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明治がスクラムで勝てないとき:最速マッチレビュー ラグビー大学選手権準決勝 明治対天理

第2試合、明治対天理。こちらも銀杏並木のベンチから最速マッチレビュー。

結果は41-15で天理の勝利。番狂わせ、というのは天理に失礼だろう。実際、勝つ可能性は十分にあると思ってた。けれど、これ程点差がつくというのは完全に予想外だった。

スクラムで劣勢に立たされた明治

ポイントは、明治が41点取られたということと、15点しか取れなかったということ。共通する点は、スクラムにおいて明治が決定的に劣勢に立たされたことだ。

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明治はフォワードが看板のチームだから、早稲田と異なり、学生同士なら通常はセットスクラムがあそこまで劣勢に立たされることはない。その滅多にない状況が起こってしまったため、特に後半は攻撃の組み立てが難しくなった。

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外のスペースをうまく攻めた天理

  取られた点は、多くが外のスペースで待ち構えているウイングにボールが渡ったものだ。

このとき、明治のディフェンスは外へのスライドが間にあっていない。先日の早稲田対慶応に似た形だ。

その理由は、天理がまっすぐ縦に当たってくるため、ディフェンスが正面の手当てをしなければならなかったこと。

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接点も強いのだが、しかも単純にクラッシュするのではなく、後方からスピードに乗って走り込んできたり、ダブルライン攻撃でバックドアが走り込んできたり。

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フィフィタをはじめとして突破力があるので、どうしてもディフェンスの重心が中央によってしまう。そこで外に展開されたときにどうしても対応が遅れてしまった。フィフィタも、突破力だけでなくパスも上達したので、守る側からすると対処が難しい相手になっている。

明治、反撃するも。。。

一方、明治の後半の連続トライは、右サイドでうまくミスマッチを作ってフォワードでビッグゲインを取ったもので、見事な攻撃だった。

けれど、やはりスクラムの劣勢が効いてきた。その後の大事な時間に攻撃を継続することができなかった。ノーサイド近くに組んだ二本は修正できていたが、既に大勢を変えるには手遅れだった。

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ただ、天理もラインアウトの失敗が続出していた。そのリズムに乗れない時間に明治が取れていたら結果は逆になったかもしれない。そう思えるくらい、力は接近していたと思う。

来週!決勝。

というわけで、大学選手権での早明再戦はならなかった。次は早稲田対天理。早稲田はフォワードの劣勢が織り込まれたラグビーをする。去年の対戦では絶妙の接近パスワークとラインアウトでの優勢で天理を下している。来週はどうなるのか。新国立での試合、楽しみだ。

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