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ろくでもない「もしも」

過去を振り返っても仕方ないけど、もしもあのとき、と思うことがある。現在に満足してるはずなのに、そう言い聞かせてるだけじゃないかと疑いたくなるとき。

果たして私の選択は正しかったのか。
こういうときこそ、妄想癖を発動して過去へ潜りにいくべし。


もしもあのとき、結婚していたら①

貞淑な女好みの彼の元へ嫁ぎ、楚々とした女を演じていたが日々の暮らしの中でメッキははがれていく。偽りの姿でいることに新婚序盤から疲れ果て、ありのままを愛してくれる相手に出会ってしまい離婚。
もしくは、だんだん言うことを聞かなくなった私に疲れ果てた彼が勤め先で仲良くなったギャルっぽい女の子と不倫して妊娠させて離婚。

我ながらひどいな。


もしもあのとき、子供を産んでいたら

東京を引き払って実家に戻り、留守をばぁばたちに任せて私は仕事に追われている。田舎のパート賃金はたかが知れていて、大黒柱にはなりようもない情けなさ。
日中ばぁばに甘やかされている子供は、私よりばぁばのことを信頼するようになる。疎外感と嫉妬と焦燥。新しい出会いもない、ここには稼げる仕事もない。養育費は既に途絶えている。居場所を求めて私は家を出ていく。

スナック業界に染まりすぎ。


もしもあのとき、結婚していたら②

熱烈なプロポーズから始まった結婚。結局は愛されることが幸せだと自分に言い聞かせながら結婚生活を続けるも、会話のあまりの噛み合わなさに嫌気がさして私は家に居つかなくなる。たまに帰ると空いたビールやチューハイの缶がごろごろ転がっている。タバコとアルコールの匂いが充満する薄暗い部屋で彼はいびきをかいて眠っている。ほっとけば廃人まっしぐらな彼を横目に見ながら私は荷物をまとめて出て行く。

…暗すぎる。
そして私はどのみち家を出るのだな。


妄想にどっぷりつかると、我に帰ったときの爽快感ははんぱない。

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いやだと感じたとき、我慢して耐えることが1秒も出来ない。仕事なら渋々従うことはあるけど具合が悪くなるし、私生活ではどうしても出来ない。
だからたくさん逃げたし振り切ったし人をいっぱい傷つけてきた。
これからも必要があればそうすると思う。

自分のことがいやになるのは、その罪悪感をすぐ手放してしまえるところだ。そしていくらいやでも、私は私から逃げられない。

もしもあのとき、と振り返ってみたところで、帰りたい過去なんかひとつもないことにほっとする。自分の妄想がネガティブ一辺倒なせいかもしれないけども。

くぐりぬけてきた別れや出来事のひとつひとつが今の私につながっていて、いま現在を結局は1番あいしている。ろくでもない部分も含めて、私は私をあいしていく。

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