を外すということから言うと、高い(値段じゃなくて、位置が)方の席の方が有利です。低い席だと、どうしてもピッチレベルの広告が入ってしまいます。
これはフロンターレ対横浜FC戦、田中碧のブロックに行く松井大輔ですが、手前にはPUMAの巨大な看板が・・・・。
この看板を外すようにトリミングするわけです。
次に、撮影中には構図に気を遣っている余裕がありません。大事なのはとにかくピントを合わせることです。
なので、ちょっと広めに収まるようにシャッターを切り、トリミングで構図を整える方が安全です。
どのみち、今のデジタル一眼の画素数ならば、A4プリントアウトくらいなら多少トリミングしても大丈夫です。ましてnoteへのアップであれば問題ありません。
さらに、構図と関連して、主題の選手を目立たせるためです。やっぱり、大きく写した方が印象的ですから。
これはセレッソ戦、CKでのジェジエウのヘッド。
やっぱりいわゆる三分の一構図が落ち着きがよくなりますが、ただそれをやろうとすると他のプレイヤーの体や顔が不自然に切れちゃうことがあります。そうならないように工夫しながら、またジェジエウの場所、ボールの場所、スペースの置き方なんか考えてトリミングしました。
レタッチはめちゃくちゃ大事
レタッチも重要です。レタッチの段階ではLightroomを使います。前回書いたように、白いユニフォームの相手だと、ユニフォームが明るく映りすぎていることがあります。
そこでハイライトを落としてユニフォームの階調がちゃんと出るようにします。さらに、ナイターの試合の影が引き立つように、明瞭度を少し上げます。もともとピクチャーコントロールの段階で明瞭度上げてますが、カメラ内現像の段階で明瞭度上げすぎると絵がおかしくなるので、微妙な調整はレタッチの時にします。後はややシャープネスを上げたり、ノイズリダクションの調整をして完成です。
先日の川崎フロンターレ対横浜FC戦での山根視来対松尾佑介の対峙を例にして、写真がどう変わっていったかお見せします。
この一連の写真、雨天で雨滴が照明を反射してコントラストが低下するとか、背景にカメラマンがいっぱい写ってるとか、テレコン使ってたので開放でもf5.6になっていてシャッター速度を1/800秒に落としているとか、かなりの悪条件の中で撮らなければなりませんでした。
まず元々の絵。
トリミングをします。山根と松尾に絞ることもできますが、他のプレイヤーの体を切りたくないので齋藤学とレフェリーの顔までギリギリ入れます。
このままでは雨滴が反射して全体が白みがかっています。そこで、「かすみを取る」機能を使って、雨の反射光の白みを取ります。
「かすみを取る」を使うと彩度が上がり、ちょっとギトついた絵になるので、彩度を少し落としたいところです。ただ、ユニフォームの水色はいい感じなので、色別調整機能を使って芝の緑だけ彩度を落とします。
ここからくっきり感を出すために明瞭度を上げます。
ちょっと黒が暗すぎる感じがするのでシャドウを上げます。
レフェリーの旗の色が目立つので、円形フィルタの形を調整して彩度を落とします。
後は最後の仕上げす。「額縁効果」を出すために周辺部を少し暗くします。
この日は雨滴の処理が大きな課題になりましたね。私は自分の好みでくっきり方向に仕上げましたが、逆にふんわり仕上げる方法もあると思います。
この、三笘薫と中村俊輔のマッチアップもだいたい同じようなレタッチをしました。
Photoshopを使うこともありますが、だいたいLightroomで済みます。
仕上げは印刷
気に入ったショットは最後に印刷して額に入れて飾ります。
今のところ我が家には8月19日のフロンターレ対セレッソ戦の小林悠のゴールが飾ってあります。(その後の試合からも飾りたいショットがあるのですが、これも気に入っているのと、本気でレタッチする時間が取れなくて・・・・)
元々の絵はこれ(トリミング後)。
これをいろいろレタッチして作品風に仕上げ。
それからお気に入りのプリンタ用紙、ハーネミューレという用紙メーカーの「アルブレヒト・デューラー」に印刷して額に入れて飾ってあります。
本来は顔料プリンタ用の用紙ですが、染料プリンタでも大丈夫です。
プリンタはエプソンのEP-30VA。
複合機でありながら、本格的な作品作りにも使える優れものです。
といったあたりで、ルーチンは終わりです。ここまでで丸一週間はかかります。なのでミッドウィークもホームの試合があった時期はつらかった・・・・。