映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』〜楽しい時間が続けばいい?

1984年に公開されたこの映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』。
押井守監督の出世作でもあり、根強いファンの多い作品である。

私も子どものころ見たが、初めて見たときは、あの発想についていけなかった。
それから何度か見て、押井守を知って、かなり経って改めてAmazonPrimeで鑑賞。

SFの定番のひとつであるタイムループもの。
いまの子どもならすんなり理解できるかもしれないが、初めて見たときの私は途中から「?」だった。

忘れていた。
『うる星やつら』は、ごちゃごちゃだ。
で、むちゃくちゃだ。

そんなオープニング。

学園祭の前日。
準備に忙しい学生たち。
学校に泊まり込み。
たしかに楽しい。

で、その前日を繰り返す。
このタイムループにしばらく気づかない。
そして、この町から出られない。
学校から出たはずなのに、また学校に戻っている。
世界の異変に気付き始める。

タクシーの運転手とサクラの会話は、名シーンだろう。
時間と空間。
哲学的な命題だ。

そして蕎麦屋の地下から飛び出すハリアー戦闘機。
上空から見た町の風景は圧巻。
この映画の白眉ともいえるシーンだ。

ともかく、楽しい時間は、永遠に続けばいいという夢。
楽しい時間というのは、幸福であることに違いない。
でも、本番がこない学園祭の準備の時間は、苦痛である。
本番がこないと学園祭は、始まらないし終わらない。
それはやっぱり苦しい。

苦しさを解決してくれるのは、時間だろう。
そしてそのときの仲間かもしれない。

幸せな時間は、過ぎてしまってから、あのときはよかったなと思うもの。
楽しかったと記憶に残るのは、本番よりも前日である。
それは苦しさも含めて楽しい思い出として残る。
私も学園祭実行委員をしていたので、少しはわかるつもりだ。

夢は覚めると保証されてる。

2024.05.12-GO1


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