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ひやむぎの運転スタイルはあの大手バス会社が取り入れていた。

ひやむぎはよく車を運転する。愛車のデミオは58,000kmを走っているし、前職の社用車では60,000kmを走った。その他に母親のシエンタ、エブリイワゴン、レンタカー、大小さまざまなトラックなどでも走っている。たぶんここまでの人生で総走行距離は150,000kmくらい行くんじゃなかろうか。地球何周できるだろうか。

それだけ走れば自ずと運転も上達するわけで、友人、家族、恋人、上司、先輩などなどいろんな人を乗せるものだからあんまりいい加減な運転もできない。あと優しい友人とか家族ならともかく、前職の上司を助手席に乗せているときなんかは気を遣った。必要以上に気を遣った。

母は息子を救急車と呼ぶ

あるとき母親からこんな連絡があった。「夜間外来に行きたいから、帰ってきて運転してくれ。」何があったかわからないが、声から生気を感じられない。聞いてみるとめまいがして歩くこともままならないらしい。

「救急車呼んだ方がよくない?」
「救急車やと揺れが気持ち悪くて余計に吐く。外見えんし。あんたの運転なら大丈夫。」

息子の運転を信頼しすぎの母親である。病院につく直前にマーライオンになっていたからどちらでも同じではなかったか。そもそも運転が優しくなったのは50歳を目前にしてもあなたが車酔いを卒業できないからである。

「あんたが免許取ったらドライブに行って、隣でポケモンGOをする」と豪語したが、乗り物酔いどれマーライオン状態でどうやって画面を見るのか。

「私の免許は一般道限定免許だから、高速道路を走るときには高速免許を持ってるあんたが運転してね。」と宣ったがそんな免許証を誰が発行しているのか。

母は常にこんな感じである。母を酔いどれにしないように運転していたら、いつの間にか助手席で呑気にコイキングを捕まえているし、ポケストップにアイテムを置くからと車を止めさせる始末である。

クソ課長は助手席で眠る

前職は九州内をあっちこっち移動する仕事だった。自店から客先に車を納車する仕事があったからだ。行ったっきり帰ってこられないとまずいから、行くときは課長と一緒。行きがけは一人だから気が楽なのだが、帰りは助手席に課長が載るから地獄だった。隣でずっと仕事の話をするわ、説教し始めるわ、かと思えば武勇伝を語り始めるわで。

しかしふとした時に癒しが訪れることもあった。それが課長が寝た時である。宮崎~福岡の帰路。たっぷり4時間はかかる道のりで、昼食に宮崎名物チキン南蛮を食べてから福岡へ走った。

課長は(ひやむぎもだが)満腹である。そうなると当然眠くなる。御年55を超えるおいちゃんには抗いようもない眠気である。運転してないと暇だしね。

ということでお説教が落ち着くころには眠気のピークが到来し、そこから課長は優雅にお昼寝タイムである。車内が静かになる。ロードノイズとエンジン音だけが響くドライブは至福なのだ。この時間がずっと続いてほしい。福岡につくまで起きないでほしい。

この状況を遮る要因は2つだ。

課長の携帯が鳴る。これはどうしようもない。

ものすごく揺れる。これはブレーキングとハンドリングでどうにでもなる。

ということは、揺れない運転をすればこの時間は保てるのだ。信号で止まるときにもショックを限りなく0に近づけ、カーブでは十分に減速する。ブレーキもアクセルもふわっと柔らかく。それだけでこの平穏は保てるのだ。そうして目的地の福岡まで、一度の休憩を除いて課長は終始夢の中であった。

ある運転士のブログに答えはあった

福岡を走るN鉄バスの運転士さんが書いたブログ。だいぶ昔に更新が止まっているものの、バス好きのひやむぎにはそれがいつまでも後世に残したい本のように思える。

接する機会がない運転士さんの日常、どんなことを考えながら運転しているか、レアな事件などなどがゆったりと綴られているこのブログ。かみちぃさんという方だ。

彼のブログの中に「レガート運転」という単語があった。レガートとは音楽用語で「音と音を切らず滑らかに演奏する」という意味だ。これを運転に置き換える。アクセルと空走、ブレーキの間に切れ目がなく、発進→走行→停止がスムーズに行えるテクニック。

僭越ながら似たような内容を以前、投稿したことを思い出した。

ひやむぎが自称する「ゆりかご運転」はN鉄バスに置き換えるとレガート運転になるらしい。

レガート運転のコツ

あの日本一のバス会社のお名前を出しておいてなお、自らが勝手に言い始めた「ゆりかご運転」を出すのはさすがに申し訳ない。だから以後、レガート運転に統一する。

このテクニックの核は「乗っている人の体を揺らさないこと」だ。

① アクセルはふんわり優しく踏む
② ある程度加速できたら惰性&ちょい足しで走る
③ 遥か彼方の状況まで把握する
④ 減速の予兆(信号、他車等)があれば早めに弱くブレーキをかける
⑤ 車線変更は早めに行う

以上を徹底すれば誰にでもできるようになる。しかも燃費まで良くなって、助手席の奥様もご機嫌!

ご一緒にいかがですか?

優しい運転の世界へ。

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