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J2リーグ 第18節 モンテディオ山形 vs レノファ山口FC 感想

2021年シーズンのレノファ山口の18試合目、モンテディオ山形との試合は0-2で敗戦となりました。今回はその試合の感想です。


この試合をどう捉えるのかは非常に難しいと感じました。どう総括してよいのか、いまいちまとまらないまま書き始めていますが、よろしくどうぞお付き合いください。

バタバタ感のあった試合の入り

試合の入りは山形が成功したと思います。オフサイドになったもののゴールネットを揺らすシーンを作るなど、いつ得点を挙げてもおかしくないような流れでした。

ですが、山口のテンションが低かったかというとそんなことはなく、自分たちが準備をしてきた4-4-2気味のプレスで敵陣から奪いに行こうという意識は強く感じました。山口のテンションの高さよりも山形が上回っていただけといった印象です。

どの点が上回っていたかというと、山形の長所である敵陣でボールを奪われた後に、素早く切り替えて奪い返すプレーです。8分や11分、19分にあった最終ラインから長いボールで敵陣に入り、そこから襲いかかるようにボールを奪い返すプレーがあったり、敵陣での相手のスローインを素早く圧縮して奪い切ったりすることで、山口を押し込む展開としていました。

試合後の監督コメントからも山口がここを警戒していたであろうことは、読み取れるかと思います。佐藤謙介・田中・神垣・池上と中盤の選手を4人起用した意図について問われている部分ですね。それでも試合の入りでは、山形の圧力が予想以上だったのではないかと想像しています。


とはいえ、試合の入りを何とか無失点で切り抜けたことで次第に山口もペースを掴んでいきました。この試合に向けて準備をしてきたであろう、4-4-2のプレスが嵌まり、ボールを敵陣で奪うシーンが作り出せるようになっていきました(15分や25分のシーンがそうです)。

ただ、ようやく互角の展開になってきたところで失点をしてしまいます。前線のプレスバランスが悪くなったところを左サイドに展開され、山田康太のサポートから前進を許してしまいました。山形の崩しは見事でしたが、山口側のエラーもあった失点でした。


新たな壁を乗り越えるために

試合は、後半に2失点目を喫しそのまま終了となってしまいました。長崎戦と同様に複数失点、無得点での敗戦です。これで4試合勝ち無しとなり、厳しい結果が続いています。

秋田戦はザ・アウェイといった環境の要因が少なからずあったと思います。愛媛戦は自分たちの方に要因があったような気がしています。長崎戦と山形戦は、単純に相手に上回られたような、そんな試合だった印象です。今、山口が採用している3-5-2のシステムに対して、しっかりとした準備と対応を行っていた長崎と山形が順当に勝利したという内容だったのではないでしょうか。

そんな中でも、山形戦で1番光が見えていたのが敵陣での守備だったと思います。前線からのプレスでボールを奪う形がしっかりと表現できており、ボールを奪うシーンもいくつか作れていました。ただ、それが嵌まらなかった時や自陣に押し込まれた時の守備は、少し厳しいように見えました。敵陣での守備の際は、山形のSBの半田や山田拓巳に低い位置で時間を作られるシーンがありました。特に、右SBの半田のポジション取りに対して、うまく圧力をかけられず前線にボールを入れられるシーンがありました(33分とか35分とか)。

それも、5-3-2の形からWBの澤井やIHの田中陸を前に出して、やや強引にプレスを行っていることがあるからだと思います。この2人から相手のSBまではやや距離があるため、少し遅れると時間を作られやすいという事情があります。

自陣に押し込まれた際のサイドのスペースをどう抑えるかも含め、チームとしての共通意識を持って攻撃された際にどうするかという点は、まだまだ伸び代がありそうです。

そして、困っていそうだったのがボールを持った時のプレーでした。自陣での攻撃も楠本の個人スキルでうまく前進できたプレーがいくつかありましたが(47分や73分)、全体的には苦労しているシーンも多かった印象です。そして、敵陣に入った際のプレーも、サイドへ持っていってどうクロスを上げられるか勝負になっていることが多く、真ん中を突撃するパターンを持っている山形とのバリエーションの違いは感じました。

結果だけを考えれば、まず敵陣にボールを送ってそこからのプレスで試合を作っていくこともありだと思います。先ほども書いたように、一番うまくいっているのが敵陣での守備だと感じているからです。ただ、今シーズンは昇格へ向けての本気度を見せるシーズンですので、全ての局面においてのレベルアップを期待したいです。

そのためには、引き出しがもっと生まれてくると良いのではないかと思います。そんなことを感じ、山形戦後にツイートした内容がこちらです。

次節は甲府が相手になります。甲府もチームとしての戦い方のバリエーションが多いチームです。その相手に対して、どう勝負をしていくのか大いに楽しみたいと思います。


*文中敬称略

*この試合のハイライトはこちら


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