やわらかな家族

ご縁あって、我が家にこの子が来てくれた。

石の旅先人募集、という記事を見つけて、目が離せなくなった。記事をかいていらっしゃるひらく（Freelyのなかの人）さんのお手元にいる石たちが、旅先を求めているという内容だった。様々なかたちや色をした石たちは、どの子もとてもきれいで、愛情深く暮らしていたのだろうひとつひとつのご紹介文をながめるうちに、この写真の【やわらかなひと】に出会った。

傷だらけなんだけど、
そこがいい。

色んな経験を積んで、
やわらかくなってきた人、（人じゃないけど）
というイメージ。

欠けてたり、クラックや傷があるけど、
その分、エナジーがやわらかい気がします。

このくだりを読んで、この子にとても会ってみたいなぁ、と思った。

旅先人の候補がたくさんいらした場合、行き先は彼らに決めてもらうと書かれていたので、ご縁があればと思い、すぐさま旅先人に立候補した。後日、選ばれた旨のご連絡を頂戴した際は、飛びあがりたいというより、とにかくじんわり嬉しかった。

たくさん傷ついて、ひび割れても、輝くことをあきらめない。このからだ、この心をあますところなく使って光ろうとしつづけよう。そして私のかたちが古びていっても、その分味や深みが増すといい。そのときはうまく言えなかったけれど、ちょうど私が考えていたことと、ひらくさんが書いていらっしゃることがぴったりきたのだ。またお金のやりとりについても、旅費、という表現をされていて、まだお会いしたことのない方なのに、そういうところにとても惹かれた。

やわらかなひとは、しっかりとした旅支度で我が家に到着した。私の方がまだ緊張しているけれど、きっと徐々になじんで仲良くなれるだろう。私よりずっと長生きをしてきて、私がいなくなる日がきてもこの子は生き続ける。いつかまた旅立つときがくるまでは、一緒にいてほしいな、と願う。

この子にふさわしい、やわらかなひとでありたい。