オネエおじさんに山に捨てられてしばらく立ち尽くした。 前を見ても後ろを見ても、鬱蒼とした林の中にひたすら続く真っ直ぐな道があるだけ。 車で1時間の林道をでかいリュックを背負って戻るのか、全く未知の道を進むのか。 時刻は昼前。水はペットボトル半分。食料なし。夜は氷点下。テントなし。 仮に車が通りかからんかったら戻る道は推定80km。荷物もあるし大通りまで早くて明日。遅くて明後日。死ぬことはない。 未知の道はその先に町があるのかないのか、あるなら何キロ先か、何もかも不明
サンタフェは芸術の街。それはサンタフェの前情報がなくても一度でも足を踏み入れると誰もが思うやろうって思う程、街は芸術で溢れてる。 周辺のホピ族、ナバホ族、ズニ族、タオスプエブロ等のインディアンの工芸品を置いてる店と、メキシコっぽい店、立派なかっこいい教会、数多くの美術館、いろんなとこで見る大小さまざまな個展で賑わってるけど、それらが上手くまとまっててお洒落な雰囲気やと思った。 観光をしてる外国人も街を歩いてる人もなんとなくオシャレな雰囲気が漂ってる。 なんか場違いな感じ
ホピを出る。 行きはヒッチハイクで来たけど、帰りはホピ専用のマイクロバスみたいなやつがあって、それに乗せてもらって町まで降りてきた。 安宿に泊まって久しぶりの雑多な、不安と便利と愛想笑いとヤンキーと落書きとお金と野心がごっちゃになった町の空気感に逆に安心した。 使命とか魂とか、精霊とか伝統とか、響きだけでもめっちゃかっこいいし、生きてる意味と直結しててこれが本物って感じがするけど、大阪の治安が悪い地域が地元の俺にはこうゆう何の意味もなさそうな町の空気感もホッとするねんなー
ホピが石板の片割れを持って旅立っていく白い兄を見送ると、マサウは、一本の棒を持ってホピにこの大地でトウモロコシを植える方法を教えた。 ホピはマサウに教えられた通りに棒を使い、種を撒き、トウモロコシを植え育てた。 しかし、約束の大地は砂漠の上にあり、生活をするのもままならない状態だった。 それを見ていたのが、ホピの大地から遠くに見える「サンフランシスコ・ピークス」という山に棲むカチーナ(精霊)たちだった。 カチーナたちは、ホピが創造主との約束を守り、ようやくこの大地に辿
創造主はいよいよすべてのものが幸せになれるよう、第4の世界を創った。 下に降りた人々をスパイダーウーマンはさまざまな部族に分けた。 みんなが旅立つとき、創造主の使いのツグミが飛んできて、たくさんのトウモロコシの種を大地に置くと、 「どれか一つを選び、その種とともに生きていきなさい。」と告げた。 それぞれの部族のリーダーに選ばれたものたちは、出来るだけ大きく立派な種を選ぼうと吟味し、次々に選んでいった。 最後に残ったのは幾つかの小さなブルーコーンの種だった。 それを
創造主タイオワは、始まりも終わりもない空間にいた。 タイオワは無から有を創り出し、宇宙の秩序を整える役割としてソツクナングを創り出した。 ソツクナングは宇宙空間に星々や惑星を作っていって、太陽と地球もソツクナングが創った。 そして地球の最初のものとして蜘蛛女「スパイダーウーマン」を生み出す。 スパイダーウーマンは地上の土と自分の唾液をまぜてさまざまなものを生み出した。 最初に創ったのが、双子の兄弟のポカングホヤとパロンガウホヤ。 ポカングホヤには地球上にあるものに
アメリカ旅7の最後でてっちゃんに贈ったポエム、ホピの人。 好きなアーティストjunnos君の旅の人を参考に作ったものです。 ホピの人 ホピの人が守ってきた生き方 シンプルと謙虚を貫く 見たことない次元の世界観 澄みきった眼が物語るの 守りたいものがあるから 命をつなぐ 守りたいものしかないんだ 自分で何も苦労をしないで 便利にながされるのは堕落 金や物を追っかけていないで 己の魂をみがくんだ 守りたいもののおかげで 道がわかる 守りたいものがあるのは すごく神聖な
アメリカ旅7 次の日ゆきさんが作ってくれた日本食の朝ごはんを食べた後、恩返しのためにまた薪割りをすることにした。 3時間ぐらいひたすらやって、3ヶ月分ぐらいの薪を作ったらしくて、すごい喜ばれた。 昼からはてっちゃん自慢のデッドのマークが入ったハーレーに乗せてもらって、ホピの居住区をいろいろ紹介してくれた。 セカンドメサ(岩の台地)からファーストメサに行く途中は渡り廊下みたいになってて、細い道の両サイドは高い崖。 見える景色はやっぱりなんにもない、ひたすらだだっ広い荒
