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膝を傷めない歩き方

 知り合いの方が、膝を手術しました。
 高齢の方でした。
 新陳代謝の衰えでしょうか。それにしては、日々実にきびきびとした歩きで、私などはついていくのが精いっぱいです。
 歩き方は、足先をピッピッと延ばしテンポよく、肩に銃でも担いだら兵隊のようです。
 まてよ。
 膝を痛めたのは、この歩き方では?
 ピシッと膝を伸ばして、前足を着地。ちょっと大げさに試してみると、膝に逆関節の衝撃が。
 大股で勢いよく歩こうとすると、後ろ脚も地面をピンと蹴ります。蹴った瞬間、やはり膝に逆関節の衝撃が走ります。
 歩きかたは呼吸と同じで、その人の長年の習慣です。その方は、軽い衝撃も、慣れっこになっているのでしょう。
 この考えをご本人に伝えました。
 全然反応なし。
 まさに幼いときからの習慣ですから、かえって「なんのことだい」という顔をされてしまいました。
 私はというと、日々、だらしない歩き方をしています。膝をのばしきることはありません。
 疲れない歩き方を試しているうちに、こんな歩き方になってしまいました。前膝に体重を移すことを意識して、後ろ足はできるだけ蹴りません。体重移動につれて、後ろ足が前に引き寄せられるわけです。
 後ろ足で地面をできるだけ蹴らなければ疲れにくいだろうと、考えたわけです。
 前足は膝に体重を受けるだけで、足先をさらに前に飛ばすことはしません。結果として、前後の足は膝を伸ばしきらないので、見てくれはさておき膝に逆間接の衝撃は走りません。
 では、逆に、極端に膝を伸ばした歩き方を考えてみましょう。
 まさに、某国の軍事パレードの兵隊さんですね。
 独裁者様に、右へならえをしたまま、前足を水平以上にピント投げだし、後ろ足は踵がバウンドするくらいに蹴っています。
 いかにも元気よく、力強く、歩いているように見えます。
 一糸乱れぬ没個性の集団行軍は、忠誠心のパフォーマンスをしているわけです。
 私には、膝から悲鳴が聞こえるようです。
 どうみても、前後の膝に、これ以上ない衝撃を与えているのですから。
 可哀そうな膝。
 パレードの式典会場から、ずつとこの歩き方で前線まで行軍したらどうなるでしょう。到着する頃には、全員膝を痛めてしゃがみこんだりして。
 というわけで、膝を守るためには、前足と後ろ足は、膝に余裕を持った歩き方がお勧めです。きっと、年をとっても、歩き方が原因で膝を痛めることはないでしょう。
 ただし、後ろに振り返ったりするときに、膝を横にねじらないことが肝要です。空手の形などは、膝を横にねじる動きはありません。
 武道話は、またいずれ。
 膝に平和を。 
   


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