私が東京に住みたいワケ
東京で働きたい。東京に住んでみたい。
田舎者が言いがちな一言。
大都会東京にお住まいの皆様、
「朝のラッシュとか、やばいよ!」「住むとこじゃないよ〜」
という前に、ちょっとだけ聞いてください。いや、読んでください。
イケてない地元
私の地元では、車が手放せない。
最寄りのコンビニに行くにも、車で。全くコンビニエンスじゃない。
森を切り開いて作った住宅地。
住処を失い街におりてきた小さな獣が息絶えていることも、ザラにある。
朝一で見たくないものランキング、結構上位。
要は、とても田舎だ。でも、ド田舎ではない。
車を少し走らせればイオンだけは山ほどあるし、電車を使えばそれなりに大きな街にもすぐ出られる。
DiDiでは呼べなくてもタクシーは走っているし、UverEatsが届けてくれなくてもマクドとスタバは結構たくさん建っている。
特徴のないベッドタウンだと、少しさみしくなることがある。
悪くないけど、イケてるわけじゃない、地元。
田んぼがない神戸
そんな地元で育った私も、神戸の大学に進学して、一人暮らしを経験した。
ちょっと歩けばパン屋には数軒出会える。
コンビニは、徒歩3分圏内に2つもあった。ちゃんとコンビニエンス。
夜道が全然怖くないほど街灯が多くて驚いた。
新天地では、田んぼも畑もほとんど見かけなかった。
ついでに、イオンも全然なかった。
楽しくて、便利で、思いたったらすぐに色んなことができる生活は、新鮮な驚きに満ちていた。
カフェだらけの東京
神戸に浮かれる私の大学生活は、日本1の大都会“東京”なしには語れない。
大規模な長期インターンを経験したおかげで、東京にもたくさんの友達や先輩ができた。いつでもおいで!と言ってくれるみんながいるので、宿も決めずに東京に向かうこともしょっちゅうだった。
就活とかなんだかんだ理由をつけて、毎月のように遊びに行っていた。
そして毎回たくさんのカルチャーショックに見舞われる。
カフェ何個あんねん!!!!
電車何本くんねん!!!!
ビル多すぎん?てか高すぎん?
THE田舎者のリアクションは一通り…
渋谷を歩くときはつい頭上を見上げるし、新宿ではほぼほぼ迷子になる。
大江戸線のホームは大抵の確率で見つけられないし、物価も高い。
それでも、小さくて大きな東京は、行くたびに違った顔を見せ、私を惹きつける。
東京に住みたい本当のワケ
この春、就活をした。
就活中、軸とも言えない軸としてずっと思っていたことがある。
東京で働きたい。
オンライン面接。東京にいる面接官と、zoomで簡単に顔を合わせる。
場所にこだわる必要がないことを目の前のツールが証明している中で一言。
「東京で働きたいんです。」 ……返答は9割、「なんで?笑」
(「どうして?」ではなく、「なんで?笑」ここポイント。)
この“笑”の感じにはちょっともやっとしながらも、この質問にははっきり答えることができた。極めて単純。
選べる生活をしたいから。
同じ量の時間とお金があるならば、時間の過ごし方は色々ある方が面白い。
地元だと、ほとんど選択肢がない。
カフェに行こうと思えば車を出さなければいけない。
調べずに駅に向かえば、10分20分電車を待つのが当たり前。
だから、家賃が高くても、満員電車がきつくても、今日はどこで作業しよう?と迷える生活をしてみたい。
SNSで見かける話題の店に、ランチに行きたい。
ここくらいしか行くとこないよね、と言わず、行きたいところを選んで行きたい。
そして…
イケてないけれど、自然豊かで大好きな地元を想い起こしながら、
「朝のラッシュとか、やばいよ!」「住むとこじゃないよ〜」
なんて言ってみたいのである。
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