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POOR THINGS

2024年アカデミー賞にて
大好きなエマストーンが主演女優賞を獲得した。

彼女は憧れの存在であり私が映画を強く愛す
きっかけにもなった俳優の1人。

彼女はそれぞれの映画のキャラにのめり込み
この役はエマにしかできないと思わせるほどに
体当たりでストイックなのが画面越しで伝わる演技力で私にとってカリスマ的な存在。

今回エマが主演女優賞を獲得した作品は

哀れなるものたち 原題:POOR THINGS

主演女優賞を合わせて四部門受賞と沢山のノミネートがされた今話題の映画。

公開前から実に異様で美しい予告に界隈で話題になっていた。

アラスター・グレイという小説家の本が原作

予告は抽象的で美しい映像はアートそのもの
どんな内容なのか全く汲み取ることは出来なかった。

メインキャストは
ウィレム・デフォーにマーク・ラファロ。
まるで新しいスパイダーマンが始まりそうな予感な堂々たるキャスト陣

私が得た前情報はそれだけで
小説も読んだことないため
謎だらけ状態。

2024年に入ってからお金も時間もあまり余裕が
なく映画館にはレザボアドッグス4Kリバイバル
しか見に行っておらず新作をいまだに見てなかった。

あんなに前は映画館に行っては世界に浸って
うまくストレスをリサイクルさせる人生だったのにと思いつつ
単純に値上げやクーポン廃止が一番大きな原因だろう。

そんな時にエマの受賞がまた映画欲に火をつけたきっかけになった。

当日なかなか普段使いは難しい真っ青なワンピースを着た。
田舎の映画館に一人で見に行くのにバウンスコーデとも思ったが
上演時間だけでも世界に浸るのは悪くないと決行した。

本編はR18作品
前の回から出てきたカップルが

えー…どうしよう…と言いながら退出した。

よっぽどなんだと思った。
艶やかすぎるのかグロいのかはたまたどちらもかとちょっとだけドキドキしながら席に着く。

去年初めて白石監督の愛してる!
ロマンポルノデビューをしたからなんとなくだけど艶やかな映画での過ごし方は掴んでるから
まあ大丈夫だろうと思った。

哀れなるものたち

あらすじ

本編は不穏なBGMの中青いドレスを着た女性が橋から飛び降り落ちていく映像に

画面いっぱいの『POOR THINGS』

とタイトルが出る実にお洒落な開始。

場面は変わりとある屋敷
突然白黒の映像になり 

体が鳥の犬や体が犬の鳥が屋敷内を彷徨い
全てが異様な景色

屋敷の主人のゴッドは
知能が発達していない女性を研究する医者。
まるでフランケンシュタインのような見た目だ。

ゴッドは言語がうまく話せず不味いと言い食べ物を吐いたり歩く姿がおぼつかない幼児のような女性ベラを研究している。

そんな中屋敷に助手にとしてマックスという
医学生がやってくる。
彼は毎日ベラが覚えた言語と食べ物を入念に記録している。

記録していくうちにベラは一日に15個語彙と幾つもの感情を覚えるほどの速いスピードで成長しているということが分かった。

そしてある日ベラは性的な感情を覚えメイドに

幸せになる方法を見つけた

と話し性器に野菜を入れ見せつ
マックスはその姿をみて社会では許されていないと止める。

その後心配になったマックスは
実は記録していくうちにベラに好意を寄せていだことをゴッドに打ち明け

ゴッドはベラの新しい性的感情を利用して
それならベラと婚約して3人で幸せに暮らそうと提案する。
ベラとマックスは婚約をした。

そしてベラとマックスの結婚契約を交わすため
ダンカンという弁護士が屋敷にやってきて

マックスとは違い
社会なんてクソ喰らえだ!と言い
ベラを冒険に出ようと誘惑する。

ベラはマックスと結婚する前に
ダンカンと外の世界をみで冒険したいと
ゴッドに許しを得て

ベラの探究心に満ち溢れた大冒険がはじまる。

といった内容

ベラと共に視聴者も成長していく映画だった。

常にベラの視点で物事が動いている。
ゴッドの秘密、マックスの愛、ダンカンの人柄
に加えて冒険で得た感情と倫理的、道徳的思考は
私たち視聴者も探り探り状態で見れることがこの映画の凄さかもしれない。

その中でも白黒からカラーになる瞬間が自然すぎたことが非常に印象的。
あれいつの間に。
この感じは身についた知性のような感覚に似ている。

そして目玉であるカルト映画の要素
抽象的な景色や人や動物や物事も

小さな頃初めて見た見たものや体験ってこれぐらい誇張されて、奇妙で、大きく見えたなと思えた
それもベラのはじめての視点のような気さえして自然に見ることができた。

さらに深く:ネタバレ有 

とにかくこの映画は好奇心からくる探究心から
女性的な探究心に変わることが好きだ。

つまり冒険(社会経験)を経て
逞しい女性になるということ。

例えば
ダンカンとの食事中に他の席で鳴いている赤ちゃんに対してベラは
『あの子を殴らなきゃいけない』と席を立つが

さまざまな経験を経た後のベラは
貧しい子供たちが飢餓で苦しむみて涙を流しダンカンがカジノで得たお金を集めて渡そうとする
道徳心の成長が著しく現れる

そして
冒頭でマックスが婚約をベラにお願いした際に
ベラは『性器の触り合いをしよう!』とダイレクトに伝えるシーンがあるが

冒険を経てマックスのところへ戻って婚約のキスをした時には
ベラは『あまり舌を入れたキスはしない方がいいわ』と発言する
間違いなくマックスより社会的思考になっている
この成長の過程もたまらなく良かったけど

やはり後半は自分は一体誰だったのか
じゃあその人として生きるためにはどの選択をしたら良いのかという
自分自信ついて探究する展開になるのが
本当に涙必須すぎた。


ゴッドがしたことは非常に非倫理的な研究だったのかもしれないが一人の女性を違う形救い
違う形で愛と自由を与えて

もうめっちゃ変だけどすごい泣いた。

たしかに7割濡れ場だったが性的な目覚めから冒険心が生まれたのだから濡れ場だらけで良かった。
まあカップルでみるのは向かないだろう。

こんなに濡れ場に感謝したことはないかもしれない。

とにかく大人になった乙女心をこんな揺さぶられるほどユーモラスで暖かい映画に出会えて嬉しかったです。

エマ本当に素晴らしい演技をありがとう。
哀れなるものたちに関わった全ての方々に感謝です。

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