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ジュビロ磐田の試合を3試合観戦した感想【フォア日記08】

レノファが次節対戦するジュビロ磐田の第3節と第4節の試合を視聴したので、その感想を書いていこうと思います。


磐田のボール保持

磐田のシステムはDAZNの表記だと3-4-2-1となっています。ただ、試合を見る限り、表記通りの時もあれば、そうには見えない時もあり、攻守両面においてあまりシステムは関係ないチームだという印象です。

後ほど非保持の部分でも挙げるつもりなのですが、システムがカチッと決められているように見えない要因の1つとして大森の存在を挙げたいです。試合を見ていて、磐田のキープレーヤーを1人挙げるとすると大森かなという印象を受けました。

大森はシステム表記によると、左のシャドーがスタートポジションになっています。しかし、彼は基本的にフリーマンです。いたいところにいるという感じです。なので、相手としては非常に捕まえづらい存在となっております。

時にはゴール前、時にはビルドアップに関わるのですが、一番注意したいのは彼が最終ラインと中盤の間にいる時です。フリーになれるところを見つけるのがうまく、ここぞのタイミングで出し手に対してパスを受けることができるポジションを取ります。その大森にパスが出た場合、これが磐田がチャンスを作るパターンの1つになります。

例えば、水戸戦の41分30秒過ぎからのシーンや京都戦の先制点のシーンなどが挙げられます。

また、大森が特筆しているという部分は間違いなくあると思いますが、他の選手たちも比較的自由にポジションを取ります。全員同サイドに密集してといった感じではありませんが、それでもボールサイドに人を集めて、間を割っていくプレーは怖さを感じます。1人1人の技術が高いので人をかけてしまえば、突破できてしまうのだと思います。

その際に怖いのはやはり遠藤でしょうか。大森とのホットラインもそうですし、ルキアンを裏へ走らせるパスも正確で脅威的です。

磐田の保持で印象に残った点はこんなところかなと思います。


磐田のボール非保持

守備のシステムは大森がどこにいるかによって見え方が変わる印象です。大森を基準にして前線の他の選手が立つ位置を決めているように感じることもありました。

大森がスタートポジションぐらいの位置にいる際には、5-4-1のように見えますし、大森が最前線や右サイドにいる際は、4-4-2や5-3-2のように見えます。

ですから、ボールを保持している側からすると大森がどこにいるかによって、空いてくるスペースが変わってくるのではないかと思います。大森が最前線から右サイドにいる際は、ルキアンが左サイドのカバーに入ることもありますし、CHの遠藤や山本がサイドに出ていって守備をすることもあります。また、左WBの松本が前に出て行ってプレスをかけることもあります。

このような形で大森を意識しつつ、その場で最も状況が良いであろう人が左サイドの守備を担当するという印象です。

ここが狙い目になるケースもあるだろうと思っています。大森が左にいない際は、上記で挙げた3人のうちの誰かが左サイドのスペースを気にするわけで、場合によってはお見合いのような形で誰も守らない瞬間もあります。そこで少しでも先手が取れると、3人のうちの誰かが出てくることになり、CHやWBが出てくれば、その選手が元々いたスペースが空いて・・という循環を生むことができます。

ただ、狙い目にされるかもしれない左サイドの守備という点では、水戸戦と京都戦で左CBとして出場していた鈴木の守備力は非常に大きなものでした。彼1人で最後の局面を守ってしまうことが何度もありました。京都戦の最後、ウタカを抑えることはできず失点に繋がってしまいましたが、それ以外のシーンでは水戸戦から通して素晴らしい守備をしていました。

対戦相手からすれば、鈴木に注意しながらも磐田の状況を見ながら、的確に空いてくるスペースを狙うことができれば、得点のチャンスも十分にあると思います。


レノファの戦い方の展望

ここまでボール保持、非保持の中でそれぞれポイントになる選手と注目点については書いてきました。

これまで記載したポイントに加え、1点言及したいことがあります。それは、試合のペースについてです。レノファがどういうペースの試合を挑むのかという点を楽しみにしています。

磐田という相手を考えた際に、個人的には試合をコントロールしてペースをなるべく上げない試合をすると良いのではないかと思っています。

その心は磐田が初戦で戦った琉球の戦い方があります。実は琉球の予習がてら磐田の開幕戦を見ていました。そこで琉球が取っていた戦い方が試合のペースを上げないというものでした。

琉球戦のプレビュー記事で「琉球はボールを奪いにこない」と書きました。しかし、山口との試合で琉球はボールを奪いにくる守備を見せました。つまり、琉球は磐田相手なのでボールを奪いに行かなかったのではないかということです。

磐田は数人がボールサイドに集まりながら相手の間を突破するパターンが印象的です。突破するためにはポジションを崩してそれを試みることもあります。琉球としてはそれを見越して、まずスペースを埋め、相手がやや強引に突破しようとしたところの縦パスを引っ掛け、ポジションが崩れている相手にカウンターを打つ狙いがあったのではないかと感じています。

この戦い方が1つのヒントになるのではないでしょうか。磐田相手には、スペースを与えることが最も危険です。速くて強くてうまい選手がいたるところにいるからです。

水戸も京都も磐田相手に意欲的な戦い方を見せ、ペースの速い試合を展開していました。その影響がどのくらいあるか分かりませんが、結果として磐田は2連勝中です。

スペースを与えることを防ぐためには、岡山戦の後半のようにオープン気味に試合を運んでいくのではなく、ボールを保持し、守備でもブロックを作ったところからプレスを始め、試合をできるだけコントロールすることが重要です。

山口がどのような意図を持って試合をに臨むのか、そのスタンスに注目して、今季初勝利を見届けたいと思います。



*第3節のハイライトはこちら

*第4節のハイライトはこちら


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