もちだみわ

イラストと漫画、ときどき文章。元デザイナー的ななにか。車のオモチャは変形しないと物足り…

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イラストと漫画、ときどき文章。元デザイナー的ななにか。車のオモチャは変形しないと物足りないです。ご依頼など連絡先:hiyokodou38@yahoo.co.jp

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もちだみわと申します。 イラストや漫画を描きます。テキストも時々書きます。 イラストはデジタルでありつつ水彩や色鉛筆の風合いが出せればと試行錯誤中です。この記事にはnoteで投稿したイラストや漫画・マガジン、LINEスタンプ等のリンクをまとめています。 イラストや漫画、アイコン、文章を書くなど、お仕事のご依頼やお力になれることがございましたら、メールやコメント欄、Twitter(@md3883dm)のDM等々でお声掛け頂けると嬉しいです。 ※この記事は不定期に更新されます

    • Kに掻き乱されるもの

      友人のIさんに、愚痴を聞いてもらった。 私は夜道を歩きながら、「悲しい」と伝えた。それは聞く側にとってはとても抽象的だ。何が、という具体的なことが抜けている私の言葉を、友人は「くるんでいるね」と優しく例えた。 何か特別新しい出来事があった訳ではなかった。いつものように昔にあったことを思い返して、いつもなら大してへこまないのに、なぜだかその日はぐったりする程悲しくなった。くるんでいるように話すのは、自分の言葉の重みがよくわからないからだ。不用意なことを言って、ボールをぶつけ

      • お絵描きの練習

        • いつか歩いた道、この先も歩く道。

          夜。鈴虫が足元でリンと鳴く。電車の時間まであと15分程ある。駅まで遠回りをしてみようと、いつも通る細い歩道を迂回した。木立の向こうのだだっ広い駐車場の街灯が、無言で光る。 車の顔が一列にこちらを向いていた。その列を右手に見ながら歩く。車の後方側に茂る山茶花は、冬になるとピンクがかった紅色をした鮮やかな花を咲かせる。豊かに咲き誇る花弁は冷たい風が吹く白く曇った空の下にあっても優しげで、にこやかに微笑むようであった。 「今年もきれいに咲いたね」 私の隣を歩く母に声を掛けると、母

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        マガジン

        • イラストまとめ vol.1
          176本
        • こまごまとまとめ
          171本
        • イラストまとめ vol.2
          25本
        • 漫画【ムスメモリー】
          70本
        • 漫画【仕事ジャンキー】
          46本
        • 羅針盤だけもっていく
          37本
          ¥200

        記事

          +5

          水彩絵の具でお絵かき

          水彩絵の具でお絵かき

          +4

          おろしたミュールで出かけたら

          靴箱の奥でオフホワイトのミュールが出番を待っていた。ヒールはやや高め。つま先と足の甲の当たる部分にそれぞれ同系色のベルトが通っている。グレーの花があしらわれたデザインが気に入っていて、いつか機会を見て履こうと、季節ごとに取り出しては眺めていた。 先日、買ったばかりの服とスカートを姿見の前で合わせていた時に、ふと、これにミュールを合わせて散歩したら楽しそうだと思った。気が向いたらその時とばかりに、魔法瓶に水を入れてカバンに投げ込み、スカートを風に翻しながら自転車に乗ってでかけ

          おろしたミュールで出かけたら

          卵とわたし

          錦糸卵を作っている。 まず、卵焼き器にサラダ油を垂らす。次に、卵をボウルに割り入れてかき混ぜる。卵焼き器をコンロの火にかけて、卵液を流し込む。火が通ったらまな板にあげて千切りにする。 私にとって、卵料理は難しい。 まず火加減。火がすぐに通ってしまうので、卵焼きも錦糸卵も、終始弱火にしておかないと見る間に身が固くなってしまう。 それから、卵を割る手順。これも中々難しい。片手で割る人もいるらしいけれど、なんて器用なんだろう。私がやるとまんまと卵を握り潰して、飛び散った卵液

          ”ほら見て、おしりが落ちてるよ“

          真昼の炎天下、スーパーを出てすぐの歩道で、アオムシと遭遇した。 この道は買い物客や自転車が普段から行き交う。よく踏み潰されずに無事でいたものだ。驚くほど堂々と道の真ん中にいた。ぷっくりとふくよかな体は優雅ですらある。色は鮮やかな緑。中指くらいの大き さで、立派に成長して、もうすぐ蛹になりそうだ。 「なんでこんなところに。踏まれてしまうよ」 私はアオムシに話しかけるようにそばにしゃがむと、辺りに視線を巡らせた。アオムシを歩道からすくい取るのに丁度いいサイズの葉っぱが欲しい。

