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晴れ時々かいご 30「時計」

レビー小体型認知症の父。

症状の変化はとてもゆっくりながら、日によってかなり違います。

モデルナの2回目で気絶したいと思うぐらい体中が痛く39℃台の熱が出ていましたが

母は私が体調悪いと、自分も悪いと言い出すタイプ。父は熱があると言えば理解しますが、5分後には忘れてまた同じことを聞いてきます。

こんな日は出かけずに家にいて欲しいのに、母は毎週出かける日だからと、午後から外出。

泣きそうになりました。

時計が壊れたから修理に行きたいと父。車もなく、歩いて行く元気はないので、地図を書いて父に自分で行ってもらいました。

実は何年も時計はしていなかったのですが、昔のことを思い出したのか取り出してきておでお出かけしない日もつけています。時々開きづらい記憶の引き出しがパカっと開いて溢れ出るのかなと思います。

もう実家へUターンして1年半以上経ちますが、未だに出かけようとすると、帰るのか?と聞かれます。その都度「ここに住んでいるよ」と伝えれば「そうか」と言います。

きっと父の中で少なからず自分の記憶と忘却を自覚しており、激しい葛藤があるから、母に記憶ミスを指摘されたらイライラしてしまうのだろうなと思います。

「いずれ自分も私もそうなるんだから」と母には言うのですが、少し先の自分を見ているようで、母は母で怖かったり嫌だったりするのだろうなと思います。

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