12/18  中学生トレーニング講習会

この日は中学生向けのトレーニング講習会実施しました。普段、相撲部のトレーニングを指導していただいている先生に講師をお願いしました。

京都の中学生の相撲シーズンは11月上旬に新人戦を終えると5月GWの春季大会まで主要の大会がありません。白鵬杯やコロナ以前ではまいど大阪などに参加する選手もいますが多く選手は試合間隔が空いてしまいます。この課題はまた別に考えていく必要があります。

日吉ケ丘高校の相撲部員はほぼ全員が京都の中学校で相撲を経験してきた選手です。そのため入学後に直面する課題もみんな似ています。今回は日々の指導で感じる部分を中学生に理解してもらいこの冬のトレーニングに生かしてもらえたらと考え、トレーニング講習会を実施しました。

今回のテーマは「姿勢」です。
京都の選手は全国的に見ると小さい選手が多く、体重増加も一番の課題ではありますが、小さいながらどう戦うかを考えたときに自分の力の出る「姿勢」を理解することが重要です。

前半は、自分の身体の特徴を理解するために全身の柔軟性チェックを行いました。
相撲でよく言われる「身体が柔らかい」は左右に開脚をし身体が前に倒すこと。いわゆる股割りができるかどうかです。もちろん股関節周りの柔軟性は相撲の姿勢を維持する上でとても重要な要素です。私自身相撲をはじめて1年くらいで胸がつくようになった時は先生方に褒められ嬉しかったことを覚えています。しかし実際には股割りが出来ても他の部位が硬ければ綺麗な姿勢を維持することができません。
私の場合は足首が硬く蹲踞の姿勢がいつまで経っても不恰好なままでした。
記念写真を撮るときに背が小さいため、前列で蹲踞することが多かったですが、とても嫌だったことを今でも覚えています。
話が少し逸れましたが、身体全体の柔軟性を上げることは怪我防止の観点からも必要不可欠です。自分の身体の特徴を知り、効果的なストレッチを入れることで競技力の向上に繋がります。また、中学生は特に身体の変化始まる時期です。大人の身体へ成長する前段階で自分の特徴を把握することで、自分自身の身体に興味を持ち、自分の思う理想的な身体に成長させることが出来るのではないでしょうか。

後半は、腕立てやスクワットなど一般的なトレーニングの正しい姿勢を理解することに加えて、身体の軸を意識したトレーニングを行いました。
中学生段階で正しい姿勢を理解し実践しておくことで、今後のトレーニング効果の向上に繋がります。高校生も入学後しばらくは姿勢のくせをなくすことに時間がさかれ、本来の筋力向上を目的としたトレーニングになかなか辿り着かないのが現状です。筋力がまだついていない中学生こそまずは正しい姿勢の習得を心がけて貰いたいです。

最後は身体の軸についてです。相撲はバランスを崩し合う競技です。そのためこの軸がとても重要になります。軸が崩れれば当然負けに近づきます。身体の小さい選手にとって軸が崩れないことは大きい選手に挑む上で必須条件になります。この軸がしっかりすると、自然と力が入りやすくなり無駄な力を使わずにすむため、変な表現ですが楽に相撲を取ることができます。反対に一度軸が崩れてしまうと、取り戻すのは容易ではありません。
止まっていれば軸を維持することは難しくありません。しかし、相撲は止まっていては勝つことはできません。全力に近いパワーを出し合い、ハイスピードで動き続ける。その中で軸を崩さないことは非常に大変なことです。
そのために、日々のトレーニングから軸を意識していくことで、自分の崩れ易いポイントを整理することができ、それが相撲の競技力向上に繋がると考えています。

こうしたトレーニングがすぐに結果として出るわけではありませんが、今回の講習会で得たことを冬の練習に生かしてもらえたらありがたいです。来年の春に成長した中学生の姿が見れることを楽しみにしています。


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