          ”ほら見て、おしりが落ちてるよ“

          あなたや私を分けるもの

          最近、アプリのユーザー登録やアンケートの回答で性別を尋ねられる際、「男女」の二択だけではなく、三つ目の選択肢、「無回答」「その他」「答えたくない」等を伴うようにもなってきた。性別への触れ方が少しずつ変わってきている。 性別は日常生活の中で折につけ問われるものの一つだ。それは住所や氏名や年齢と並んで、その人を識別する材料の一端となるからだろう。 娘の通う学校でも、女子の制服はスラックスとスカートのどちらを履いても良いし、首元もリボンとネクタイを両方選べる。 入学する少し前、

          あなたや私を分けるもの

          色塗りの練習。主に髪の毛。

          色塗りの練習。主に髪の毛。

          無題

          焦燥よりも少し手前の、心細さに似た感情。 それを書こう。 そう思い立って手を動かす。 嬉しくて暖かなことや、悲しくて凍えそうだったことを、頭の中から消えてしまわないうちに、心の中から消してしまわぬうちに、書き留めておかねばと思う。 文字にして、見える形にして、今確かめるために、そして遠くへ向けて解き放つために。 ささやかな痛みと、少しの涙と、笑顔と、大切なことや、取るに足らないこと。なんでもない雑談や独り言。 記憶と感情とを、メモを瓶に詰めて海に流すように、或いは

          海と魚を眺めたい。

          言葉もなく思い思いに絶え間なくゆらめいて動くものを、眺めていたくなる時がある。 砂浜に打ち寄せる波が、サアっと薄い膜のように広がり泡立って消える。波打ち際を点々と足跡をつけながら、特に目的もなく歩く。水平線はのんびりと碧く伸び、風が背中を押すように吹いている。水面に浮かぶ日差しが砕けるのを、眩しさに目を細めながら眺めて、やがて訪れる夕暮れを待つ。そういう平らかな時間を味わいたくて、たまに海へと足を運ぶ。 梅雨のまだ涼しいうちに行っておきたいのだけれど、今年は夏が来るのがと

          海と魚を眺めたい。

          最近本を読んでいる

          本を浴びるように読む人というのは興味深いもので、 「小説を10冊買っても面白いのはせいぜい4冊くらいで、あとはつまらない」 などと文句を言いつつ、本屋へ足しげく通う。 「例えばどれがよかった?」 と尋ねると、 「この本は面白い。あとこれも。これは血と肉の描写がグロテスク」 そう言いながら、迷いなく背表紙を指差していく。本屋の本棚なのにまるで自宅の本棚からお薦めの本を選ぶみたいに慣れた手つきだ。書籍の配置を把握できるくらい頻繁に、足を運んでいるのだろう。 また、い

          最近本を読んでいる

          蟻の出所が遂にわかりました。台所の壁の目地の0.5mmもない隙間から出入りしていました。追跡すると天井と壁の接点の僅かな隙間からも行き来していたので、天井裏に巣があるのやも。謎が解けました。 https://note.com/hiyokodou/n/ncd5bf4e3ba42

          蟻の出所が遂にわかりました。台所の壁の目地の0.5mmもない隙間から出入りしていました。追跡すると天井と壁の接点の僅かな隙間からも行き来していたので、天井裏に巣があるのやも。謎が解けました。 https://note.com/hiyokodou/n/ncd5bf4e3ba42

          最近飲んだお酒について

          三年前につけた梅酒を久々に飲んだら、つけた時よりも美味しくなっていた。 梅酒はホワイトリカーと氷砂糖で漬けた。ホワイトリカーは果実酒を作るときに使われる焼酎のことで、アルコール度は35度ある。常温保存でも痛まない度数だ。梅の実はいれっぱなしにしておくとしおれると聞いたので、半年で取り出してちょっとずつ食べた。 あんまり梅酒が美味しくて、調子に乗って二合ほどスルスルと飲んだ。このペースでいくと簡単に瓶の中身を飲み尽くしてしまうと危惧した私は、梅酒を冷蔵庫にあったホワイトリカ

          最近飲んだお酒について