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白いお皿

生活のたのしみ展で鋼正堂のお手伝いをさせていただいたとき、焼きものの白いお皿ってなんてすてきなんだ、と感動した。白なんだけどちょっとクリームがかっていてあったかみのある色。きれいに重なりきらない、表情のあるお皿たち。

うちには白いお皿があふれかえっている。焼きものじゃない、ヤマザキ春のパンまつりでもらったお皿たちだ。真っ白でつややかで、プラスチックとガラスのあいのこみたいな、ホワイトニングしまくった永久歯みたいな質感をしている。
昔から、春先にキャンペーンが始まると家族がいつもより多めにパンを買い始める。そのつぎこんでる金額で好きなお皿買ったら?と言いたくなるくらいパンを買う。今やどうしてもそのお皿がほしいというテンションではなく例年の習い性、あぁもうそんな季節かパン買わなきゃと売場をめざす、良い消費者ファミリーなのだ。

あまりに実家でお皿がたまりすぎたので、私が引越した際に食器は買わず、歴代コレクションから何枚かもらってきて使っている。朝食はたいていトースト、料理をしても1品2品なので数枚でも事足りるし、和洋中いけるので重宝している。

パンまつりのお皿はすばらしい。落としても割れない。私はうっかり手元がすべる癖があるので、焼もののお皿を割ってしまうことがよくある。気に入っていたものが割れたときのあの悲しいフリーズ感。パンまつりのお皿は、私のような行き届かない人間にとてもやさしい。

おなじみの平たいお皿ではなく、ボウル状の小さなお皿がもらえる春があり、私はどうしてもその形のお皿が欲しくなった。スープもサラダも、なんならお茶碗にもなりそうなサイズ感。
派遣で働いていた頃で、点数シールを集めるためお昼にいつもヤマザキのパンを食べていたら、見かけた職場の方々が協力してくれるようになった。お昼のパンをヤマザキにしてくれたり、わざわざ家からシールを持ってきてくれたりしたので、ひとりでは貯めきれなかっただろうお皿2枚分の点数がまたたく間に集まった。そうしてありがたくお皿をいただき、とっくに職場を去ったいまも大事に使わせていただいている。

焼きものの白いお皿に憧れながらも、パンまつりのお皿で充分幸せに暮らしている。ただ、食器がすべて白すぎるのも飽きてきたので、おかずが見えなくなるほど色柄のインパクトが強いトルコ食器を、今年は買い足そうかと考えている。



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