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じんのひろあき短編戯曲集 『身代金』
鮫島の妻は長女で、その下に二人妹がいる。
この話は、その長女と次女の物語である。
場所はベビーホテルのある街道沿いの狭いビルの中。
「誘拐ねえ…考え過ぎじゃないの?
お父さんと雅人誘拐して、どうなるってもんでもないでしょう?
ボケて孫連れてどっかいってんじゃないの?
真剣に考えてるわよ…
人の親じゃないんだし…
ずっとアッコ姉さんに押しつけっ放しにしてたのも悪いと思ってる
じんのひろあき短編戯曲集 『どうにか・したい』
明転。
居酒屋。
津村が生中を目の前にして、ぶつぶつ言っている。
津村「はあ……二十分だよ…マジかよ…ほんと来ねえな…え? なんでだ? なんで俺、一人で飲んでんだよ…ふう…落ちてるなあ、落ちてんなあ…落ちてる、落ちてる」
と、やって来る吉野。
吉野「津村さん」
津村「おお!」
吉野「遅くなりました」
津村「遅いよ、遅い、遅い。…」
吉野「すいません、どうも」
津村「お疲れ…お疲れ」
じんのひろあき未映画化脚本『ミミカ』
『ミミカ』脚本じんのひろあき 1985/07/07 脱稿
これは元の劇映画用の脚本を朗読劇として上演できるように、やや小説風に書き換えたものです。25歳の時に執筆しました。
●黒地に
字幕が上がっていく。
その字幕にはこう書かれている。
「ミミカという名前の女の子が芸能界にデビュ-して、11か月が過ぎた。ミミカはまたたくまにメディアに露出して行った、通称-アイドルロイドの一人である。
『深海で聴くリリーマルレーン』
『深海で聴くリリーマルレーン』
作 じんのひろあき
注 この公演は阿佐ヶ谷のザムザという劇場で初演されたが、劇場を縦に使った。
舞台として使われる下手(しもて)から客席の下手(下手)までがすべて客席で、舞台の上手(かみて)客席の上手(上手)までが客席。お客さんが劇場に入る入り口も舞台装置として使用した。
よって通常の上手(かみて)は通常の客席部分も舞台装置として使い、そこで演技がなされ
『自由を我らに』当日パンフレットご挨拶
十八年前の『自由を我らに』初演の時、カーテンコールが終わって袖にはけてきた役者達が口々に「今日はすごく芝居のテンポがよかったよね、いつもより早かったよね、さくさく行ったよね」と、興奮していた。
当たり前だ、台本を14ページもすっとばしていたからだ。
笑い事ではなく一幕物、出ずっぱり芝居の恐ろしいところである。
客席の明かりが落ち明転したらもう誰にも止められない。
脚本を書いた人間、演出し
じんのひろあき普通の長編戯曲『自由を我らに』
『自由を我らに』2009VER.
作・じんのひろあき
登場人物
北川 政府役人 代表
最所 政府役人
佐藤 政府役人
大出 小説家
芹沢 特攻帰りの小説家
福島 売れっ子女流作家
江原 売れてない女流作家
種子 劇作家
井上 随筆家
小山 歌人
豊島 推理小説家
塚原 新聞記者
白井 広告文案家
客入れ。
性能の良くないラジオから聞こえてくる、終戦直
じんのひろあき戯曲『努力しないで出世する方法』劇団解決パンダース用上演台本
『努力しないで出世する方法』
作 じんのひろあき
■登場人物
越谷一哉
地鳴景太
三橋しのぶ
六谷丈博
加宮元 カミヤ
結城杏子 キョウコ
近藤沙也加 サヤカ
永山加寿子 カズコ
和里田洋 ワリ
上米波留季 ハルキ
種田省次 ショウ
久保田哀 アイ
金井瑠羅々
美津島千鳥
守本光