ゴイチ@内向的思考

子どものころから内向的で人見知り。日びの考えていること感じたことなどの記録です。 休日…

ゴイチ@内向的思考

子どものころから内向的で人見知り。日びの考えていること感じたことなどの記録です。 休日は映画館と書店。ほんとは、ベッドの上かテレビの前。 仕事はひとりでノベルティグッズの制作。ランサーズでライターを少し(別名)。 仕事の依頼があればうれしいです。 大阪市在住。男性。

最近の記事

映画「箱男」について~見ているだけが幸せ

安部公房生誕100周年らしい。 小説「箱男」が出版されたのは、1973年(昭和48年)。 新潮社の「純文学書下ろし特別作品」だった。 この新潮社の書下ろしシリーズは、毎回箱入りの本になっている。 箱入りの本のタイトルが「箱男」。 箱から出して、小説「箱男」が始まるのは、ちょっとおもしろい。 昨年、たまたま再読していた。 SNSのなかの匿名性と傍観者、そして一方的な発言の現在のことを考えていた。 そんな世の中をインターネットすらない出版当時に、安部公房は予言していたような内容

    • 映画「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」~文学的な妻は夫と一緒にいたい

      ※いまさらですが、ネタバレ注意 とにかく妻ちえの死んだふりの完成度が高くて、笑える作品。 夫じゅんは、バツイチ。 ちえと結婚して3年が経ったある日。 仕事がから帰ると、ちえが口から血を流して倒れていた。 じゅんは、慌てて救急車を呼ぼうと「117、117(それは時報)」。 そこでちえは、起き上がって「わー!」と驚かして、「驚きました?」。 そりゃ驚く。 口から血(ケチャップ)が出ているし。 それが必ず、毎日続く。 死に方は、毎日違う。 頭に矢が刺さったり、ワニに食われたり

      • 映画「キングダム 大将軍の帰還」~タイトルのタイミングと兄弟愛

        いい映画である条件のひとつに、タイトルが出るタイミングがある。 映画が始まって、かなり経ってから「ドライブ・マイ・カー」とさりげなく出てくるとか。 思わず、腕まくりして、前のめりになる。 で、「キングダム 大将軍の帰還」の映画を見てきた。 すっかり夏の風物詩となっている。 暑いときに涼しい映画館で熱いストーリーを見る。 常に暑苦しい信なのだが、本作ではあまり活躍しない。 序盤に龐煖にやられてしまい、致命傷を負って、信は逃げる(逃がされる)。 序盤この戦いは、映画として見せ

        • 映画「ブルーピリオド」~好きを努力する

          映画「ブルーピリオド」を見てきた。 マンガがいいらしいということと、桜田ひよりが出演しているという情報だけで見ることにした。 高校生の矢口八虎(真栄田郷敦)は、朝まで友だちと渋谷で遊んでいた。 本当に楽しいと思っているわけではない。 ただ周りと合わせているだけ。 金髪だし、不良っぽいけど、成績優秀。 八虎は、自分がのめり込むほど、好きなことがなかった。 美術の授業で出された課題「自分の好きな風景」。 八虎は何も書かずにいた。 ある日、八虎は美術室で一枚の絵を見た。 その絵

        映画「箱男」について~見ているだけが幸せ

          映画「異人たち」と過去と両親

          兄が亡くなってから、いろいろと用事があって、一緒に住んでいない両親といる時間が増えた。 両親ともに後期高齢者となって、身体はそれなりに弱っている。 特に母親は、長男を亡くして、気持ちも弱っていた。 ふと、今年見た映画「異人たち」を思い出す。 ロンドンのタワーマンションにひとりで住んでいる主人公アダム。 そこに同じタワマンに住んでいる男性ハリーが突然ウイスキーをもって訪れるという話。 脚本家のアダムは、30年前に両親を交通事故で亡くしたことを題材に作品を書いていた。 昔の写

          映画「異人たち」と過去と両親

          映画「風が吹くとき」~幸せな暮らしのまま

          映画「風が吹くとき」がリバイバル公開している。 この映画、私が高校生のとき、兄がレンタルで借りてきて(当然VHS)、一緒に見た。 昨日(8月6日)に見てきた。 奇しくも、広島に原爆が落とされた日だった(そのことを今朝知った)。 イギリスの田舎で暮らす夫婦だけの話。 仕事を引退した夫のジム。 妻のヒルダとふたり暮らし。 息子はいる。 孫もいる。 が、出てこない(電話の声だけの出演)。 ジムは2度の戦争を経験している。 政府の言うことには忠実だ。 次の戦争に備えて、シェルター

          映画「風が吹くとき」~幸せな暮らしのまま

          『一汁一菜でよいという提案』という本

          先日、亡くなった兄が病室で読んでいた本が『一汁一菜でよいという提案』。 4月に病院にお見舞いに行ったときに、兄はベッドで寝ながら私にすすめてくれた。 「いいこと書いてある」って言っていた。 で、私も買った読んでみた。 著者の土井善晴は、関西弁でとても気さくな人という印象がある。 印象だけで書くが、土井善晴の父の土井勝は、とてもまじめで固かった。 それはほとんどテレビ番組『おかずのクッキング』の印象なのだが、土井勝から息子の善晴に変わって、なんか「いいかげん」なしゃべり方だ

          『一汁一菜でよいという提案』という本

          兄が亡くなった~好きなことってなんだろう

          先日、2歳年上の兄が亡くなった。 53歳だった。 兄は高校を卒業して家を離れたので、いまから思うと一緒に暮らしていた時間は短かった。 「好きなことをする」と言って、田舎の実家を出た。 そんな兄に両親は協力的ではなかった。 「好きなことをして生きていきたい」と兄はよく言っていた。 私には、仕事にできる「好きなこと」がない。 兄は「好きなこと」をするために、それなり(それ以上)の努力はしていたのだろう。 兄は、1年以上前に鬱になり、仕事ができない状況になっていた。 そん

          兄が亡くなった~好きなことってなんだろう