見出し画像

グラコロ

この季節になると、母が浮き足立つものがある。
それは、グラコロだ。
寒いな、と思い始めたら母は
「そろそろグラコロがくるかも」と
話し始める。

私は、エビが苦手なためグラコロを
食べたことがない。
でも母も祖母も兄もグラコロに夢中に
なっていて、グラコロの発売を楽しみにしている。

その姿は、宗教っぽくて少し怖い。
だってグラコロ以外のときは、母は
まったくマクドナルドに興味がないのだ。
グラコロのときだけ、こんなに執着している。

でも母は、忙しいからマクドナルドに
行くひまがないので、私が代わりに
買っている。
マクドナルドに行くとレジでは、
グラコロの声が何回も聞こえてくる。

ここにもグラコロ教が1人、2人と
数えきれないほどにいる。
全国のグラコロ教を集めたら本当に
1つの宗教ができるのではないだろうか。

教祖になるためには、グラコロを何個
食べたらなれるんだろう。
私は、絶対に入れない宗教だ。

でも母も祖母も兄もグラコロ教に入っている。
寒いな、と思い始めるこの季節。
私は実家でいつも仲間はずれのきもちに
なっている。

グラコロを食べさえすれば入れる。
でもおいでおいでとする家族を見ながら
てりやきバーガーを食べる私は、
これからもこの先もずっと
グラコロ教には入らない。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,912件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?