朗読劇二人芝居『ファンレターズ』 夢野愛4通目

夢野愛「ファックス送信表。永幸出版㈱、ティーンズハート編集部滝田様。
あとがき原稿を含めて二枚。いつもお世話になっております。
例の矢野優子ですが、私が滝田さんに送ったメール、並びに滝田さんが私に送ったメールの返事、そしてこのような原稿を含むファックスでのやりとり、全て矢野優子に読まれています。
すみません。
しかも、矢野優子は私が出した燃えるゴミを家に持ち帰って、全部中の物を読んでいるようです。
それしか考えられません。これは犯罪にならないのでしょうか?
矢野優子は私たちのやりとりを読んで、怒っているようです。
それも『激おこぷんぷん丸』を通り越して、『ムカ着火ファイヤー』以上のものを感じます。
私は恐いので、日が沈むと外に出ないようにしていますし、もう燃えるゴミに私文書を出さないようにしました。
おかげで部屋は紙屑だらけです。
シュレッダーはどこに行けば売ってるんでしょうか?
アマゾンで買えますかね?
高いんでしょうか?
シュレッダーにかけると本当に再生不可能になるんでしょうか?
なんだか矢野優子の行動を見ていると、細かい短冊状になった紙でも、長い時間をかけて並べ直すんじゃないかって気になります。
電話番号を変えました。が、ここに書くと恐いので、書きません。電話連絡はこちらからいたします。
『ドキドキハイスクール』八十枚を突破しました。
それと『ときめいて大江戸の海賊君』のあとがき、
遅くなってすみません。ようやく書き上げました。
こんな感じです。
『あとがき』
はーいみなさんお元気ですか?
これで『海賊君』シリーズも、とうとう四冊目。
これまでずーっとつきあってくれた読者の皆さんありがとねぇ。
ん?
そんなこと言われても、
このシリーズを読んだのはこの本が初めてだ、って?
こらーっ、四冊目から読まないで、一冊目から読んでくれい。
今回のお話は、完璧な学園モノになりました。
ゲストキャラの佐藤くんが私、夢野愛の今回のお気に入りのキャラであります。
彼は夢野の高校時代の(そんな時代があったのだよ、夢野にもね)クラスメートで、夢野がちょっぴり恋心を抱いていた男の子をモデルに書かれています。書きながらいろんなことを思い出して、センチメンタルな気持ちに襲われたりしたのです。
というわけで、ニューキャラ佐藤くんはお気に入りかつ、重要なキャラクターではありますので、次回作にもきっと登場して、かっこいいけど暗い顔で、またまた暴れ回ってくれることと思います。
次回は『ときめいて上海の海賊君』(仮題)です。
お楽しみに!
毎月一冊のペースで早四年目を迎えました。
どこまでこの自己の記録を伸ばせるか。みなさまの応援、よろしくね。
PS、皆さんのファンレター、いつもどうもありがとう。
全部目を通させていただいています。
それと、いつも素晴しいイラストを描いてくださって、作品を盛り上げるどころか、引っ張っていってくださっている西田恵子さん、どうもありがとう。
これからもよろしく。夢野愛。
あとがきはこんな感じなんですけど、この文庫本のあとがきの最後に書かれている『ファンレターの山にますます張り切る夢野愛先生の作品はいかがでしたか?ファンレターの宛先は…』という文を削除していただけませんでしょうか?
夢野愛」


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