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J2リーグ 第25節 レノファ山口FC vs ツエーゲン金沢

2021年シーズンのレノファ山口の29試合目、ツエーゲン金沢との試合は4-1で勝利となりました。今回はその試合の感想です。

ミッドウィーク開催ということで簡単に振り返っていきたいと思います。


早い時間の先制点と一進一退の攻防

火曜日の試合ということで山口はターンオーバーを敢行しました。スタメンは前節から8人変更となり、怪我明けの高木や移籍後初スタメンの桑原などフレッシュなメンバーで臨む試合となりました。金沢は5人の変更があり、お互いに中2日での試合を意識したメンバー構成となりました。

試合は前半10分に池上のゴールで山口が先制します。山口左サイドでの金沢のスローインを渡部が回収したところから始まりました。真ん中でボールを受けた楠本がフリーの高木へパスを送ります。金沢はボールを受けた高木に対してSBが出てくることはできず、SHの平松が遅れての対応となりました。その隙を突いて高木は素早く前線の大槻へ斜めのパスを送ります。大槻はボールを収めることができませんでしたが、高井・大槻・池上の3人で素早い切り替えを見せ、藤村からボールを奪取、池上が左足で沈めて先制となりました。

このシーンは、サイドへ出たボールに対しての金沢の対応が曖昧になった隙を突くことができた得点でした。高木から大槻へ入ったボールに対し、河野が近い位置でサポートしていて、SB-CB間に抜け出すことができれば栃木戦の2点目のようなシーンになっていました。そういった意味では、ある程度狙っていた形であり、だからこそ素早い切り替えからゴールにつなぐことができたと言えるのではないでしょうか。

金沢は失点シーン含め、サイドへ出たボールへの対応が少々曖昧になっていた立ち上がりだったと思いました。4-4-2で守る際に山口のWBやサイドのCBをどう捕まえるかは悩ましい問題でもあるかと思います。しかし、試合が進むにつれ全体を押し上げることで山口陣内でボールを奪うシーンを何回か作ることができるようになります。

山口としては、サイドでボールを受ける選手にプレスを強くかけられた際の対応に苦戦するシーンもいくつか見られました。31分のように、前に出てきた相手に対して楠本から背後へ走る高木にロングボールを送るシーンは一つの対応策でした。また、38分のように金沢のSHを止めて前のプレスをさせないようにした上で、サイドから前進していくシーンも良かったと思います。

このように良いシーンもあるが、危ない失い方をするシーンもあり、展開としては互角の前半だったように見えました。


ターンオーバーの試合で得た収穫

後半も51分に金沢のショートカウンターが炸裂するなど一進一退の展開が予想される入りとなりました。しかし、先にゴールネットを揺らしたのは山口でした。56分コーナーキックから高木がニアで逸らしたボールを高井が押し込み追加点を挙げます。そして、68分にも楠本のボール奪取から前線につながったボールを河野がダイレクトで仕留め3点目を奪いました。

その後は1点ずつを取り合い4-1で終了となりましたが、山口の2点目から3点目の間にも金沢のチャンスシーンはいくつかありましたし、点差ほどの内容では無かったように見えました。

ただ、久しぶりにスタメン出場した選手たちで勝利という結果を掴めたことは良かったですし、随所に良いプレーも見られていました。例えば、移籍後初スタメンとなった桑原は試合開始早々に縦への突破を図る積極性を見せましたし、17分のように左利きを生かしたアーリークロスも可能性を感じました。今年の山口ですと、橋本が大学との兼ね合いで試合出場が難しいこともあり、左サイドからあのようなアーリークロスの形はなかなか見られません。そんな中で桑原のプレーは新たなオプションとして十分に可能性を感じるものだったように見えました。

また、個人的に嬉しかったのは楠本の活躍です。3点目のアシストとなったボール奪取はもちろん、2点目のコーナーキック直前のカウンター(大輔がクロスに合わせかけたシーン)も楠本が引っ掛けたボールを池上が回収したところがきっかけでした。この試合は渡部はなるべく前に出ずに最終ラインでどっしり構え、楠本や眞鍋が手前のスペースを消しに行くという役割が与えられていたように感じたのですが、それを見事にこなし勝利に貢献してくれました。相手の突破をスライディングタックルで防ぐシーンもありましたしね。ボールの配球という面でも1点目の起点となるパスや右サイドから前進のスイッチを入れるパスなど良いパフォーマンスだったと思います。

他にも挙げたい選手もいるのですが、スタメンの座を勝ち取れていなかった選手が多く出場した試合で勝利したことで、次の試合のスタメンがまた楽しみになる金沢戦でした。これで競争が激しくなればさらにチームの状態も上向くはずです。

そして、日曜日の相模原戦はまた重要な試合です。方向性はぶらさずに良い試合を期待したいと思います。



*文中敬称略

*この試合のハイライトはこちら


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