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【中学受験】カオスでラブリーな銚子/鹿島臨海工業地帯と佐原の旅③


銚子がカオスで好き過ぎる

今回の旅は工場萌えしたい&Y字型堀込港を見たいという私のニッチな希望でおまけのように佐原と銚子をくっつけたのですが、実際行ってみると、え?佐原、観光地としていいじゃん!とか、銚子、こんなカオスな街だったとは、、、と新たな気付きがたくさんあって楽しい旅でした。

責任者に会いたいっ!銚子電鉄

銚子電鉄は倒産の危機を副業の「ぬれ煎餅」の販売で再建したという伝説?の会社。メディアで取り上げられて本業を上回ったというのがいろいろツッコミたいとおもったけど、その他にもネタが沢山でした。

銚子電鉄の駅名
ぬれ煎餅の販売など、鉄道会社としてはかなりユニークな方法で経営危機を乗り越えてきた銚子電鉄。この成功体験によって常識に囚われない様々な打ち手で事業を存続させてきました。その一つに駅名の命名権「ネーミングライツ」の販売です。ただ駅名の名前をつけるだけではなく、銚子の活性化への取り組みを共にチャレンジするパートナーを募り、地域活性化モデルを構築したとのこと。

名前をつけたら、愛着もわくというもの。命名権を買ってもらって更に経営へ巻き込んでいくという、うまいこと考えたな。人たらしめ♡

「ありがとう」って命名権売れなかったのかな

髪毛黒生駅、ロズウェルは定番なんだな。これは前からずっとこの駅名だった。しかし、、、、綿谷岩雄って、オイ。個人名ww 定番のロズウェル駅も、アメリカのUFO事件が起こったとされる場所を持ってくるあたりがなかなかのセンスです。ロズウェル事件は超常現象を信じる人が多く、やたらと恐れられていた時代、1947年のことで今となっては町おこしだったんじゃないかという説もあって、これを町おこしに使っているのも味わい深いです。

銚子電鉄のお土産
ぬれ煎餅も有名なのですが私がツボったのはこれ。

経営がまずいからまずい棒だそうです

「まずい棒」!あのお菓子のパクリやん。いやそれはまだよい、このイラストが怪奇漫画の巨匠・日野日出志氏のものなのですよ。日野日出志氏の漫画、、、救いがない絶望ストーリー、グロテスクな描写、、、。怖いもの見たさで買った「地獄の子守唄」は読み進められずにKindleの奥底に沈んでおります。そんな知る人ぞ知る猟奇・怪奇系漫画家にこのポップなイラストを描かせて商品化させるとは。マーケティング会社が提案したとおもわれますが、これで行きますと決断したのは銚子電鉄だよね、、、、。いやあ、好きです。

値上げしたから「きまずい棒」青汁味って、、、

銚子電鉄は黒字化したのか
こんな面白い打ち手をだしてきて黒字化したの気になるけど、未上場だし財務諸表は確認できないかなと思ったら、、、国立国会図書館のHPに「銚子電鉄の財務諸表がみたい→未上場だけど鉄道統計年鑑(国交省)に財務諸表が掲載されているよ、というとっても親切なFAQが。みんな気になるのね。うんわかる。

2020年度の損益計算書をみると軒並みどの鉄道会社も赤字、、、上場していない地方の小さな鉄道会社ばかりなので仕方ないか。銚子電鉄は鉄軌道業営業収益78,564千円、その他兼業収益397,834千円!収益の84%が鉄道以外!費用が収益を上回って赤字ではあるのだけど、売上に対する赤字が-9%はわりとマシな方。ネーミングライツやぬれ煎餅やまずい棒で赤字圧縮している。というか、この売上高からすると「ぬれ煎餅屋が副業で電車走らせている」と言ったほうがよくないか?

関東最東端の絶景ビュー

銚子は関東最東端なので関東で一番先に日の出を見ることが出来る場所。(いま気づいたけど、もしかしてそれで日野日出志なの???)地形的に視界がぱーーーっと開けて絶景ビューや太平洋の荒波に揉まれた断崖絶壁など見どころ多いです。

地球の丸く見える丘展望館からのビュー

米津玄師「カムパネルラ」MVの聖地・屏風ヶ浦
屏風ヶ浦は銚子市から旭市までの海岸線の海食崖の景勝地。一億年以上前の硬い岩石の上にかつて海だったころに蓄積された地層で、現在観察できる下の地層は約300万年から90万年前。上の地層は約10万年前のものだとか。(*1) 関東ローム層は赤い土が特徴なのでこの写真でいうと下の方だろうか。

屏風ヶ浦は国の名勝、天然記念物にも指定されており、遊歩道で見学出来る部分はごくわずかだが、見渡す限り続く断崖絶壁は圧巻。ロケ地としても有名な場所らしい。

行ったのは何年も前なので貝の化石など発見した気がするけど定かではないです。が、かつて海の中だった地層なので探してみると見つかるかも。

ジャンプしたくなるような雄大さ

中学受験ネタも豊富で親の下心も満足

水揚げ量12年連続首位・銚子港
銚子港は水揚げ量12年連続の日本一!グラフは少し前のものですが、ダントツだ!

*2 社会実情データ図録より

面白いのが、金額では銚子港は4位。1位は焼津港。大人的には銚子のさば・いわしでは焼津のまぐろ・かつおには勝てないよね、とすぐわかるけど、小学生にはまだ金額感が実感としてないだろうから、お寿司食べたときにでも「マグロは高いから1つまで」などと言って強制的に肌感覚をつけてもいいかもですね(笑)

*2 社会実情データ図録より

醤油の町
銚子を代表するものとして醤油は外せません。銚子で醤油が発展した条件として以下のものが挙げられています。

沖合で黒潮親潮が交わる銚子の気候は、夏冬の気温差が少ない温暖多湿で、醤油醸造の麹菌酵母に適した。原料は常陸の大豆小麦が入手し易い位置にあり、大消費地の江戸の町へ利根川江戸川の水運を利用して醤油を運ぶことができた。

Wikipedia 銚子の醤油醸造

なぜ醤油が発展したのか、海流や水運にからめて話して、いまその醤油屋はどうなったのか(ヤマサ醤油やヒゲタ醤油などスーパーで探してみるのもよいかもですね)醤油を運んでいた銚子電鉄が現代では駅名を売ったり、まずい棒を売ったりして赤字縮小しているというのもギュッと凝縮すると面白ストーリーですね。

ヤマサ醤油の工場見学 醤油樽のなか

中学受験に関係しそうなキーワード

銚子漁港 / 利根川 / 坂東太郎 / 関東ローム層 / リマン海流 / 対馬海流 / 黒潮(日本海流) / 親潮(千島海流) / 潮目 / 利根川水運 / 

引用
*1  銚子ジオパーク 屏風ヶ浦
*2 社会実情データ図録


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