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文章の推敲をして貰ったのが面白かったので、みなさんもやってみませんか?という話

私は4コマ漫画と絵を描いていますが、小説も好きで、時々、noteに掌編や短編を投稿しています。でもまだ書き方がよくわかっていなくて、しばしば行き詰まります。
ですので、読んでくださっている方々に、書きたいことがきちんと伝わる文章になっているのどうかの見極め方を、誰かに指南して頂きたいなあと、常々、思っておりました。

そんな折に、いつも読んでいる キッチンタイマーさん のエッセイで、友達の文章を推敲しています、という記事に出会いました。

コメント欄で「私もやってみたいです」とnoterさんが手を挙げておられたので、それなら私も、と思い切ってコメントを書き込んだのがきっかけで、文章を見て頂けることになりました。


誰かに小説を推敲していただくのは初めてでしたので、『推敲って、文言の前後を入れ替えて意味を通りやすくしたり、構造や展開の矛盾などを突いて貰えるのかな』と想像しておりましたが、物語全体をさわって貰っている印象でした。

見て頂いているうちに、話の筋が整っていって、その登場人物たちの目で見ている景色が、私にも見えるようになっていきます。
助言を頂いて、改めて物語について考えた時、この話はどこまで転がっていくんだろうと、わくわくした気持ちが生まれました。自分の考え方のクセなども見えてきて、驚きや発見が色々とありました。

面白い経験だったので、この記事に実際のやりとりの一部をご紹介します。

記事を読んで、もし推敲にご興味をもたれて、どんな感じだったかを、もう少し知りたいという方がおられましたら、今お読みの記事のコメント欄にお気軽にお書きください。または、メールをくださってもよいです。お気軽にどうぞ。hiyokodou38@yahoo.co.jp


推敲作業はGoogleドキュメントで行われました。
提出した文章に対して、コメントや感想をつけて返して頂きました。

黄色い背景色の行では、「話している人の吐く息や表情で、言葉に温度を持たせましょう」という指摘を受けています。
薄い背景色の行では、「この人はどこからやって来てどう立ちはだかる感じでしょうか」と位置関係について突っ込まれています。

推敲はこういう感じで、元の文に打ち消し線が表示されて、新たに文章を書き込み、修正した理由をコメント欄に書き添えられています。
言葉の並びや音感やテンポ、より的確な言葉の選択について触れられています。

★現在、推敲体験のモニターさんを募集中です★

ご興味を持たれた方がおられましたら、キッチンタイマーさんのこちらのツイートに一言添えてみてください。


テーマを決めて書き始めた作品でしたが、そのテーマの輪郭をさらに整えてもらうのが推敲かと感じます。とても楽しかったので、ひとりでも多くの方に体験して頂きたいなと思います。

ご興味のある方がおられましたら、新しいドアをノックするような気持ちで、やってみられてはいかがでしょう。きっとなにかに出会えると思います。

キッチンタイマーさんは、こういう丁寧な姿勢で、文章と人に向き合う方です。


ちなみに私は、こちらのエッセイがとても好きです。

おまけです。

お気付きの方もおられるやもですが、以前noteに投稿していた作品を見ていただいていました。
こちらは 一話目 で、佐々くんが霧島さんに内線で呼び出される場面です。「霧島さんの返し方が冷たい印象」という指摘を受けました。

 
 椅子にもたれて大きく伸びをする。気が抜けきった絶妙のタイミングで内線が鳴った。狙ってやっているのなら質が悪い。
「はい、佐々です」
「ちょっと降りてきて」

 女性は用件だけを言った。名乗らなくても受話器の向こう側に顔が透けて見えた。うちの会社でこういう適当な振る舞いをしてまかり通るのはあのひとくらいだ。
「霧島さん、休み時間は休むための時間なんですけど」
有無を言わさず内線が切れた。
 フロアを一つ降りてドアを開けると日中の半分ほどの人が居残っていた。


「地の文に、『このひとなら仕方がないなあ』という表現がないと、やり取り自体の温かみが伝わってこない」ということでした。

「普段から佐々くんと霧島さんはこういうやり取りをしていて、佐々くんは別に気にしていないし、霧島さんも悪気がないんだろうな」という、ふたりの関わり方が垣間見えそうな文章を、地の文に加えましょうということになりました。

 
 かじりついた瞬間、向かいのデスクのビジネスフォンが鳴った。受話器を取る気配がしなくて、ディスプレイ越しに背伸びをして覗き込むと、。デスクの周りには誰もいなくて、僕は慌てて立ち上がった。口の中のクッキーを噛み砕きつつ駆け寄ってり、すかさず受話器に手を伸ばす。
「はい、佐々です」
「あー、ちょっと降りてきて」
 女性は用件だけを言った。語尾の「て」がステップを踏むように軽く弾んで、妙なご機嫌感を醸し出している。
名乗らなくても受話器の向こう側の顔が思い浮かんだ。
「霧島さん。俺、もうちょっと休みたいんですけど」
 こぼした不満への返事もなしに内線が切れた。
 このひとはいつもこうだ。悪気もなければ悪意もなくて、なんならもともと僕の返事を聞く気がなくて、即座に受話器を置いている。気に入らない上司だったら腹の一つも立つけれど、霧島さんなら、まあ仕方ない。
 僕はフロアを一つ降りてドアを開けた。


書き加えてみると、文章がふっくらしたなあ、と感じました。

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