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ゲーム運びのチームスキル:速報マッチレビュー クボタスピアーズ対ヤマハ発動機ジュビロ

今日はラグビートップリーグのプレーオフトーナメント2回戦。東京では2試合。江戸川でのクボタスピアーズ対ヤマハ発動機ジュビロと秩父宮のサントリーサンゴリアス対NECグリーンロケッツ。

今日はハシゴ観戦

最初は江戸川に行くつもりだったのだが、江戸川のキックオフ時間が12時で秩父宮が14時半。ツイッターで、少し遅れるかもしれないが頑張れば両方行けるのではないかという話しになり、ツイ友さんとご一緒にハシゴ観戦することとなった。

江戸川での席はバックスタンド。江戸川は規模の小さいスタジアムなのですぐに出ることができる。同時に、江戸川は駅から遠い。そこでスタジアムのすぐ外にタクシーを予約してノーサイド直後にスタジアムを出て駅までタクり、あとは電車で移動することにした。

秩父宮の席はバックスタンドだったので青山一丁目から走り、キックオフ後2分過ぎ、最初のトライの直後に着いた。

秩父宮はサントリーの圧勝(76-31)だったので速報レビューは省略。まずは江戸川のクボタ対ヤマハ。

最終スコアは46-12(前半24-5)。こちらも点差が開いた。ただ、先制トライはヤマハ。後半も立ち上がりにトライのチャンスがあったもののそれを逃して失点。そこから立て続けにトライを奪われて点差を付けられた。点を取るべき時間に取りきれず、逆に失点して流れを失って点差を開けられる、4月10日のパナソニック戦と似たような試合展開だった。

ヤマハのキック戦術と1-3-2-2フォーメーション

とはいえ、ヤマハが無策だったわけではない。クボタのディフェンスを良く研究したアタックをみせた。クボタのディフェンスは南アフリカスタイルのラッシュアップディフェンス。つまりディフェンスが詰めて上がってくる。ヤマハはしばしば、その背後を狙って有効なキックを仕掛けてきた。最初のトライはまさにそのキックが功を奏したものだ。

あとは1-3-2-2フォーメーションでの攻撃もみせた。1-3-2-2とは、フィールドを縦のレーンに沿って4分割したときのフォワードの数。通常は1-3-3-1。つまりグランド中央のレーンにフォワードが3人ずつ。タッチラインに近いエッジに1人ずつ。

1-3-2-2の場合は、エッジに2人のフォワードが立つ。ヤマハはエッジに2人のフォワードを立たせて、その内側、サッカーでいうハーフスペースにウイングを走り込ませる。エッジに2人のフォワードがいるからディフェンスもフォワードを置くので、そこにウイングを走り込ませればミスマッチを作ることができる。パナソニック戦ではこの攻撃からしばしばゲインし、トライも取った。

しかしこの試合ではうまく行かなかった。クボタも対策を考えていたようで、1-3-2-2の配置に着いたあとのブレイクダウンからの玉出しに時間がかかり、ウイングが走り込んでもディフェンスが対応できていたからだ。

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クボタの3つの攻撃パターン

一方、クボタの攻撃パターンは大きく分けて3つ。1つは、ラインアウトから。全員並んだラインアウトからタップ。そこにスローワーのマルコム・マークスが回り込みながら走り込んでくる。

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このタイミングだとフォワードはディフェンスポジションには着けていない。なのでマークスの前にいるのはバックス。このミスマッチを利用してマークスがゲイン。ラックからフォワードに返してさらに前進、という攻撃を再三見せた。最初のトライはこの攻撃からとったものだ。

2つ目の攻撃パターンはスタンドオフのバーナード・フォーリーと立川理道のコンビネーション。2人はしばしばポジションを入れ替え、クラッシュ、パス、キックを使い分けてディフェンスを混乱させた。

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3つ目はフィールドを広く使う攻撃。すぐにブレイクダウンを作るのではなく、反対サイドのエッジまでボールを持っていっての攻撃が何度か見られた。パナソニック戦でもそうだったが、ヤマハは外側のディフェンスが弱いようで、このクボタの展開ラグビーにてこずっていた。

ヤマハの伸び代

結果は開いたが、ヤマハの攻撃は良く準備されていたのは分かったし、スクラムも優位だった。

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後半の最後の20分くらいは、交代出場したサム・グリーンのラインブレイクで攻め込んだ。

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もっと早く出していたらまた違う展開になっていたのではないかと思う。

クボタもまた、ヤマハを良く研究したアタック・ディフェンスだった。クボタの方が強いことは間違いないと思うが、これ程点差が付くような差とも思えない。

その辺りは、結局得点すべきときに得点できるか、失点してはならない時間に守りきれるか、という試合運びの巧拙の問題ではないかと思う。そのあたりを詰めていけば、ヤマハはもっと伸びていけると思う。







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