キコツモヴィ村のはずれにある日本人夫婦の家に着いた。 家は手作り感溢れるこじんまりした木造の家で、家と車庫と広めの庭の周りに2mぐらいの柵がぐるっと囲ってる。 その中に大型犬が10匹いて、3匹半狂乱、4匹ガチギレ、2匹警戒吠え、1匹空気読んで吠えるみたいな感じでいきなり本気で吠えられまくってプチパニックになった。 吠える犬飼ってる家にお邪魔するのただでさえめちゃくちゃ嫌いやのに、こんな中に入っていくのすごい嫌やなーって思って夫婦のほうを見たら、いけそうなら積極的に噛もう
次の日おっちゃんからもうすぐこのオライビでハーベストシーズン最後の儀式があるから是非参加してほしいって言われた。 聞くと、ホピでは夏至から冬至のハーベストシーズンと冬至から夏至のカチナ(精霊)シーズンで別れてて、カチナシーズンには聖山サンフランシスコ・ピークスからカチナ達がやってきてホピの人と一緒に半年過ごすらしい。 ハーベストシーズンの今はカチナは聖山の上からホピのことを見守ってくれてるらしくて、今回は季節の変わり目の儀式になるらしい。 ホピは伝統を守る保守派と文明を
「ホピの予言」は、創造主がホピの人々に語った話とも、大精霊マサウが語った話ともいわれている。 一般に知られている予言は、かつて一部の長老たちによって国連で語られ、世界に発信されたものである。 「ホピの予言」を表にだすことは、伝統的な保守派と、今こそ世界中の人に知ってもらって次の世界に超え行くとき、とみなす派で賛否両論あり、難しい問題をはらんでいる。 かつて予言を表に出した長老たちに敬意を払い、ホテヴィラ村の故ダン・エベヘマ長老が語った「ホピの予言」から一部抜粋したもの、
真夜中ににおっちゃんが起こしてくれた。 お守りを持って家の外に出たら、空はまだ夜が明ける前の紫色をしてた。 2人で何にもないオールドオライビの村の中を崖のほうに歩いていく。 かなり広めの間隔で建ってるホピの小さい家を何棟か通り過ぎて行く途中、地面の上に拳サイズの石10個ぐらいで円を作って、その中に花とかなんかの種が入ったデコみたいなのが目に入った。 崖の際まで来て、しばらくして朝焼けが起こって、おっちゃんにクリスタルを手渡したころ向こうの地平線から赤い生々しい光が上が
ホピ族の居住区、オールドオライビ村に住む おっちゃん(推定年齢45歳)の好意で家に泊まらせてもらえることになった。 おっちゃんの家は半分は昔ながらの石造りの家で、半分は加工した丸っこい石で作ったモダンな作りの家がくっついたかわいい家で自分で改造しながら住んでるらしい。 なんも変えんってゆうてたけど、家の造り変えとるやんって思ったけどこれもつっこめんかった。 おっちゃんの家の前に、半円がくり抜かれたみたいな変な形の石と、その下にサッカーボールが10個ぐらい入りそうな穴があ
ホピの概要 ホピ族の居住区はどでかい荒野の真ん中に岩の台地(メサってよばれてる)があってその上にある。 メサはファーストメサ、セカンドメサ、サードメサと3つあって、その中に12の村がある。 12の村にはそれぞれトップ(チーフってよばれてる)がいて独自の政治を行ってる。 ホピには全世界を巻き込んだ伝説が残されてる。 かっこいい岩と膝丈ぐらいの木がポツポツある以外見渡す限り何にもない荒野のど真ん中、ヒッチハイクで載せてくれたナバホ族のおっちゃんがあそこの岩からホピの居住区だって
29歳の秋、農業の季節バイトの仕事でアメリカに行った。 ビザいっぱい三か月働く予定が色々あってまさかの2週間という短期で仕事が終了してしまった。 予定よりだいぶ早く終わってしまって、ビザが切れるまでの2ヶ月半どうしようか予定を考える。 急なことで頭が纏まらんかったから、昔からよく使う、「自分との対話ノート」を使うことにした。 はじまりはこんな感じ。 おーいひづめちゃーん! 何? 悩んでるんー? そうやねんなー。 何と何で悩んでるん? 帰るか旅するか 帰りたいん? い