漢方が苦手な薬剤師の薬膳 ~~疲れ(慢性疲労)の薬膳~
こんにちは。
薬膳の勉強中の薬剤師です。
今回は疲れ(慢性疲労)に良い薬膳の紹介です。
まず薬膳をするにあたって大切な漢方の考え方を一つご紹介してから、実際に作ったメニューをご紹介します。
1.薬膳の基本
薬膳とは、食物は自然界の恵みであり、「すべての食材には効能がある」という考えをベースにしています。
食材の栄養を、季節や自分の体調、体質にあわせ、バランスよく効率的に食べることで体調を整えましょうというものです。
一般にはタンパク質などの3大栄養素、ビタミン、ミネラルなど、成分ごとの効能に焦点が当てられますが、薬膳では、漢方における「陰陽五行説」に基づいて、食材を五性(5つの性質)と五味(5つの食味)で分類して、それぞれの効能と組み合わせを考えます。
「陰陽」とは「自然現象は相反する2つから成り立っている」という考えです。
例えば、太陽と月や男と女のような相反する関係のことです。
食物も体を冷やすものを「陰」、体を温めるものを「陽」と分けてバランスよく摂取することが大事なことです。
「五行」とは「万物は5つの要素から成り立っている」という考えです。
ここでは、木、火、土、金、水の5つはかけてはならない基本性質と言われており、上の図のように、体の臓器、季節、色、味などもこの5行によって示されます。
この「五行」の間には、互いのその力を生み出す関係のもの(相生関係)と、抑制しあう関係のもの(相克関係)とがあります。
水は火を消すので相克関係、でも水は木を養うので相生関係となるんだそうです。
これは臓腑や味の関係でも使われるそうです。
詳しい関係は「五行色体表」で調べるとみつかりますので検索してみてください。
これが薬膳の基本的な考え方なのだそうです。
難しいですね。
2.疲れ(慢性疲労)に効く薬膳
では本に載っている順で、まず疲れ(慢性疲労)に効果のある薬膳です。
慢性疲労のある方は、「気が不足している」そうです。
気とは生命のエネルギーのことで、これが不足するということは風邪やウイルスに感染しやすくなるとか。まさに今のコロナ禍には摂っておきたいものですね。
気が不足する原因には、胃腸が弱かったり冷え性だったりすることが多いようです。
つまり、気を補う食材と、胃腸を強くする食材、体を温める食材が重要です。
私は胃腸が弱く、最近は冷えも感じていますので、まさに打ってつけです。
3.作ってみた ~かぼちゃのスペイン風オムレツ
まず、食材が手に入りやすかったという理由で、かぼちゃのスペイン風オムレツを作ってみました。
どれもスーパーで手に入りました。
材料
・かぼちゃ・・・・・・200g
・マッシュルーム・・・6個
・ジャガイモ・・・・・200g
A粉チーズ・・・・・・40g
A:卵・・・・・・・・・3個
A:牛乳・・・・・・・50ml
A:マヨネーズ・・・・大1
A:塩・・・・・・・・小1
A:こしょう・・・適量
カロリー:210kcal 塩分1.2g/1人分
かぼちゃは「甘味」「温性」。
気を補い、胃腸を強くして、体を温めます。
また、β‐カロテンが含まれており、抗酸化作用があります。
お肌にもいいんですね。
ジャガイモは「甘味」「平性」
かぼちゃと同様に気を補い、胃腸を強くしますが、温めも冷やしもしない中間の性質なのだそうです。
この「甘味」とか「温性」とかは『五味五性』という考えからきているんですが、これは今勉強中です。
①柔らかくしたジャガイモをつぶし、Aと混ぜる。
②耐熱容器にカットしたかぼちゃとマッシュルームと①を入れてオーブンで焼く。
これだけです。
初めての経験だったため少し慌てたのか、調理を始めたときの時間を確認し忘れました。
ただ家に夕方6時過ぎに帰ってきて、間もなく調理を開始し、6時45分ごろにオーブンに入れて20分くらい焼いたので、おおよそ1時間くらいだと思います。
手際よくやればもっと早く出来たはずです。
4.食べてみた
実際に食べてみて体が温まったかと言われると、1回食べただけで効果が出るわけでもないです。
続けないとだめですね。当たり前ですけど。
味はどうかというと、少し塩辛いかなと思いました。
作っているときに小さじ1の塩って多いんじゃないかな?と思いながら作っていましたが、やはり多かったです。
粉チーズも入っているので、しょっぱさが増してしまったのかもしれません。
かぼちゃ自体に甘みがあるので、かぼちゃの部分はいいのですが、ソースの部分だけだとかなりしょっぱかったです。
今度作る時は塩を少なめにしてみたいと思います。
なにぶん薬剤師なものですから、レシピに忠実に作ってしまう傾向があります。
かぼちゃとジャガイモがメインの食材のため結構おなかにたまります。
5.まとめ
今回は慢性疲労に効く薬膳として、かぼちゃのスペイン風オムレツに挑戦してみました。
まとめると、
・食材の入手が容易で、手軽に挑戦できる。
・塩はレシピより少なめがよい。
・かぼちゃとジャガイモで満腹感が得られる。
・かぼちゃとジャガイモは気を補充し、胃腸の強くする。
・かぼちゃは体を温める。
ということでした。
次はやはり慢性疲労を改善するメニュー「三色豆リゾット」に挑戦したいと思います。
お楽しみに。
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