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知的障害のあるこどものワクチン接種(次男の場合)

次男は地元の特別支援学校に通っている。同級生や同じ学校の子どものなかには、抵抗力が弱い者もいる。なので、できることなら次男には感染症のワクチンは打ってもらいたい。

ところが、次男は場所見知りが激しく知っていて安心できるところでないと、車で来訪しても降車拒否をすることがある。

たとえばそこが医療機関だとわかると、絶対に車から降りない。押しても引っ張っても車のシートから離れない。仮に車から降りて建物内に入っても、ダッシュで駐車場に向かっていく。危ないので受付の手続きもままならない。


さて、私が住んでいる地域でも、12歳以上のワクチン接種が始まった。

クーポンと予約申し込みの説明書が届いてすぐに、ネットで次男の分の予約を入れた。(長男は自分でスマホからネット予約した)


子ども達のワクチン接種の前に自分たちの接種があり、会場の様子や接種の進め方を実際に経験してみて、「これ、次男が普通に素直にワクチン接種できるのかなぁ?」と不安になった。

後日、「ワクチン接種に関する問い合わせ」と案内された番号に電話をし、次男がすんなりとワクチン接種を受けられるか心配なので…と、事情を話し会場側の理解と根回しをお願いした。


次男のワクチン接種当日。

家にいったん帰ってしまうと外出したがらないので、給食を食べ終えた時間に夫と一緒に学校に迎えに行き、そのまま接種会場に向かった。

到着したら案の定、降車拒否。

私だけ車から降りて受付に行き事情を話すと、「ああ、聞いてます。車の中でも構わないので予診しましょう」と、看護師さんが車まで来てくれた。

言葉を発するものの、ほとんど会話が成り立たないことを実際に見てもらい、健康状態を確認したうえで、今度は注射する医師が車まで来てくれた。


看護師さんに、「うちの子のような知的障害のある子どもや大人も、ワクチン接種に来ているのか?その場合、駐車場で自家用車の中で診察や接種をすることもあるのか」を聞いたところ、必要であれば応じるとのことだった。

さて、実際に注射をすることになると、まだ事情をのみこめていない次男はミニバンの後部座席で見慣れない女の人(看護師さん)を警戒しつつ、私にしがみついていた。

注射のイメージを理解してもらおうと作ったシートを見せながら、「次男君、かっこいいところを見せて」とシャツの袖をめくり、すかさず看護師さんがアルコールで上腕を拭き注射器を当てた…

「これはいけるぞ!」と思ったとたん、次男が腕を振り回し、看護師さんは離れざるをえなくなった。

そこから手を変え品を変え、なんとか次男にワクチンを打ってもらおうと大人たちは奮闘し、次男はそれを阻止すべく逃げ暴れ…


結局、根負けして今回はキャンセルということになった。一応、予約しなおしてリベンジするとは言ったものの、次男のこの暴れっぷりと、「ここに来たら痛いチックンをされる」と学習してしまったであろうことを考えると、接種を諦めるしかないか…?などと、迷っている。


本当は、ワクチン接種もいらないような世界になってほしいところなのだけど。

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