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進歩と成長 歩き方を忘れたわたし。

6/19(火)夕方16:30ごろ。

レンタルした電動自転車で急坂を下っていたところ、地面のくぼみにタイヤを取られ転倒し、多発外傷(特に右膝と右肘に深い傷)を負った私は、自力で歩くことができなくなってしまった。

そこから約2日間、移動は担架に乗せてもらっていた。

そこから7日間、入院先での移動は車椅子。病室内をトボトボ歩くことはできたが、体力の消耗も大きかった。

走ることを生き甲斐にしていたくらい動きたがりな私からすると、いつになったら歩けるようになるのかソワソワしていた。


退院後の生活

退院後は松葉杖を病院で借り、杖を使って歩く練習をした。

外の空気がとにかく吸いたい。

だから家にいる時も、庭に出て芝生と戯れたり、空気を思いっきり吸って深呼吸していた。
それだけでも幸せだった。

でも、少しずつ動けるようになってくると欲望も出るもので、友人に手紙を書いたついでに家から一番近いポストまで松葉杖を使って歩いて手紙を出しに行くことにした。


一番近いポストまでは、距離にして350m。
Google mapでは、徒歩6分と出てきた。

退院から約1週間後。初めての遠出だった。


ドキドキしながら行ってきますと『途中で厳しそうだったらヘルプの電話するかも』と告げて歩き出した。


始めての松葉杖での長距離移動は、なかなかにスリリングだった。

車がスピードを出して通るだけでも怖いし、後ろから人に抜かされる時もびっくりしてしまう。
気を遣って歩道の外を通って抜かしてくれる人もいた。
無言で抜かれると怖いけど、大袈裟に避けられるのもなんとも言えなかった。(じゃあどうしろって話なんだけど)


いつもとは違う視点で歩く350mはとっても長く、慣れない松葉杖に途中で腰が痛くなった。

びっこ引いた歩き方をするから、他のところに支障が出る。

完全に、歩き方を忘れていた。


記録は14分30秒ほど。Google mapの教えてくれた想定時間の倍以上かかったけれど、これがいまの実力だった。

ここからどれくらい戻るのか、楽しみだなぁと思っていた。


そこからさらに数日後

そこからほぼ毎日、家の前の道路を散歩するようになった。朝か夕方。

距離にして350m〜
徐々に時間と距離を伸ばして1kmぐらいまで歩けるようになった。

同じ350mを歩くのにも、時間が8分まで短縮され
少し遅い くらいまで回復してきた。

それでも同じ道を歩く人にはすぐに抜かされちゃうし、途中で休憩を挟んだりしなきゃいけないんだけど。


それでも時間が縮まるのも、自分自身の成長が感じられてたまらなく嬉しかった。


なんとなく思い出してきた、歩き方。

そんなこんなでぼちぼち歩く日々を続けながら、階段の上り下りも合わせて練習するようになった。

家の近くの河川敷へ降りる階段や、外にある数段の段差。
そこをとにかく上り下り。


側から見たら変な人だけど、
徐々に登りは1段ずつ交互に登れるようになったし、
下は怪我した足をカバーしつつも横歩きにしたら1段ずつ降りられるようになった。

日々の練習の成果を感じたり、徐々に動かせるようになる自分の足への愛着がどんどん湧いてきた。

一歩一歩、足を踏み出して前に進む。
本当に当たり前のことなんだけど、そのありがたみを忘れていた。


そして、そのありがたみに気づかされた。


自分の手足や体への感謝と共に、
自分の感覚や歩き方を取り戻すように。

私は日々歩いているし、
一歩一歩、ゆっくりでいいから前に進み続けたい。


やっと、思い出せてきた。
でもせっかくなら、前に戻るだけじゃなくて
前よりももっとパワーアップした姿で戻りたいな。

それがこの怪我を、人生の素晴らしい経験として、
活かしていく、自分のものにしていくために必要なんだろうな。


歩き方も、感覚も、やり方も、なんでもきっと
いつからでもやり直すことができる。

きっと。

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