映画『青春18×2 君へと続く道』 ~ 行動が時間を動かす

『青春18×2 君へと続く道』の視点


藤井道人監督の作品『青春18×2 君へと続く道』を見てきた。
満席だった。

自分の好きなゲームを作る仕事をしていたジミー。
その仕事を辞めたところから始まる。
なかなかモメて辞めたようだ。
実家に戻ったジミーは、ふとアミからの手紙を見つける。

アミと一緒にいた18年前のことを回想しながら、アミの故郷を訪ねるジミーの物語。
これは、過去の決別と再スタートの物語だと感じた。

ジミーの記憶の旅は、18年前にさかのぼる。

高校生のジミーがバイトをしていたカラオケ店に、バックパッカーのアミが来る。
働かせてほしいと。
高校生男子に4才年上のアミ。
まあ、ほれてまうやろ。
告白はしない。
でも、態度でバレすぎ。
アミの態度もなかなかだったが、好きだといわない。
それには理由があった。

映画をみていくと、観客にはそれとなく上品に気づかせてくれるある展開。
ずっとジミーの視点で物語は進むが、ラストでアミの視点に逆転する。
そりゃ感動ってなる。
「君の膵臓を食べたい」もそんな感じじゃなかったっけ?

時間よりも行動すること

18年経って、ジミーは日本を訪ねる。
それまで仕事に必死だったのだろう。

時間は本当に解決をしてくれるのだろうか?
そんなことも考える。

前回の『ビューティフル・ドリーマー』の中で、私は“苦しさを解決してくれるのは、時間だろう”と書いた。
時間が解決してくれるためには、苦しさのあとに、達成感が必要かもしれない。
達成感を得るには、行動が必要だ。

ジミーには、日本に行くという行動が、必要だった。
そうしなければ、ずっとアミを想っているだけだっただろう。
行動しなければ、時間は止まったままだ。

ジミーはゲームを作るということを成し遂げた。
大きくなる組織は、自分の思うようにはならない。
ジミーは、アミとの約束を果たした。
現在のアミのことは知っている。
そのうえで行動するきっかけが、アミがくれた手紙だった。
そして、本当のアミを知ることができたのは、アミの故郷で見せてくれたアルバムだった。

ジミーは行動したことで、また何かを始めることができるだろう。

2024.05.21-GO1


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