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アップセットの条件:明治対日大(大学選手権準々決勝)

第2試合は明治対日大。

明治も日大もフォワードが看板。ただし、過去の大学選手権での対戦では、日大のフォワードといえど明治のスクラム優位を崩せたことはない。

ただ、今回は、地力で言えば明治の優位は明らかだが、リーグ戦の法政戦を見た印象で言えば、スクラムで日大が互角に持ち込めれば面白いかもと思っていた。

結果的には34-7で明治の完勝。しかし、後半20分までは19-7だったから、最終スコアほど明治が楽に戦えていたわけではない。まあ、地力で勝る方が最後の20分で引き離すというのは国際試合でもよく見る展開ではあるのだけれど。

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フォワードで崩し、バックスで仕留める明治

明治の5つのトライのうち、バックスで4トライ。フォワードで崩してバックスで仕留める、明治としては理想的な展開ではあった。

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また、今年も、明治は日大に対してスクラムで完全に優位に立てていた。

特に後半20分の福田のトライは相手ボールスクラムを崩してボールを奪って取ったものだ。

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ゲームテンポをコントロールした日大

しかし、日大は善戦した。前半はフォワード中心、キックも使いながらスローテンポの試合運び。

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後半は打って変わってハイテンポでボールを左右に動かしてきた。

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明治はそれにとまどったのか、動きが後手に回る。日大もそこで崩しきるだけの決定力はなかったのだが、もしこの時間にもう一本トライを取れていれば、試合の結果はどうなったか分からない。

ラッキートライが出たのはどっち??

番狂わせを起こすには、ラッキートライが欲しい。しかしこの試合のラッキートライは明治に出た。しかも二本。1本は先述したマイボールスクラムからボールがこぼれて明治のトライになったもの。もう1本はラックからボールが出ていたことに気づかずにマイボールラックのボールを明治に取られてそのままトライを取られたものだ。こうなってはなかなか番狂わせには至らない。

やはり3点取れるときには3点を

あと、もう一つ付け加えておくと、前半最後のペナルティはPGで3点取って12-3で折り返しておくべきだったろう。

この写真はその攻撃でのノックオンの瞬間。

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前半最後に3点取っておけば後半最初のトライで12-10。明治はもっと大きなプレッシャーを受けていたはずだ。


この試合に限らず、学生の試合はPGを狙えるときでも狙わないことがしばしばあるが、3点取れるときは3点取っておくことが大事。特に大学選手権はトーナメントだ。そのことをもっと真剣に考えて欲しい。

ただ、地力の違いはあるとしても番狂わせの可能性が見えなかったわけではなかった。やはり今年の日大はいいチームだったのだと思う。



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