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攻撃の引き出しの差:最速マッチレビュー サントリーサンゴリアス対NTTコムシャイニングアークス

今日は駒沢でラグビーのサントリーサンゴリアス対NTTコムシャイニングアークス戦を観戦。1時キックオフ。今日は2時キックオフで多摩川クラシコがあり、どちらにするか迷いまくっていたのだが、やはり今日予定されていた娘のヤマハの発表会が4時からになり、自動的に多摩川クラシコを諦め駒沢に。もうこの両チームは順位が決まっているから消化試合ではあるのだけれど。(4月11日19時40分に写真追加と一部加筆)

サントリー、圧勝

最終スコアは95-31(前半45-24)でサントリーの大勝。ただし、後半最初に得点したのはNTTコムで、一時は45-31になり、もしかしたら?というか空気も漂ったが、それからサントリーが連続トライで試合を決め、最後は100点近くまで取った。

バックドアをうまく使った田村煕とNTTコムの対策

今日はサントリーの先発スタンドオフはボーデン・バレットではなく田村煕。

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田村はうまくフロントドアとバックドアを使い分けてNTTコムのディフェンスを切り裂いた。特に13番や15番が走り込んでくる攻撃にNTTコムのディフェンスは苦労していた。

ただ、NTTコムもやられるだけではなく、バックドアを狙いすましてラッシュアップディフェンスを仕掛けてインターセプトする形で2つのトライを取った。

圧倒的なサントリーの攻撃の引き出し

しかし、サントリーの方が攻撃の引き出しは多かった。サントリーは、バックドア狙われてるならフロントドア、あるいは9シェイプでのフォワードのクラッシュを続けたり、あるいはNTTコムがラッシュアップディフェンスを仕掛けてきたと見るや、ディフェンスのスライドが間に合わないタイミングでエッジに素早くボールを運んでゲインし、内に返して仕留めるというような攻撃で点を重ねた。

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ボール奪取能力の差

もう一つ、サントリーがNTTコムに大きく勝っていたのがボール奪取能力だ。

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NTTコムがフェイズを重ねて攻撃しようとしても、サントリーがブレイクダウンでしつこくからんで素早くパスアウトすることが出来ない。

それどころか、4月3日のサントリー対クボタ戦同様、NTTコムは中盤のブレイクダウンで幾度もノット・リリース・ザ・ボールを犯してボールを失った。

そのためにNTTコムは2回のインターセプトを除けば攻撃の形をうまく作れなかった。グレイグ・レイドローも正確なキックとしつこいディフェンスで奮闘したが、大勢を変えるには至らなかった。

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また、前半のキックオフボールをマクマーンにクリーンキャッチされてのトライや、ハイパントのこぼれ球からのトライのような、ソフトトライと言ってもいいような失点があった。これでは地力の勝るチームには勝てない。

ボーデン・バレットの「間受け」

最後に、ボーデン・バレットについて。今日はスタメンには入らず、後半に勝負がついてからの登場。さすがのスペース感覚で効果的な攻撃を繰り出した。

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今日目を引いたのは、フィールドのスペースをリアルタイムで把握する能力だけではなく、自分の回りにスペースを利用したり作り出す能力。

パスのタイミングでわずかに動いて、マークをずらす。早稲田大学のバックスが得意とする、キャッチの瞬間にずれるプレーともまた違う。

相手の誰がタックルに来るかノミネートされているのに、そのノミネート通りにディフェンスすることを迷ってしまうようなポジション取りをする。サッカーでいう「間受け」のイメージに近い。敢えてポジショナルプレーと呼びたくなるくらいだ。

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誰がタックルにいくか分かりにくいポイントでボールを受けて、前に仕掛けられるときは仕掛けていく。それでトライ2つ。やはり凄い選手だ。

サントリーとパナソニックの2強?

消化試合とは言え、この試合について言えば、最終スコアが物語っている通り、この2チームの力の差は大きかった。これまで見た感じ、やはりサントリーとパナソニックの2チームの力が抜けている。来週からのトーナメント、対戦が楽しみだ。



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